リュウのケイトウ

きでひら弓

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2エバンス3それぞれの一日

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その頃、風祭 翔は
深町 姫美採と
紅 繽九に第1ハンガーの
ミーティングルームにて
ある作略の相談をしていた。

『C組が、横浜の華学園と
親善試合をするのは
知っているか?。』

『勿論、存じております。』

姫美採はきっぱりと
自慢の眼鏡を摘みながら
ほくそ笑む。

『そうなんですの?。

このシュークリームと
何か関係でもあるんですのぉ?。』

ぴんくはお茶受けの
"サクサクとろっとでっかいシュー"を
口いっぱいに頬張りながら
謎の質問を返して来た。

『…………………。

やはり、姫美採は知っていたか。

その試合にだな俺達も出場する。』

翔は完全にぴんくを無視して
姫美採の方にだけ視線を
向けると突飛由も無い事を言い出した。

『翔様、出場と言いますと?。

まさか、C組の加勢でもするのですか?。』

『違うな。
その逆と言うか、
モブとして両陣営の邪魔をするのが
俺達の役目だ。

どうだ?。
面白そうだろ?。』

『そうですね。

狙いはやはり………。』

『姫美採の想像通り、
真流に一泡吹かせるぞ。』

『なるほど、面白そうですが
いかに、包囲して真流殿を
こちらの戦線に引き込むかですね。』

『ああ。
まともにぶつかろうとはしない
だろうからな。

其処でお前達二人に働いてもらいたい。』

『翔様ぁ~
シュークリームの話しが出て来ませんの?。』

翔は少しフリーズする。
シュークリームの話の
ハの字も出て来ていないと言うのに
そのこだわりは何なのかと。

しかし、その程度の精神では
ぴんくの相手は務まらない。

翔は考えを巡らせると
妙案を提示した。

『それでだ
良く聞けぴんく、
上手くやれたら
ご褒美にお前の大好きな
サクサクとろっとでっかいシューを
好きなだけ奢ってやる。

どうだ、ヤル気が出たか?。』

『最高ですのぉ~。

それで、いつ食べ放題に
なるんですの?。』

(人の話しを聞いちゃいねぇーっ!。)

それでも翔はキレる事無く
"ぴんくにでも分かり易く"
説明するのだった。

『俺の作戦を
ちゃんとぴんくが出来たらだっ!。

どうだ?。分かったか?。』

『いつも、ちゃんと出来てますの。

失敗した事なんてありませんの。』

翔は少しこめかみをマッサージし、
痛みを感じながらも
考えを巡らせる。

(そうだった…。

このドアホゥは理解力は乏しいのに
どう言う訳が行動力は半端なかった…。

天才がスペシャリストとは限らないと言う
恐ろしいイレギュラーな存在…。

…………疲れる。)

『よし、
話しも纏った(まとまった)事だし、
作戦会議に入るぞ。』

『シュークリームのお代わりが
必要ですの。

すみません、
サクサクとろっとでっかいシューを
学園の第1ハンガー
第1ミーティングルームまで
10個お願いします  ですの。

注文したからもう安心ですの。

翔様、続きどうぞ ですの。』

『………………………………。

そうか、ならば始めるぞ。

お前のシュークリームの食い放題が
掛かってるんだ、
しっかり聞いてろよ。』

◇           ◇

最近、おかしな夢を
毎晩見るようになった夏は、
夜中に目を覚ましてしまう事もしばしば。

そんな時は夢について考えてしまう。
最初見た時は現実感が乏しく
最近になってその続きが
語られるようになると
この夢が夢なのか現実なのか
たまに分からなくなってしまう。

そうして、もう一度
最初からなぞる様に思い出してみる。
自分を納得させる為に。

(最初は、黒い影が
じわじわ迫って手を伸ばし
襲って来るような感覚だった。

でも、ここ一週間で
イメージがだんだん変わって来た。

お兄ちゃんに似たあの人は
誰なんだろう?。

私の悩みを聞き取ろうとしてる
みたい。

自分が今の立ち位置に満足しているか。
そんな事を質問してくる。

私は最初、はいと答えた。

答えたところで夢は終わった。

次の日はクラスで目立たない私。

自分の言いたい事を言えないで
胸につかえさせモヤモヤしてる。

その後に何時もの質問。

お前は今の自分に満足しているのか?。
私は答えられない。

其処で夢は終わる。

次の日は
お兄ちゃんと他の女子が
仲よさそうにおしゃべりしてる。

その横で、ただ愛想笑いを
浮かべてるだけの私。

そしてまたあの質問。
お前はこのままで満足なのか?。

私は首を左右に振る。

今日の夢は此処まで。

この先の続きがあるのだろうか…。

…………………。

とりあえず、眠ろう。
明日も試合のシミュレーションがある。
頑張らなきゃ。)

夏は、なるべくモヤモヤと
引きずらないよう
もう一度思いっきり伸びをして
慧人の顔を思い浮かべ
次はもっと良い夢が見られように
希うとゆっくりと
微睡みの世界から深い眠りへと
誘われて行くのだった。
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