リュウのケイトウ

きでひら弓

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83ディソナンス4C組の憩い

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一部の者がバタバタした
食事も終わり
軽く雑談混じりのミーティングを
食後のお茶を飲みながら
緩やかに始まった。

『すまない、私には
コーヒーを貰えるか?。

ありがとう、ティタ。

慧人に先程の話しに少し追加が
有る。

皆も聞いてくれるか。』

ミゥはティタからホットコーヒーを
受け取ると一口含み
語り始める。

余談だが、ミゥは7月のこの気温だろうと
12月の寒空だろうとホットコーヒーを
愛飲する。
ミゥ曰く、ホットの方が
格段に香りが良い
勿論、本来ならば豆にも拘りたい所だろう。

ティタは其れと知って何時も
こう言った集まりでは
ホットコーヒーの用意を欠かさない。
それは、ティタが一番気にしている
慧人もホットコーヒーを
何時も好んで飲んでいるせいもあるのだが。

『学園側からの要請で
慧人にはしばらく学園内行事等で
カムイを使用する事を禁止された。

これは、先日開催された
大会で使用されたチャフの
性能があまりにも高度だった為
運営側、関係各所から
物言いが入った事によるものだ。

ペナルティーと言う訳ではないが
しばらくカムイ6号機の使用差し押さえと
調査の名目でこの様な措置に
なったのだ。

慧人と皆も其の事を
理解して欲しい。
私の力が及ばず済まないとは
思っている。

しかし慧人ならカムイでなくても
力量を十分発揮出来ると考え
学園側の言い分を
汲む事に承諾した次第なのだ。』

実際はチャフの性能では無く
晴天の霹靂 蒼のサンダーボルトの
威力を学外へ漏らさぬ為の
エルからの知恵の享受であり
慧人をカムイ以外の格下機種へ
乗せる事によりハンデにもなる
との考えから出された
案だったのだ。

『自分はそれで構いません。

乗る機体はストラーダ甲に
なるのでしょうか?。』

『それなんだが、
ヤナギと石黒の提携で
トキツヅルの後継機の構想が
実体化してコンセプト試作機が
上がって来ている。

其れのテストも兼ねて
使ってみないか?。

目新しい物好きの君には
ピッタリだと思ってな。』

ミゥから慧人としては嬉しい
サプライズ発表があり
休憩の場がにわかに
騒ぎ立つ。

『ああっ!。
良いな~ 慧人。
俺も、それ乗ってみたいな~。』

智が新型機と聞き
目の色を変えて食いついて来る。

『試すのは構わないと思うぞ。

ただな、カムイより当然
格下機種だから
トモの期待は裏切られるぞ。』
 
慧人はあっさりした答えを
智に返す。
その言葉を受け
ミゥがおおよその機体特性を
語る。

『そうだな
ストラーダ甲をもう少し
シャープにした感じの
カムイに寄せたデザインで
頭部とスラスター形状が異なるな。

コクピットはシートスタイルで
モニター、計器、操作系を
カムイに近づけた
半思考制御プラスマニュアル操作。

出力はカムイの70%程度。

そんな所だな。

性能はカムイに遠く及ばない。』

『なんだよ。
新しいだけなんだな…。

もっとスーパーロボかと
思ったのによ。』

智があからさまにガッカリして
見せる。
ガンダミュでも配備されると
思っていたのだろうか。

『なんて名前の機体なんですの?。
先生。』

ティタが横座りを崩し
少し慧人よりに
しな垂れかかりながら尋ねる。

『コンセプト名は
カーテ ストラダーレ。

ストラーダのアップバージョンでも
ある訳だな。

うほん、んっ。!』

新型機の名前発表より
ティタのしな垂れ具合の
方が気が気でないミゥは
咳払いをして自重を促すが
果たして本人に届いているのやら。

迩椰は既に威嚇に疲れ
慧人の膝枕で気持ち良さそうに
静かな寝息を立てている。

それを慧人は優しく見守っり
雅美はコッソリ頭を撫でている。

『そう言えば、
夜間巡回の実習が始まりますね。

組み合わせはどうなりますか?。』

慧人からまた新たな内容の
話しが持ち上げられる。

『そうだな
まずは、ティタと迩椰に
出て貰おうかな。

今回の大会の評価が高い者から
週一回くらいのペースで
月3回以上危険区内を
警備巡回して貰えるば
単位は取れるから。』

ミゥからザックリ
巡回実習の予定が告げられ
康太から質問が出る。

『先生、僕も巡回実習に
出ないとダメなんですか?。』

『メンテナンス実習生は
免除だな。

興味があればスケジュールを
考えても構わないが?。』

『いえ、特には…。
もし気が変わったら
その時はお願いします。』

『慧人も実習に参加したければ
私に申し出てくれれば
予定を立てるから。』

『了解しました。』

『ちと面倒だが、
少し面白そうでも有るな。』

智は機動兵器に乗りたくて
堪らないようだ。

『あんたは、
ヘマやらかさない様に
気を付けなさいよね。

一応、危険区なんだから。』

千陽はそんなはやる智を
嗜めにかかる。

『何だと?。

そんなに俺が心配なら
一緒に回ろうぜ。』

『ゴメン被る(こうむる)わ。

僚機に決まった時は
仕方なく一緒に出てあげるわよ。』

憎まれ口を叩く千陽だが
意外にも智に対しツンデレ
なのかも知れない。

『先生、私はまだカムイに
乗れないと思うのですが、
何を使えば良いでしょうか?。』

雅美はC組に移ったものの
まだ適性値が3に届いていなかったのだ。

『そうだな、カムイ ストラーダが
良いかもしれないな。』

カムイ ストラーダは適性値2以上でも
搭乗が可能な上、コクピットは
ほぼカムイと同じ仕様で思考制御も
フルで使用可能なライトセンスな
カムイと言っても良いだろう。

『雅美ちゃん、
一緒の巡回だと良いね。』

『そうだな、
カムイのお手本も頼みたいしな。』

『新道君は
適性値を上げるところからだな。

とりあえず試薬を飲んでおいてくれ。

以前測った時は2.5有ったんだろ?。』

『はい、一月前の事です。
今、幾つあるのか測ってみない事には。』

『出来れば君にもカムイを
体験して貰いたいからな。』

『私もカムイには
凄く興味がありますので
是非にでも適性値を上げて
行きたいと思います。

スーパーロボとは
カムイの事なのではないのか?。
なあ、智君。』

『言われてみれば
そんな気もするが
ビームが撃てないからなぁ~。』

『武装だけでの判断はカムイが可哀想だよ。
僕でもあんなに闘えたんだ。
今の時点ではスーパーロボと言って
良いんじゃないかな。』

康太は大会を通じて
カムイの素晴らしさを
メカニック視点と
パイロットの両方から
実感出来たのだった。

『光学兵器はこれから考えるとして
もし、兵装やシステムで面白い案が
あれば俺に話してくれないか?。

なるべく実現する方向で検討する。

と言うのも、
俺としては人命を尊重したいんだ。
出来るならば敵性で有っても
殺傷は控えたい。

その為ならば、皆の案を
具現化して行きたいんだ。

その具現化システムを今検討中なんだ。
"千陽も"何か良い案が有ったら
よろしく頼む。』
 
慧人は千陽に妹の件でも
力になれるかも知れないと言う
含みを持たせ伝えたのだ。

これは千陽の私事であまり
無茶をさせない為
釘を刺した形なのだが、
果たしてその事を汲み取って
くれるか、どうか…。

『………………………!。
そう!なんだ。

へぇ~~~~
分かったわ考えてみる。』 

千陽の方も其れに気付いたようだ。

『皆もよろしく頼む。』

『おお!任された!。』

『私も何か考えてみますわね。』

智、ティタを始め
妙案を集う旨を皆に伝えると
このミーティングも一応の
段落を迎えた。

7月を迎え暑さも厳しくなりつつあるが
この中庭の木陰は涼風が渡り
憩いの場と時間を与えてくれる。

此処に集まり和やかな時間を
過ごすのがC組にとっても
慧人に取っても今の生活の中で
かけがえの無い物として
根付きつつ有った。

こんな毎日が送れる事に
誰とも無く感謝したくなる
そんな衝動に狩られる慧人だった。
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