リュウのケイトウ

きでひら弓

文字の大きさ
89 / 188

89ディソナンス9ネイ発進

しおりを挟む
病室の窓から飛び発ち
数分もしないうちに
ミゥ達との合流ポイントが
見えて来る。

昔、軍需工場があり
その後もプラントが稼働していたが
今ではこの広大な敷地の殆どが
雑草の生い茂る荒れた野放置状態に
なっていた。

その塀で囲まれた敷地内へと
慧人は降り立った。

廃屋の陰から大型のワゴン車が
一台現れた。

『千輝ーーーっ!。』

千陽はワゴン車のドアを開け放し
一目散に走って千輝の元へ。

『お姉ちゃん。』

千陽と千輝はお互いの無事を
固く抱き合い確かめ合う。

『守備は上々と言ったところか。』

ミゥが厳しい顔付きの中にも
少し明るい兆しを見いだし
慧人へ尋ねる。

『はい。
此処まではの話ですが。

千輝をお願いします。』

『ハンガーへ戻る間が惜しいな。』

どの道、慧人がハンガーへ戻っても
I.D.が使い物にならない以上
結局時間の無駄は増すばかりだ。

慧人はカムイの使用を諦め
自分だけの専用機
ネイ シーティス スプレマシーを
緊急出動させることを決めた。

『ネイを呼びます。』

『遂にネイの出番か。
しかも、実戦とはな。

奇妙な巡り合わせを感じるな。』

千陽の作戦失敗の決定が下されている事は
暗号無線の傍受により明らかだった。
2号作戦は既に発動済だろう。
そして2号作戦とは
今晩、巡回実習中のティタと迩椰のカムイを
危険区内で襲い、鹵獲(ろかく)する事が
目的なのだ。

『ネイにしても本望だと思いますよ。』

このネイの本望とは
スケールダウンしているとは言え
カムイはネイの弟や妹にあたる存在。
システム アシストのAIもそれに相応する為
家族を救出に行くも同然と 
考えられるからだ。

慧人はシータ ユニットをスーツの
腕のラック バインダーより外し
ネイ シーティス スプレマシーの
緊急出動アイコンを操作し
メイン システム アシストAIの
ネイに呼びかけた。

『ネイ、頼む。』

カムイのアシストAIは 
言語理解し音声で応答する能力は無い。
しかし、ネイ シーティス スプレマシーの
アシストAIであるネイはマスターである 
慧人の音声を認識し音声にて応答する事が
可能なのだ。 

アシストAIネイについての詳しい話は
後日、語られる事もあるかもしれない。

『了解です。マスター。

70秒後に座標X-176 Y-843へ
到着予定。

装備はXα-j パッケージを選択。』 

アシストAIネイより
簡潔に到着、武装の状況が  
伝えられる。

『問題無い。』

アシストAIネイの選択した武装は
慧人の此れからの作戦に必要な物を
全て満たす物だった。  

これは慧人の体内の龍真瑰、
特に、額の位置に埋め込まれている
身体各所の龍真瑰を制御する
王龍真瑰を通じネイが慧人と
思考をリンクさせている事に
よるものである。


会話が終わり何秒も経たず
ザワッと少し強い風が
敷地内へ吹くと
上空5mの位置に
ステルス効果を解除する
見慣れぬ漆黒の機体が
姿を現すのであった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。  彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。  彼女は思った。 (今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。  今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...