誕生日パーティーで婚約破棄を発表された「幼馴染が妊娠したから結婚する!」王子が体を壊して地獄の苦しみを経験する。

佐藤 美奈

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第54話

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「息子はどうなのだ?」

陛下がひどく心配げな様子でアリーナに尋ねた。

「とりあえずこれで身動きはできませんので安心してください」
「さすがアリーナ様ね」

アリーナは大きな支障はないと答えると、王妃はほっと胸をなでおろす思いで口を開いた。

「レオナルドってまだ生きてるの?」

カトリーヌが懸念けねんがある様子で言う。彼の子供を妊娠しているので、少しばかりの同情心も沸いてきた。

「驚くことに生きてますね」
「なんで?」
「私にもわかりませんけど、でも彼の体を調べたら何かわかるかもしれません」

アリーナは自分に対して危害を加えようとしている者には、悪意を察知して始末することは可能ですが、レオナルドには、そのような悪意のような感情はなかったので居場所がわからなかった。ただ単純にキスがしたかっただけのようである。

その証拠にアリーナにキスをしてくれと近づいて、心理的な恐怖感を抱いてレオナルドの動きを止めました。肉付きがほぼ皆無の超激やせた全身がガリガリすぎの細長い体をした男が、ゾンビみたいに朦朧もうろうとしながら寄ってきたら怖いなんてものではない。

「ほんとにこの王子は、こんな状態でよく生きていますわ」

ミレーユがシャツ一枚になって倒れているレオナルドを見ながら言う。アリーナの能力によって動きは完全に止めてあるので、安心して服を手際よく脱がせはじめた。少し転がして背中を見ると、若干ではありますが肌の状態が良くなってきているのです。

「アリーナ、キスを……してくれえええええ……」

その時でした。前触れなく幽霊みたいな声を出して、口付けをねだってきた。無自覚なままカトリーヌが強めのビンタをくらわせる。

「カトリーヌさん!」
「大丈夫よ。これだけ生きてるんだから、このくらいで死ぬわけないでしょ?」

思わずアリーナが注意を与えるように声を発した。驚異的な生命力で生き延びているので、今さらこの程度で彼の命が尽きるわけないでしょ?とカトリーヌは半笑いを浮かべて言った。

「あうぅ……痛い……あうぅ……」

カトリーヌに叩かれて、あうあううめき声をもらす。レオナルドは痛みを感じられる脳はまだ持っているようだ。アリーナはで裏切った相手の病気は二度と治すことが出来ないのだが、彼の身体を治せるのか試してみることにした。
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