リュウのケイトウ

きでひら弓

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リュウのケイトウ レガシィ 36 目的の地へ

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一行はキャンプサイトの撤収を終えると
レヴィアの案内する先へと
行動を開始する。

この森の最奥までは
あとどれくらいあるのだろうか。
辿り着いた事があるのは
レヴィアと
そしてティエナだけ。

ティエナは思った。
ここからまだ
この滝の流れてくる先
高い山を越えた向こう。
ため息が出る程長い距離だと
記憶している。

『まだ日が昇る前の早朝だけど
日が暮れる前にこの山だけでも
越えてしまいましょう。』

ティエナが笑顔を作り
皆を先導するように
向かう先を示す。

『そーか~この山なー。』

『結構 高いね。』

『相手に取って不足無しだ!。』

『皆が安全に通行可能な道を使うとして
概算で20km程あるのではないかな。』

サレヒュトがボヤくように
もらすとミャウ、レイラが
山を見上げ呟く。
慧人には道中を予測出来る
経験値が備わっていた。

傍らのレヴィアの手を引くように

『行こう!。』
慧人が一歩踏み出すと

『こっちがぅ。』
レヴィアが瀑布を指差す。

『ん?!。』
レヴィアが示す滝を
目の前に捉えた一行は
皆、同じ感嘆でレヴィアに
振り向いた。

『滝の流れの裏に
近道が有るんだがぅ。』

レヴィアの指差す先を見れば
細く人一人が壁面へ
へばりつくように進めるギリギリの足場が
迂回するように瀑布の中腹へと
続いている。

『あそこへ上がって行くのか?。』

『そう  がぅ。来る時も通ったがぅ。
普通に使えるがぅ。』

『不安が有る者は
遠慮なく申し出てくれ対策を考える。』

慧人が確認するようにその足場を指差す。
レヴィアはあっけらかんと答えた。
サレヒュトは数名の女子は
通行が難しいと考え
登山用具の使用を示唆しようとするが

『誰も居ない?!。
夏殿とレイラは大丈夫なのか?。』

サレヒュトの問いに夏は
『私、今フィギュエイドなので
全然平気です。元の体だったら無理だった
かもしれないけど。』

フィギュエイドボディは
忍者を超える身軽さとバランスを持つ。
その上強靭さも折り紙付きで
万が一滝壺へ落ちても大丈夫な
頑丈さも備えている。

レイラも続いて答える。
『私は軍務経験者だぞ。
舐めて貰っては困る。
こんな事は朝飯前だ。』
どうやら強がりで言っている訳では
なさそうだ。

『よしっ!
そしたら隊列を気にしながら
上がって行くぞ。
順番は
レヴィア、俺、ティエナ、ミャウ、
レイラ、ネイ、レピ、ハピ、
夏、慧人、で出発!。』

サレヒュトが指揮しながら進む。

『うっひゃー高いねーー!。』

ミャウが滝壺を覗き込み叫ぶ。

『下みたらダメよミャウ。』

ティエナはエルフのバランス感覚で
高所の足場でも問題無いが
流石に余裕が無い。
レイラも無言で続いて行く。

『素晴らしい絶景ですね。
何枚が撮影しておきましょう。』

ネイは二度と見れないかも知れない
この景色をデジカメに収めている。
体を捻(ひね)っても足先のバランスは
完璧だった。

『姉様、用意が宜しいのです。』

『流石です。僕は記憶だけで良いかと
思ってました。』

ハピとレピは憧れのネイの
一挙手一投足のチェックに余念が無い。

『お兄ちゃん、身体のバランスは
大丈夫だけど精神が持たないよ。
微妙に崩れそうで…ひゃっっ!!。』
夏の踏み出した右足の岩場が崩れる。
もちろん左足だけでもきちんと
バランスを取るが
流石に慧人が夏の手を引いて
アシストする。

『有難う、お兄ちゃん。』

『足場が脆い部分も有るようだ。
気を付けて行こう。』

『うん。』

一瞬の出来事であったが
ネイは素早く反応して
何故かシャッターを切っていた。
その際チッと舌打ちをしたとか
しなかったとか。

そうこうしているうち
先頭が瀑布の裏へ辿り着く。

『凄いな!。
こんな見事な洞窟が広がってるなんて。』

サレヒュトがレヴィアの傍(かたわ)らで
感嘆する。
続々と一行も洞窟へ辿り着く。

『すごーーい!。ヤッホーーーっ!。
うは、響くよ。』

ミャウがその見事な鍾乳洞の景観に
思わずはしゃいで声を張った。
やっぱりヤッホーって言いたくなっちゃう?!。

『こっち。来て。』

しばらく無言だったレヴィアが
慧人の手を引いて奥へ進む。

最奥まで進まずに細い枝洞へ
入って行くと何やら
歪んだ空間が存在していた。

『此処か。』

慧人が歪みに手をかざす。
取り分けなにも起こらない。
手を引くレヴィアに目を向けると
膝立にしゃがみ掌を組むと
瞼を閉じ呪文を唱え始めた。

『偽りの視守跡よ
今、解放主の思考まま
願いの真室へと接続せよ。』

揺らめく歪んだ空間の色が
深いブルーから
鮮やかなグリーンへと
輝き出す。

『行こ。こっち。』

レヴィアは慧人の手を引いて
歪みの中へ足を踏み入れた。
光のカーテンの向こう側には
広大な空間が広がっており
視線の先には
一人の人物が招き入れるよう
立っていたのだった。

『ようこそ、
真実を知る事を許された者が
辿り着く場所"マラゾン"へ。』
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