リュウのケイトウ

きでひら弓

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23色付く日常16適正

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昼休憩の時間にミゥの伝達で
C組の生徒たちは第三ハンガーに
集合していた。
『さて、お待ちかねの
適正値計測を始めようか。』
生徒達に向かいミゥの宣言で
あらかじめ、トレーニングウエアに
着替えていた一行はぞろぞろと
計測装置の設置された
ハンガー内の第一ミーティングルームへ
足を運ぶのだった。
『ティタと迩椰が羨ましいな。
あれだけ、適正値が高かったら、
もう計測の必要無いもんね。』
千陽が羨望(せんぼう)の眼差しで
二人に話しかける。
『私はそれでもキチンと
測りますよ。
今、どの程度の適正が有るのか
気になるし、あの光線で
スキャンされると
なんだかリフレッシュした
様な、スッキリした
気分になますから。』
『迩椰は最初、怖かったけど
慣れたらなんだか落ち着くみたい
あのピンクの光。』
ビヨク マリギッテ体深測定
スキャニングシステム
元々、龍真瑰のメンテナンス用に
開発された体中組成の分析、
解析、非接触処置などに用いられる
オペレーティング、メンテナンス
システムだ。
この学園では適正値計測に
用いられる他、
龍人の血統を受け継ぐ者の
メディカルチェック、メンテナンス
体組成のストレス因果の除去
など、健康維持の為にも
必要とされている装置なのだ。
もちろん一般人の
メディカルメンテナンスも
可能としている。

程無くして、ミゥからC組全員に
測定結果が発表されようとしていた。
『さて、早速だが測定結果を
発表しよう。
歌詞宮 迩椰(かしみや にや)
適正値3.9
ティタ  リハルミリニ
適正値3.6 
朝霧 夏(あさきり なつ)
適正値2.98
向井田 千陽(むかいだ ちはる)
適正値2.95
石黒 智(いしくろ さとし)
適正値2.9
佐々木 康太(ささき こうた)
適正値2.88
と言う結果が出ている。』
(高適正値者順)
迩椰とティタは特に感慨もなく、
夏は少し悔しそうに両手を強く
握り締めている。
千陽は、『もうちょっとなのにぃ~。』
と落胆の表情。
智と康太は
『あ~またダメだったか~。』
と溜息交じりで肩を
落としていた。
『残念ながら迩椰とティタ以外は
今一歩と言う所で適正値3に
及ばなかった次第だ。
しかし、C組全員には
必ず適正値3をクリアして
いただきたい。
何故なら、
クラス対抗デュエル競技大会に
全員参加してほしいからだ。』
すると康太が手を挙げ
発言の許可を求めて来た。
『先生。』
『どうした?。康太。』
『僕、パイロット実習生
じゃないん
ですけど、僕も出場しないと
ダメなんですか?。』
『C組は人数が少ない。
よって、選抜などと言う
悠長な事は言っていられない。
故に、クラスの全員が出場となる。
これは生徒連からの意見でもある。』
今度は夏が質問して来る。
『先生、あとほんの少しだけ
足りない適正値。
どうやったら上げられるんで
しょうか?。』
『それについては、
慧人君から提案がある。』
『皆、聞いてくれ。
試薬での適正値の底上げも
限界を感じ初めていると思う。
そこで、精神鍛錬を提案したい。
これから対抗戦まで
毎日早朝、皆で行いたいと思う。
ついては、武道講師を
夏にお願いしたいのだが、
どうだろうか?。』
『わ、わたし?
私が講師なんかで大丈夫なのかな。』
『問題無い。
夏の武道実績は拝見させて
もらった。適任であると思う。』  
『どうだろう?。
朝霧君、引き受けては
くれないか。』
ミゥも慧人の意見に賛同する。
『精神鍛錬する事で、
適正値改善が本当に
見込めるんですね?。』
夏に静かな闘志が燃え初めている。
『ああ、間違いない。』
慧人の雑念の無い真っ直ぐな
回答に、
『わかりました。
私で良ければ、皆んなの
力になりたいと思います。』
しかし、流れを読めない
ヤツも居る。
『先生ーっ。
俺、早起きが苦手です。
3日坊主になりそうな
気がします。』
智の腑抜けた物言いに
ミゥは遂に切り札の投入を
決めた。
『そんな温い(ぬるい)
緩んだ輩(やから)を
正すためにも、
明日からの連休を使って
"合宿訓練"をとり行う。』
どどーーーん
勢いの波が岸壁岩場を打ち据える。
『合宿って
皆んなで泊まり込む所
用意出来てるんですか?。』
『それについてはだ、
ティタと迩椰に賛同を得て
彼女達の家を提供して
もらえる事になっている。
よって懸念は解決済みである。』
ミーティングルームが
騒ついた。
『皆、一度家に帰り、
合宿準備をして来る様に。
一同解散。』
沸々と闘志を燃やす
ミゥと夏
やれやれと肩をすくめる
千陽
別の興味に逸る
智と康太。
クラスは躍動へと
動き出すのだった。

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