リュウのケイトウ

きでひら弓

文字の大きさ
81 / 188

81ディソナンス2

しおりを挟む
朝のホームルームで
慧人のみミゥからの呼び出しで
第三ハンガーの第三システム管理室へ
出向いていた。

『教官、
何か問題ですか?。』

慧人は特に慌てる事もなく
ミゥの発言を促す。

『ああ。
例の新兵器な、
風祭重工が嗅ぎ回ってるらしく
少々面倒な事になりそうで、
エルの方から学園内での
使用禁止を言い渡されたよ。』

『そうですか。

一応、今回以降
学園内で使用するつもりは
有りませんので
そこは大丈夫ですよ。』

『結果が完璧過ぎてな
何の痕跡も無かったのが
返って怪しまれてしまったのだよ。

晴天の霹靂を発射前に
チャフを誤魔化しに撃っただろ。
あれを本体だと思ってるらしくてな。
チャフも高性能の
生分解性を発揮して
痕跡がまるで無かったのが
連中を刺激してしまったんだな。

学園の本部に問い合わせが有ったり…
取り敢えずは収めたらしいが
完全に納得してはいないだろうと。』

『なるほど。
では晴天の霹靂は実戦では
活躍しそうですね。

しかし、風祭か…
何か仕掛けて来るでしょうね。』

『彼処(あそこ)も裏で色々と動く部署が
存在するから全く何もない筈は
有りえ無いだろう。

もしかしたら、
大掛かりな事を仕出かす可能性も
考えられるな。

用心に越した事は無い。

話しは変わるが
君は此処へ来て随分と砕けた
物言いになったよな。

もちろん悪い意味で言ってるんじゃ
無いぞ。』

『そうですね。
自分でも柔らかくなったと思いますよ。

此処での暮らしが
自分でも気に入っていますし
周りの人間とも円滑に
出来ていると感じます。

其れを言うなら
教官こそ丸くなったと思いますが?。

戦場では怒れる女豹の
呼名で恐れられていたし
自分も生きて戻れ無いんじゃないかと
思わせる程でしたのに。』

『あれは君が初陣の時の話しだろ。
最初から甘くしては
本当に生きて戻れなくなるからな。

しかし、女豹か…。
それは知らなんだ。』

『兵卒は元より
高級士官の間でも
教官の人気は高かったんですよ。

言い寄る男も沢山居たのでは
ないですか?。』

『ああ居たともさ。

私の素性も調べずプロポーズした
馬鹿者も居たくらいだ。

私が保留にすると
後日、周りより聞き知って
青ざめて謝りながら取り下げに
来よったがな。』

『傍流とは言え
王家の血筋の者に
プロポーズする強者が居るとは
教官の魅力も罪作りなものですね。

OKは考えなかったんですか?。』

『家柄もまずまずだし
高級士官だったが、
私より階級は下だったな。
見た目も其れなりに良かったぞ。

だが私がOKなどする筈が
無かろう。

先代より君を預かっていたのだぞ。

君は私の気持ちを分かっていないのか…。』

最後の一言は独り言のように
極めて小声で囁くミゥ。

『話が外れてしまいましたね。

此処での生活を引き続き
守る為にも風祭の動き、
目を光らせておきましょう。』

(話しを反らしたな。)

『ああ。
風祭如きに引っ掻き回されては
緋の幻龍機構騎士兵団の名折れだからな。

好きにはさせん。』
(何時も最後は有耶無耶にする。
全く此奴は、ホントに此奴は……。)

笑って過ごせる日常を守る為
不測の事態に備え
ミゥと慧人は思案する。

風祭の暗躍が災いの元凶に
なりつつある事実を
この時はまだ
はっきり確信する事は無いままに。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。  彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。  彼女は思った。 (今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。  今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...