リュウのケイトウ

きでひら弓

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リュウのケイトウ レガシィ 23 ネイ先生からの教え

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『二人共、そこまでだ。』

慧人がシミュレーションの終了を
冷徹に告げる。
ツイスターの絡まった体制のまま
二人がピタリと動きを止めた。

そして薬の効果が切れたように
レイラが正常を取り戻した風に
姿勢を正し振る舞う。

『恥ずかしい所を見せたな慧人。
しかしもう大丈夫だ。
済まなかった。』

しっかりした口調で
先程までの言葉使いが嘘だったかのように
慧人に向き直るレイラ。
だったのだが、

『いやぁ~~~んっ!。』

ネイがレイラの背筋を
人差し指で そーーっとなぞった。
言葉だけ正しただけで
まだ潤んだ瞳と上気した頬の色を
ネイは見逃さなかったのだ。

『まだまだ修行が足りませんね。
今日はここまでにしますが
次は容赦しませんから。』

ネイが勝ち誇ったように
腰に手を当て偉ぶる態度で
吐き捨てる。

『課題を全部こなしたのだから
私の勝ちではないのか。』
 
レイラがボソッと呟くが
ネイが鋭い視線で牽制する。

『いえ、何でもありません先生。』

おかしな上下関係が成立した
瞬間だった。

ようやく事態が収拾した所で
やっと出番とばかり
慧人が本題に戻す。

『レイラこれで生まれ変わった機体でも
十分に使いこなせるはずだ。
さあ、発進準備にかかろう。』

『了解。!   慧人。』

颯爽とルームの扉から出て行く
レイラは慧人にすれ違い越し
軽くウインクをする事を忘れない。

慧人はレイラの本当の性格は
これなんだなと、ふと正解に至った。

『ネイ、
さっきの訓練、
まるでツイスター ゲームのようだったな。
何の意味があるんだ?。』

訝しい表情で質問する慧人に
ネイはまるで怯む様子も無く
しれっと答える。

『まるで、では無く
ツイスター ゲームそのものです。
ツイスターしながらの
操縦、敵機迎撃をして頂きました。

これは"非常事態"に"柔軟"な対応を
実践するものです。』

そこまで話すとネイは
プイッとそっぽを向いてしまった。
所謂レイラに対しての意地悪だったのだが。

(なんか怒ってんのか?。
何だと言うんだ全く。
まあ、非常事態はどの様な形で
現れるか分からんからな。
柔軟の意味は違う気がするのだが…。)

朴念仁な慧人にはヤキモチを妬く程の
高性能なAIの心情など微塵も
伝わるはずも無く
マヌケな結論へと
到達してしまったのだった。

◇         ◇

その頃
某国、軍事秘密会議室では
不穏な会話が行われていた。

『どーだぁジョルダン
上手く行ったぁどぁろぅがぁ~っ!。
ああっ!。』

(※訳
どーだジョルダン
上手く行っただろうが。ああっ!。)

『お見事でございます。
このジョルダン誠に感服にございます。』

『そぅ~だぁろぉよぉ~~。
戦争なんぞ起こしてぇ~
テメェでぇ~攻めるぅつぅ時代はもぅぅ
終わりぬぁんだぁ~よぅ。
くぉれからうわぁ自分のてぇよごさずぅ
竜にすぇむぇさせてぇぇ
そのあどぅくぁねでぇ雇ったぁどこそのぉ
傭兵どぉむぉにぃ~城、すぇんりょぅさせぇ
その傭兵どぉむぉうぉ~うぉりぇ様がぁ
退治した事にすりゃぁ~
恩、売った上にぃ~その国むぉ
支配どぇきるってぇむぉんだぁ
なぁ~っ!。』

(※訳
そうだろうとも、
戦争なんて起こして
自分で攻めて行く時代は終わりだ。
これからは、自分の手を汚さず
竜を使って街を壊滅させ
その後、金で雇った傭兵に
ゲリラとして城を占領させ
それを殲滅した事にすれば
その国に恩も売れるし
支配も出来て一石二鳥だろ。なあ。)

『ごもっともでございます。
時間差で仕掛けたニュオル バザートへの
陽動も完璧でございましたし。
誠もって素晴らしい。』

『どぉワッハッハーっ!。
俺すぁむぁのぉやる事ぬぃい
ぬくぁりぃはぬぇぇんだぁよぅ
うぉそりぇいったくぁぁ~ああっ!。』

(※訳
ワッハッハ!。
俺様のやる事に
抜かりは無いんだ。
恐れいったか、ああっ!。)

一連の事態には闇の仕掛け人が
存在した。
ガセアを包囲する謎の甲冑隊も
この者達が仕向けたものだった。
慧人とレイラはこの
包囲網を突破出来るのか?。

そしてジョルダンは思った。
(この人の相手するの
疲れるんですよねぇ~。)と。
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