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62大会4出陣
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第三ハンガー
出番待ちの四人と
クラスメイト、ミゥが
大型スクリーンの前に
集まって何やら
試合前最後の
雑談に興じているようだ。
『夏、
一番手頑張れよ
俺たちも気合い入れて
行くからよ。』
『夏、練習の
成果が出せれば
絶対勝てるわ
迷いの無い試合を
してね。』
『なつ~ガンバれ~
迩椰も絶対負けない
から。』
『夏、
思いっきり
相手の胸を
借りるつもりで行け。
試合楽しみにしているぞ。』
『夏ちゃん
僕の出番はまだ先だけど
今からなんか自分の事の様に
ドキドキだよ。
と、兎に角
頑張って来てね。』
『夏
応援しているわ
頑張って。』
一番手の夏に向けて
激励が飛んでいる。
夏はそれぞれと目を
合わせしっかりと
頷いて見せて
ヤル気をアピール
しているようだ。
覗かせる瞳にも
揺らぎの無い自信が
満ちている様で
頼もしさも感じられる。
慧人が
輪の中心に向けて
足を運ぶ。
夏は皆に向けていた視線を
ゆっくり近づいて来る
慧人に移し固定する。
夏の耳には、
周りの喧騒が
既に聞こえていない。
二人は視線を結ばせると
お互いそのまま外す事無く
見つめ続けその時を待つ。
慧人は手の届く距離で
立ち止まると
少しだけ表情を和らげて
言葉を紡ぎ出した。
『……二人は
同じ……
…………なんだ。
だから………
……欲しい。』
喧騒の所為で
他の者には
聞き取れない。
そんな声音で
慧人は語る。
夏だけは
慧人の言葉を
受け取る事が
出来た。
憑き物が落ちた様な
表情になると
慧人に向い
にっこり笑顔を見せ
カムイの
コクピットへ
乗り込むのだった。
(ありがとう。
お兄ちゃん。)
『俺は出場チーム用の
観戦ルームへ移動するよ
皆の試合楽しみにしている。
先生、行きましょう。』
『ああ。
皆、また後でな。
活躍期待している。』
慧人とミゥは
対戦クラス用
VIP観戦室へ
移動した。
その他のクラスメイト
千陽と康太は
試合会場の
観戦席へと移動した。
(なによ
わざとらしくVIPルームなんかへ
入って行って。
自分が普通じゃないのを
私に簡単に見せて良いと
思ってるの?。
何を考えてるのか
分からないわホント。)
一人何やら呟く
千陽。
そんな事を知ってか
知らずか、
全くお構い無しに
登録者しか入る事の
許されぬVIPルームへ
ミゥと二人、神妙な
面持ちで消えて行くのだった。
『さて、
とうとうマトモに動く
カムイを一般大衆にも
晒してしまう時が
来てしまったな。』
『そうですね。
かなり、関係各所から
人が集まっているよう
ですし。
出力を60%程度に
抑えてあるとは言え、
スムーズに重力、慣性制御を
こなす所を見られてしまっては
皆、黙って見逃す訳も
無いでしょうからね。』
『風祭重工や
ヤナギ重機の
傘下企業には
ウチからリークした
(王都コントロール開発室)
ユニットαを協会を通じて
データ開示した件が
有るから
ある程度、石黒技研が
やっている事を
黙認するようにとの
働きかけで、まだ
うるさくも無いと
思うんだが……。』
ユニットαとは
重力制御のみ可能にした
擬龍石ASCをコアとした
地球上で生産が出来る
ように配慮された
γシステムの下位に相当する
装置なのだ。
『しかし、
ユニットαでは
機体を浮かす事しか
出来ませんからね。
其処へ行くと
カムイの
マニューバスラスターは
彼等にして見れば、
オーバーテクノロジーに
映ってしまうんでしょうね。
ロケットモーター
バーニア
ジェットタービン
姿勢制御スラスター
では、
あの俊敏な動きを
再現するのは
不可能でしょうから。
トキツヅルは
其れを
ありありと
感じさせる
動きですし。
それでも
アマツカゼは
相当システムを
煮詰めて来たん
でしょうね。
αであれだけの
動きを再現して
見せているんですから。』
『ああ。
風祭の技術力は
侮れん物が有るな。
既に後継機の
開発も成功している
と聞く。
御曹司の操る機体は
そのデータを
フィードバックした
物で改造してある
らしいし。
あの機体と
従者の乗る機体は
最早アマツカゼとは
呼べない
代物になって
いるんじゃないかな。』
『ヤナギ重機は
機動兵器分野には
新参入で
ノウハウの蓄積が
まだ足りなかった事も
有るのでしょう。
風祭は
そんなヤナギは
目にも入らなかった
ようですね。
それに危険区内で
秘密裏にテストを
繰り返している
らしいですし。
アマツカゼをより
シャープにしたデザインの
黒い機体の目撃情報も
有りましたしね。
学園で得たデータと
危険区内で得たデータを
相互反映させて
今の機体に仕上げて
いるのでしょう。
それでも
出力を60%に抑えた
カムイで有っても
敵には成り得ない
でしょうけれども。
話に夢中になっている
うちに試合時間が
迫っていましたね。
最高のトキツヅル乗りの
操る機体はカムイ相手に
どんな動きを見せてくれるのか
楽しみです。』
『新道君の操縦技術は
素晴らしいからな。
うちのクラスに
居ないのが
惜しいな。
それは言っても
詮無い事か。
素直に観戦すると
しよう。』
B組対C組の
一番手の試合開始まで
後、三分。
出番待ちの四人と
クラスメイト、ミゥが
大型スクリーンの前に
集まって何やら
試合前最後の
雑談に興じているようだ。
『夏、
一番手頑張れよ
俺たちも気合い入れて
行くからよ。』
『夏、練習の
成果が出せれば
絶対勝てるわ
迷いの無い試合を
してね。』
『なつ~ガンバれ~
迩椰も絶対負けない
から。』
『夏、
思いっきり
相手の胸を
借りるつもりで行け。
試合楽しみにしているぞ。』
『夏ちゃん
僕の出番はまだ先だけど
今からなんか自分の事の様に
ドキドキだよ。
と、兎に角
頑張って来てね。』
『夏
応援しているわ
頑張って。』
一番手の夏に向けて
激励が飛んでいる。
夏はそれぞれと目を
合わせしっかりと
頷いて見せて
ヤル気をアピール
しているようだ。
覗かせる瞳にも
揺らぎの無い自信が
満ちている様で
頼もしさも感じられる。
慧人が
輪の中心に向けて
足を運ぶ。
夏は皆に向けていた視線を
ゆっくり近づいて来る
慧人に移し固定する。
夏の耳には、
周りの喧騒が
既に聞こえていない。
二人は視線を結ばせると
お互いそのまま外す事無く
見つめ続けその時を待つ。
慧人は手の届く距離で
立ち止まると
少しだけ表情を和らげて
言葉を紡ぎ出した。
『……二人は
同じ……
…………なんだ。
だから………
……欲しい。』
喧騒の所為で
他の者には
聞き取れない。
そんな声音で
慧人は語る。
夏だけは
慧人の言葉を
受け取る事が
出来た。
憑き物が落ちた様な
表情になると
慧人に向い
にっこり笑顔を見せ
カムイの
コクピットへ
乗り込むのだった。
(ありがとう。
お兄ちゃん。)
『俺は出場チーム用の
観戦ルームへ移動するよ
皆の試合楽しみにしている。
先生、行きましょう。』
『ああ。
皆、また後でな。
活躍期待している。』
慧人とミゥは
対戦クラス用
VIP観戦室へ
移動した。
その他のクラスメイト
千陽と康太は
試合会場の
観戦席へと移動した。
(なによ
わざとらしくVIPルームなんかへ
入って行って。
自分が普通じゃないのを
私に簡単に見せて良いと
思ってるの?。
何を考えてるのか
分からないわホント。)
一人何やら呟く
千陽。
そんな事を知ってか
知らずか、
全くお構い無しに
登録者しか入る事の
許されぬVIPルームへ
ミゥと二人、神妙な
面持ちで消えて行くのだった。
『さて、
とうとうマトモに動く
カムイを一般大衆にも
晒してしまう時が
来てしまったな。』
『そうですね。
かなり、関係各所から
人が集まっているよう
ですし。
出力を60%程度に
抑えてあるとは言え、
スムーズに重力、慣性制御を
こなす所を見られてしまっては
皆、黙って見逃す訳も
無いでしょうからね。』
『風祭重工や
ヤナギ重機の
傘下企業には
ウチからリークした
(王都コントロール開発室)
ユニットαを協会を通じて
データ開示した件が
有るから
ある程度、石黒技研が
やっている事を
黙認するようにとの
働きかけで、まだ
うるさくも無いと
思うんだが……。』
ユニットαとは
重力制御のみ可能にした
擬龍石ASCをコアとした
地球上で生産が出来る
ように配慮された
γシステムの下位に相当する
装置なのだ。
『しかし、
ユニットαでは
機体を浮かす事しか
出来ませんからね。
其処へ行くと
カムイの
マニューバスラスターは
彼等にして見れば、
オーバーテクノロジーに
映ってしまうんでしょうね。
ロケットモーター
バーニア
ジェットタービン
姿勢制御スラスター
では、
あの俊敏な動きを
再現するのは
不可能でしょうから。
トキツヅルは
其れを
ありありと
感じさせる
動きですし。
それでも
アマツカゼは
相当システムを
煮詰めて来たん
でしょうね。
αであれだけの
動きを再現して
見せているんですから。』
『ああ。
風祭の技術力は
侮れん物が有るな。
既に後継機の
開発も成功している
と聞く。
御曹司の操る機体は
そのデータを
フィードバックした
物で改造してある
らしいし。
あの機体と
従者の乗る機体は
最早アマツカゼとは
呼べない
代物になって
いるんじゃないかな。』
『ヤナギ重機は
機動兵器分野には
新参入で
ノウハウの蓄積が
まだ足りなかった事も
有るのでしょう。
風祭は
そんなヤナギは
目にも入らなかった
ようですね。
それに危険区内で
秘密裏にテストを
繰り返している
らしいですし。
アマツカゼをより
シャープにしたデザインの
黒い機体の目撃情報も
有りましたしね。
学園で得たデータと
危険区内で得たデータを
相互反映させて
今の機体に仕上げて
いるのでしょう。
それでも
出力を60%に抑えた
カムイで有っても
敵には成り得ない
でしょうけれども。
話に夢中になっている
うちに試合時間が
迫っていましたね。
最高のトキツヅル乗りの
操る機体はカムイ相手に
どんな動きを見せてくれるのか
楽しみです。』
『新道君の操縦技術は
素晴らしいからな。
うちのクラスに
居ないのが
惜しいな。
それは言っても
詮無い事か。
素直に観戦すると
しよう。』
B組対C組の
一番手の試合開始まで
後、三分。
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