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第44話
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「ミレーユ!」
アリーナは後ろを振り返って思わず叫んだ。レオナルドと口づけをすると勇気を持って声を出したのは、親友のミレーユ令嬢でした。妖精のように純粋で清らかな心の彼女は、みんなのために自分の唇を犠牲にする真のヒーローだった。
「ミレーユ令嬢……本当によいのか?」
陛下が改まった口調で声をかける。息子とキスしていいのか?後悔はしないのか?申し訳なさで胸が一杯になります。でも陛下は自分がキスしなくて御安心したのである。
「ミレーユさん、ごめんなさい……」
王妃はいかにも気の毒そうな口ぶりをしてみせた。私が息子とキスしたくないから、全然関係がないあなたに負担をかけてしまって……許してくださいね。王妃はそんな思いだった。
「ミレーユいいの?」
「……うん……」
頭がどうにかなったのではないかと、アリーナは親友のことを本気で心配したほどだった。だが彼女は既に受け入れている返事をするのです。
「どうして?ミレーユがレオナルドに口づけする理由がないじゃない!あなたの大切な唇が汚されてしまうわ!!」
やめて!あなたが彼にキスすることなんてない。つやつやした愛くるしい唇が汚れてしまうよ?アリーナはミレーユに正気に戻ってもらいたいと思っていた。
「でも、私がしなかったらアリーナがするでしょ?」
「……そ、それは……」
ミレーユは、ほとんど確信にちかい答えを自分の中に持っていた。心優しい性格のアリーナが同情的な立場から、結果的にレオナルドに口づけすることになると……。
アリーナも実はそのつもりだったので、ミレーユから返ってきた予想外の意見に、言葉が詰まって何も言い返せなかった。
「私は親友だからアリーナの気持ちはよくわかってるから、それなら私がしようと思ったの」
「ミレーユ……やっぱり駄目よ。そんなことしないで……あんな男に汚されるのは耐えられない……」
「私だって本当はしたくない。だけどアリーナがばか王子とキスするのを見るのは、それ以上に悲しいから……」
お互いのことを今日まで支えあってきた心底信頼している無二の親友であります。だから何を考えているのかわかっているとミレーユは言った。あんな品行が悪い男とキスするのはやめたほうがいい。アリーナは必死に止めますが、ミレーユは二人のキスを見るほうが心が痛むと涙声でいいました。
「――黙って聞いてたら人の夫に対して失礼じゃないですか!!」
アリーナは後ろを振り返って思わず叫んだ。レオナルドと口づけをすると勇気を持って声を出したのは、親友のミレーユ令嬢でした。妖精のように純粋で清らかな心の彼女は、みんなのために自分の唇を犠牲にする真のヒーローだった。
「ミレーユ令嬢……本当によいのか?」
陛下が改まった口調で声をかける。息子とキスしていいのか?後悔はしないのか?申し訳なさで胸が一杯になります。でも陛下は自分がキスしなくて御安心したのである。
「ミレーユさん、ごめんなさい……」
王妃はいかにも気の毒そうな口ぶりをしてみせた。私が息子とキスしたくないから、全然関係がないあなたに負担をかけてしまって……許してくださいね。王妃はそんな思いだった。
「ミレーユいいの?」
「……うん……」
頭がどうにかなったのではないかと、アリーナは親友のことを本気で心配したほどだった。だが彼女は既に受け入れている返事をするのです。
「どうして?ミレーユがレオナルドに口づけする理由がないじゃない!あなたの大切な唇が汚されてしまうわ!!」
やめて!あなたが彼にキスすることなんてない。つやつやした愛くるしい唇が汚れてしまうよ?アリーナはミレーユに正気に戻ってもらいたいと思っていた。
「でも、私がしなかったらアリーナがするでしょ?」
「……そ、それは……」
ミレーユは、ほとんど確信にちかい答えを自分の中に持っていた。心優しい性格のアリーナが同情的な立場から、結果的にレオナルドに口づけすることになると……。
アリーナも実はそのつもりだったので、ミレーユから返ってきた予想外の意見に、言葉が詰まって何も言い返せなかった。
「私は親友だからアリーナの気持ちはよくわかってるから、それなら私がしようと思ったの」
「ミレーユ……やっぱり駄目よ。そんなことしないで……あんな男に汚されるのは耐えられない……」
「私だって本当はしたくない。だけどアリーナがばか王子とキスするのを見るのは、それ以上に悲しいから……」
お互いのことを今日まで支えあってきた心底信頼している無二の親友であります。だから何を考えているのかわかっているとミレーユは言った。あんな品行が悪い男とキスするのはやめたほうがいい。アリーナは必死に止めますが、ミレーユは二人のキスを見るほうが心が痛むと涙声でいいました。
「――黙って聞いてたら人の夫に対して失礼じゃないですか!!」
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