リュウのケイトウ

きでひら弓

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66大会8炎の傭兵?!

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『ティタは安定の強さだな。

オールラウンドな上に
    装備武装の特性も理解して 
まるで、お手本でも見てる様だ。

そう言えば、
君のスタイルに似ているよな。』

ミゥがニヤニヤしながら
最後の一節を語る。
慧人に振り向き様に。

『………………

俺のスタイルを意識しているのでしょう。

しかし、
誰にでも真似出来る事でもありません。
ティタだから成し得ると
言えます。』

慧人はわざと
ミゥから視線を外し
モニターへ目を向け
今一度、ティタの動きを
検証していた。

『そうだな。

前衛のオールラウンダーは
貴重な存在だ。

小隊長候補に上がっても
不思議では無いだろう。

しかもあれで
長距離アシストを任せても
卒なくこなすんだからな。

大したものだよ。』

ミゥも後半はふざけた態度を
改めて、しっかりした評価を
下していた。

しかし、ミゥにとっては
慧人の反応が面白いので
ネタがあれば弄らずには
居られないのであった。

『さてそれよりも
次の試合ですね。

智は手荒な戦法が得意な
様ですが。』

『あいつは、
こちらの人間だろ。
なんであんな傭兵の
様なスタイルなんだ?。』

『何かの映画に影響を
受けているようですね。

前にハンガーで大きな声で
語っていましたよ。

元々、石黒家の者ですから
私達と共に過ごす事も
多くなると思いますから
あの絵に描いたような
スタイルは頼もしいやら
滑稽(こっけい)に映るやらで…。』

『あははは…

そうか、
いや其れは頼もしいと
しておこうじゃないか。

カムイを信頼しての
物なのだろうがな。』

『俺の指示に従って
くれるので有ればですが。

で無ければ、
教官の隊に組み込みますからね。』

『むっ!?。

私の隊だと…………。

んーーー…。』

ミゥが笑いを突然止め
面食らった様に
腕組みをして
考え込んだ。

慧人の方も
隙あらばミゥ弄りを
執行するのである。

『智は教官の事が
タイプだと話していました。

きっと配下に置けば
此れ迄に無い働きを
発揮すると思われます。』

慧人がモニターに目を
向けたまま
ミゥに伺い知れない様に
ほくそ笑み語る。

『…………………

君は其れで構わんのか?。

私の精神と身体の保護を
考えたりはせんのか?。

どうなんだ?。』

ミゥが険しい表情で
慧人に向かって
問いただす。
最後の一節は
すがる様な視線になっていた。

そんな表情で面と向かって
尋ねられては慧人とて
粗雑な回答を返す訳にも
行かなくなる。

『自分の隊で面倒見ますよ。

"二人共"ね。』

慧人は真剣な表情から
突然切り替え
最後に爽やかな笑顔を
ミゥに贈った。

『………………………

             ………どうも。』

ミゥは完全な無表情で
一言だけ礼を告げるのだった。

『私が望む様な答えは
返してくれんのだな…。

私の事を憎からず思ってくれて
いるのだろうに。

まったく、まったく、まったく………。』

その後も何やら一人
ブツブツと呟くミゥで
あったのだが、
当の本人には芥子粒(けしつぶ)
程も伝わらず、
やきもきも最高潮の精神状態に
落ちいるのであった。

そんなこんなで
試合が始まる。

B組四番手
    二階堂 由香里
C組四番手
    石黒 智

開始直後二階堂の
長距離射撃、アサルトライフルの
砲撃を素早く察知11時の方向へ
移動して躱すと
70㎜機銃を掃射。

智のカムイには肩部の
ウェポンマウントに二門
腰部のマウントにも一門の
計三門の70㎜機銃を装備しており
弾幕によりトキツヅルを包囲し
ジワジワと逃げ道を塞ぎに
掛かっていた。

『どうだーーっ!。

ガハハハハハハーっ

正にリャンボー顔負けの
機銃掃射は。

俺はこれがやりたくて
この学園に入ったと言っても
過言ではないのだ。

そら、そら、そらーーっ!。』

智が昔流行した
傭兵物の映画を再現するように
マシンガンを撃ちまくる。

バンダナを額に巻き
高笑いするその形相は
暑苦しさこの上ない程の
圧巻のサウナ状態を
コクピット内に形成していたのだった。

『いやーーーん!。
こっち来ないでーーーっ!。

脂が飛び散るーーっ!。』

二階堂も70㎜機銃や
ライフルで応戦するのだが
水蒸気が充満し
汗が滴るような威圧感から
逃れる事が出来ず次第に
試合フィールドの境界線へと
押し込まれてしまうのだった。

『あのアホ、
このままだと弾薬を使い果たすぞ。

早く決着しないと後2分待つか
どうか。』

『教官まだ大丈夫です。
雑に弾幕を張っているように見えて
三丁で分散して点射を織り交ぜ
弾数を絞っています。

アシストアームによる
自動マガジン交換を考慮すれば
後7~8分は稼げるはずです。

しかし決定打が無ければ
結局このまま撃ち尽くして
しまうでしょうが。』

ミゥと慧人は状況を
考えあぐねている。
このまま、どう言う決着に
至るつもりなのか、
機銃の残り弾数を把握して
いるのか否か、
もたもたした展開は許されない
状況になりつつあるからだ。

(ティタちゃ~ん
俺も使わせてもらうぜ。
むぅーーーーーん。)

智が不敵な笑いを作る。

カムイの両腕の
ウェポンベイが展開する。

二機のドローイン ランチャーから
二発のロケット弾が発射され
両機の中間地点にて
ロケット弾同士がぶつかり
派手に煙幕を立ち上げる。
瞬間、ランチャーと同時に
用意された右腰部ウェポンマウントの
アサルトライフルをトキツヅルの
腹部目掛けて発射。

煙幕によってモニターでの目視は
最早不能な為、
レーダー、ソナー、GPSの
複合センサーにより
ロックオン、確実に敵機を捉え
撃ち抜くのだった。

『試合終了。
        勝者 C組 石黒 智。』

刹那、会場を歓声が響き渡る。

『雑に見えて
     キチンと考えていたんだな』

『相手が女子パイロットで
       すくんでくれての
  作戦成功と言ったところ
でしょうか。

しかし、
カムイの武器搭載能力が無ければ
成り立たない作戦ではあります。

トキツヅルやアマツカゼでは
あの量の武器搭載時の重量過多で
まともに行動出来ないでしょうからね。

使用禁止は自動追尾型の
ミサイルポッドと
著しく殺傷性の高い武装
(光学、電子、電磁波系武装)
であって
搭載数は特に制限が無いのが
決まりでしたから。』

『カムイ有っての
物種だな。

まあ、そこも作戦のうち
なんだろが。』

ミゥと慧人が
総評を語っている頃
会場の観客席では、

『ねえ、千陽さん。

慧人君とミゥ先生は
二人っきりのVIPルームで
イチャイチャ何やってるんだろうね?。』

康太がニヤケ顔で
千陽の耳元に小声で話し掛ける。

『あんな事や
こんな事をしてるんでしょ。

まったく………………ブツブツ…
………………ないで……もぅ。』

『やっぱりそう思う?。
そうだよねぇ~。

ヌフフフフフフフ…………。』

『そんな訳無いでしょっ!。
あんたと一緒にするんじゃないわよっ!。

まったく、
いやらしい事しか考え付かなの?。

このエロ子猿がっ!。

少しは慧人君の爪の垢でも
煎じて飲めって言うのよ、

バカじゃないの  もう。』

『えぇーーーーっ。
そんなぁ~~~~~。

ねぇ置いて行かないでぇーーっ!。
千陽たーーーん。』

『"たん"とか付けるなっ!。
         バカっ!。

           もうっ!。』
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