リュウのケイトウ

きでひら弓

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30合宿7お披露目

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程無くして、ミゥが境内に
現れると、残りの三人も階段を
上がって来る。
『それじゃ、始めるか。
朝霧君、頼めるか。』
『はい。』
ミゥの号令で朝練が始まり、
夏の、古武道の演武が
滑り出す様に静かに形を追って行く。
今朝方、
慧人に見せた時よりも、
力強く、更に動きのキレも
増している。
自信に溢れる様
何かに気付く様に。
一通り演武が終わると
拍手と感嘆の声が上がる。
『朝霧君、
見事な演武だった。
かなり、修練を積んだ物なのだな。』
ミゥが一言告げねばならない
程の仕上がりだったのだ。
慧人も、うなづく様な
仕草で腕を組み、
納得の表情を作っている。
『では、皆、習いながら
形を追って行こう。』
ミゥが全員に声を掛ける。
拙い(つたない)動きの者には
夏が修正を加えながら、
行程をこなして行った。

一時間半程、鍛錬したところで
朝練を終え皆で慧人の住む家に戻り、
朝食を済ませると、
一行は学園の第三ハンガーに
向かった。
先ずは、適正値検査を行う。
慧人の予想通り、
夏の適正値は3.3まで上昇しており、
見事、カムイのコクピットに
乗り込む
切符を手に入れる事が
出来たのだった。
それ以外の三人、
千陽、智、康太はそれぞれ
2.99  2.98  2.97と
今一歩及ばず、
シミュレーターへの搭乗は
明日以後へと持ち越しに
となってしまったのだ。

『この場は君にお願いしても
鎌わないか?。
私は少し良い事を思い付いた。
とりあえず今日適正値をクリア
出来なかった三人にもモニター
させてやろう。』
ミゥが慧人にシミュレーター
訓練を
全面的に任せる意を伝え、
しばらく席を外す旨を示す。
『了解しました。』
慧人は短く肯定の意を現すと、
クラスの全員にこれからの事を
申し送る。
『迩椰、ティタ、夏は
シミュレーター訓練に入ろう。
千陽、智、康太は
その様子を少し見せて貰ってくれ。』
慧人が仕切り、
シミュレーターのプログラム
開始状況を外に接続された
モニター件、総合コントロール用の
コンソールで、
乗れなかった三人にも
確認出来る様大型スクリーンに
表示させるべく操作を始める。
『三人はパイロットスーツへ
着替えて来てくれ。
その間に準備を進めて置く。
ティタ、迩椰、
夏のスーツへの着替えを
手伝ってやってくれないか?。』
『はい、
少し手間ですものね。
あのスーツは。
承知致しました。』
『迩椰が
夏に簡単に着るコツを
教えてあげる。』
『着るの難しいんだ?
二人ともよろしくお願いします。』
二人は夏を連れ、
パイロットスーツが用意
されている
女子用のフィッティングルームへ
向かった。

慧人がシミュレーターの
各種設定と、大型スクリーン等の
映画出力準備を終えた頃、
三人が着替えて戻って来た。
『随分とザックリというか
もっさりと言うか…
動きにくそうなデザイン
なんだな。』
智が服装の見た目の感想を
述べる。
『いや、あれは
スタッフ用のコートだ。
あの下に着込んでいるんだろう。』
着替えて来た三人が一同の
前に横並びに整列する。
すると新作衣装のお披露目よろしく、
一番左端のティタから、
コートを脱ぎ出した。
堂々とファッションモデルの
ように颯爽と振る舞う。
智と康太からどよめきが
起こる。
『何てけしから…
素晴らしいデザインなんだ。』
智が唸る。
康太は言葉を失って
耳まで真っ赤にして
見惚れてしまっている。
次に迩椰がコートを脱ぎ、
チャーミングにその場でクルッと
一回転して見せた。
すると慧人が、
ボソッとつぶやく。
『迩椰の
スーツだけデザインが
違うのは、何でなんだ?。』
迩椰のスーツには、
腰の部分に前開きになっている
二段フリルが付いている。
しかも、臀部が少し見える
デザインになっていたのだ。
その上カッティングラインが
ピンク色なのである。
迩椰の可愛いらしさを強調する
工夫が施されている様なのだ。
(エルの仕業か…
こう言う物への労力は
惜しまんのだな、あの人は。)
慧人は溜め息混じりで
諦めにも似た思考を巡らせていた。
最後は夏の番なのだが、
もじもじとなかなか
コートを脱げないでいる。
『皆んな、
悪いんだけど後ろ向いてて。
お願いっ。』
一同が夏から視界を逸らしている
空きにやっとコートを脱ぎ終えて、
『どうかな?。
変じゃないかな?。』
両手をまっすぐ下に前で握り
上目遣いで頬を染め
主に慧人に向かって尋ねる夏。
慧人はデジャビュを感じながら、
『ああ、良く似合っている。』
微動だにせずスッパリ答える。
『ねぇ、迩椰は?。
          迩椰も可愛い?。』
慧人の右腕をとってせっつく迩椰。
『私はどうですか?。
            似合っていますか?。』
ティタも負けじと上目遣いで
慧人の裾を引いてくる。
『ああ、
お前達も良く似合っている。』
面倒くささなど
おクビにも出さず間髪入れず
答える慧人。
智と康太は少し疎外感を
覚えながら
(あーはいはい)と遣る瀬なさ
を醸し出していた。
『男って、バカよね~。』
千陽は一連の流れにまるで関心を
見せる事無くモニターに
映し出されたコクピット内の
様子に釘付けになっていたのだった。
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