リュウのケイトウ

きでひら弓

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78大会20宴

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大方の予想を覆し
一年生ではC組の優勝が決定し
その日の晩は慧人の住む家で
祝勝会が催される事となった。

宴ではお馴染みの
ティタ特製の料理が
テーブルの所狭しと言った
具合に並べられ
なかなかの豪華な
ダイニングを演出している。

上座にはミゥが陣取り
慧人の隣をティタと迩椰が
何時も通り占拠し
夏は渋々迩椰の隣をキープする。

その対面には千陽を中心に
智と康太が両隣に席を
取っていた。

以前の千陽ならば、
智と康太に挟まれる形に
なる事を拒んだだろうが
そこは、最早 慣れなのだろう。
男二人を良いように
あしらうスキルを
完全に身に付けて
従えているに近い形に
収まりつつあった。

皆んなが席に着き 
用意が整った所でミゥが
乾杯の音頭をとる。

『C組の諸君、お疲れ様。
皆の健闘でクラス優勝する事が
叶った。

其れでは、優勝を祝して
カンパーイ。』

『『カンパーイ!!。』』

『皆、良く頑張ってくれた。
素晴らしい出来に関心したよ。

おかげでC組の存続も
決定したしな。

本当に有り難う。
お疲れ様。』

ミゥの言葉で会場が一瞬
静まり返る。

『先生、
C組存続って、
もしかして無くなる可能性が
有ったんですか?。』

康太が引きつった笑顔で
ミゥに確認する。

『ああ。
今回の大会で成果が出せなければ
C組は解散の可能性が有った。』

ミゥがあっけらかんと
康太の質問に答える。

『先生、
ああって、簡単に答えますね。
かなりの危機的状況だったんじゃないですか。』

智がミゥのしらっとした
態度に突っ込みを入れる。

『そうだ。
だが、そうさせない為に
慧人を呼んだじゃないか。

そしてきっちり思惑通りに
運んだだろ。』

ミゥは今更何をと
言った具合に揺らぐ事無く
突っ込みにも答える。

『そう言う流れだったんですね。
私、先生に感謝しないといけません。

ありがとうございました。』

夏が柔らな笑顔で
感慨深そうに眼を閉じ
両手を握り合わせて
静かな口調でミゥに感謝の
気持ちを伝える。

この感謝の意味する所は
C組が存続出来た事以外にも
大きな気持ちが籠っていたのだ。

『夏、
貴方の感謝する意味が
私にはハッキリ分かるけど
自分も同じ想いだから
ウフフ…

内容については内緒にして置くわね。』

ティタが慧人に少し寄りかかり気味に
ニコニコしながら夏の言葉に
同意する。

ティタは自分と迩椰が
先にこの地へ送り込まれた時、
既に慧人が後から合流する事は
何時もの流れで、薄々
考えついていた事だが
物事はどう言う運びになるか
蓋を開けてみるまでは分からない。
今回は思惑通りになって
本当に良かったと
今一度ここにある幸福感に
感謝するのだった。

『もう、ティタったら。
そんなんじゃ無いんだから…。』

夏が少し膨れっ面で
頬を赤らめそっぽを
向いてしまう。

『夏、
迩椰もティタも慧人が
大好きなんだから
別に恥ずかしがる事ない。

ほらもっとこっち来て。』

迩椰はあっけらかんと
真相を暴露すると
夏の腕を慧人の方へ
手繰り寄せるのだった。

智と康太と千陽は
その光景を
またか~と言う具合に
ジト目で見守っている。 

しかし、康太の目の側に
キュピーンと光る妙案が浮かぶ。

『千陽たん
僕達もああ言うのやろうよ~。』

『おっ!。
Bチームの絆だな。
良いね~こう言う感じか?。』

目の前の光景に感化され
康太と智が千陽にまとわり付き
こんな時になってBチームの
纏りを発揮し始めるのだった。

『離れなさいよっ!。
         鬱陶しわね!。

それと、"たん"て付けるなって
言ってるでしょっ!。』

千陽は二人のこんな態度にも
慣れが出ており
最初の刺々しさは薄れ
最近では緩やかにいなせるように
なって来ていた。

『え~~~っ。
      そんなぁ~~
千陽たんてばぁ~
もっと仲良くしようよ~。』

『そうだぁ~。
絆は大切にしなきゃ
いけないんだぞ~~。』

千陽が皆んなの手前もあり
あまり抵抗しないのを
良いことに
康太と智は腕を絡ませ
密着するように寄りかかりって来た。

『ちょっと!。

二人共、調子に乗ってんじゃ無いわよ。
こうするわよっ!。』

千陽は遂に二人の頭を
ヘッドロックに取り
物凄い力でキリキリ絞め上げ出した。

『いだい、いだい、いだい…。
絞まる、絞まる、絞まる、………。』

『あだ、あだ、あだだだだだぁ~っ。
ギブ、ギブ、ギブ、………。』

二人は手足をばたつかせ
暴れるが、
表情は、此れまでに無い
最高に幸せそうな笑顔で
地獄の底でまで
笑って暮らせそうな
飴と鞭をいっぺんに味わって
いたのだった。
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