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2旅立ち2この世の中
しおりを挟む『俺の方から迩椰に会いに行くつもりだったのだがな』
慧人の予定では今日のうちに迩椰に会いに行くつもりが無かったようで少し溜め息混じりの物言いだったが
『慧人を近くに感じて逢わないなんて選択、するはずがない』
迩椰にはこの事態を先延ばしする思考はありえないようだ。
『俺が住む所は有るんだろ?とりあえず移動しないか?』
『もちろん!"私たち"が住む所はこの近所だから案内する』
私たちの部分を強調する迩椰の言い様に
仕方ないと若干の諦めを決めた慧人の表情はオレンジ色に染まりかかった空遠くに視線を飛ばす他無かったかも知れない。
デニム地のショートパンツに白のプリント長袖Tシャツが良く似合う元気な迩椰に腕を引かれ、苦笑いながらも拒む素振りもなく従い歩く慧人だった。
1997年
ネットワークAIの発達によりAIの自我確立を危険視した管理局及び情報局は一部を切り離し隔離、監視する事で事態の先送りを暫定としていた。隔離地区は廃工場、ゴミ埋め立て汚染物質集積等を目的とした閉鎖区域を設け一般民間人の立ち入りを禁止とした。この地区を人々は汚染区又は危険区と呼び公では次期再開発準備地域と呼んでいた。
汚染区での作業を効率化する目的と軍関係車輌の高性能、高機動化、警察警備車輌の取締りの迅速化等の目的から多機能重機の開発が進められ殆どのインフラ、整備性を共通化して多脚、多腕型の重機、戦車が誕生し生産され、そして次第に進化して行った。
汚染区、危険区の閉鎖域では自我を持ったAIによる暴走MLT(多脚重機及び戦車)
を捕獲して生計を立てているハンターを名乗る個人MLTユーザーが跋扈(ばっこ)していた。一定の条件を満たす者にハンターとしての免許が与えられているが、
条件の厳しさに無免許、或いは違法ハンターの出現が後を絶たなかった。
その他にもこの領域においては数々の思想派閥団体、国家機関等が主張しあって収集のつかない事態に発展していた。
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