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第一章 転生先は推しカプの隣だが断罪イベントに進めない
第三話 冷酷の王子とは反対に、
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「……あの、ギルバート様」
私は、震える声をなんとか絞り出した。 私の両手をがっしりと握りしめ、獲物を見つめる獣のような目でこちらを見つめる王子の圧に、心臓がバクバクと音を立てている。 だが、ここで引いてはいけない。私は「嫌われるための努力」をしに来たのだ。
「そんなに私に触れて……殿下は、私のことがお嫌いではありませんの?」
どうだ。これ以上ない直球だ。 公式設定資料集のギルバート様なら、ここで鼻で笑い、「政略結婚の相手に好きも嫌いもないだろう」と冷たく突き放すはずだ。そうなれば、私の勝利。好感度モニターの数値も、すとんと一桁まで落ちてくれるはず。
私は期待を込めて、彼の頭上のメーターを見つめた。
【ギルバート → リリアーナ:100(カンスト中)】
……動かない。むしろ、周囲に飛び散る火花のエフェクトが激しさを増している。 ギルバート様は一瞬、きょとんとした顔をした後、くすりと妖艶に微笑んだ。
「嫌い? ふふ、面白い冗談を言うのだな、リリアーナ」
「冗談ではございませんわ! 私は、わがままで高慢な、救いようのない女ですのよ!? あなた様の政治の邪魔だってするかもしれませんし、ヒロイン……いえ、他の女性に意地悪だってするかもしれませんわ!」
そうだ、もっと言ってやれ。私は最低の女なんだぞ。
「わがまま? それは自分をしっかり持っているということだろう。高慢? 公爵家の令嬢として誇り高いのは素晴らしいことだ。邪魔をする? 構わない、君が望むならこの国ごと君の遊び場にしてあげよう。……ああ、嫉妬までしてくれるのか? 私のために心を痛めてくれるなんて、これ以上の喜びはない」
「会話が……会話が成り立ちませんわ……っ!」
私は天を仰いだ。 言葉のキャッチボールをしていたはずが、投げたボールがすべて特大のホームラン(誤解)で返されてくる。 この男、ポジティブすぎる。それとも私の言葉が自動的に「甘い囁き」に変換される翻訳機でも耳についているのだろうか。
このままでは押し切られる。そう本能が告げていた。 推しを間近で見られるのは至福だが、このままでは私が「断罪する側」ではなく「溺愛される側」として、物語のエンディングに直行させられてしまう。
「離れてくださいまし!」
私は思い切り、彼の胸元を突き飛ばすようにして距離を取った。 公爵令嬢としてはしたない振る舞いだが、背に腹は代えられない。
「っ……!」
ギルバート様は、不意を突かれたように数歩後ずさった。 私はその隙を逃さず、スカートを翻して凛と立ち上がる。これぞ、悪役令嬢リリアーナの真骨頂である氷の冷徹さ。
「あまり馴れ馴れしくされるのは不快ですわ。殿下との婚約は、あくまで家同士の契約。私をその辺の安い女と同じように扱わないでくださる?」
よし、言った! これなら……これなら絶対に嫌われるはず! 私は心の中でガッツポーズをしながら、恐る恐るメーターを確認した。
【ギルバート → リリアーナ:100(COUNTER STOP)】 <NEW! 状態:恍惚の熱狂>
「…………え?」
モニターの隅に、見たこともない新しいステータスが表示された。 ギルバート様を見ると、彼は突き飛ばされた胸元を愛おしそうに手で押さえ、頬を微かに染めて震えていた。
「……素晴らしい」
「はい?」
「その拒絶……その冷たい眼差し……。やはり君は、他の誰にも手懐けられない高貴な花だ。私だけが、いつかその棘を一本ずつ抜いて、君を完全に我がものにする……。その日が来るのが、待ち遠しくてたまらないよ、リリアーナ」
「ひっ……!」
恐怖。初めて、推しに対して「恐怖」を感じた。 執着。そう、これは執着だ。 ゲームの中のギルバート様は、もっとこう、透明感のある涼しげな王子様だったはず。 こんな、ヤンデレ一歩手前の重圧感を放つようなキャラではなかった。
「失礼いたしますわ!」
私は逃げるように食堂を飛び出した。 背後から「リリアーナ! また後で、中庭の散歩に誘いに行くよ!」という楽しげな声が追いかけてくる。勘弁してほしい。
自室の鍵を閉め、私はベッドに倒れ込んだ。
「なんなの……なんなのよ、もう……!」
状況は最悪だ。 嫌われるためにしたことが、すべて相手の性癖(?)に突き刺さっている気がする。 そして、さっきから視界をちらつかせているこの「好感度モニター」。
「そもそも、好感度って……何?」
普通、好感度というのは「どれだけ相手を好ましく思っているか」という好意の指標のはずだ。 でも、今のギルバート様のあれは、明らかに「好意」の枠を超えている。 執着、独占欲、支配欲……。そんな、もっとどろどろとした何かが、すべて「好感度100」の中に凝縮されているような、そんな不穏な気配。
「……設定がバグってるのか、それとも私が何か地雷を踏んだのか」
私は前世で読んだ設定資料集の内容を必死に思い返した。 リリアーナとギルバートの幼少期。 たしか、顔合わせの時にリリアーナがギルバートを鼻であしらった、という記述があったはず。 ゲームではそれが「不仲の原因」とされていたが、まさか……。
「まさか、あの時から彼は……『自分に媚びない女、面白い』的な、アレだったの……?」
もしそうなら、私の今の行動は火に油を注いでいるに過ぎない。 私が突き放せば突き放すほど、彼の「攻略欲」を刺激していることになる。
「……ダメだわ。作戦を変更しないと」
私はふらふらと立ち上がり、机の上のカレンダーを見た。 数日後には、王立アカデミーの入学式がある。 そこには、物語の真のヒロイン、アリスちゃんが現れるはずだ。
「そうよ。王子が私に執着するのは、まだアリスちゃんという『本物の光』を知らないからだわ。彼女さえ現れれば、王子の目は覚める。私へのバグった好感度も、彼女の聖女パワーで浄化されるはず!」
私は、まだ見ぬヒロインに最後の希望を託した。 自分への好感度が100なら、王子とヒロインの好感度を強引に200にまで引き上げてやる。 それが、私に残された唯一の勝利の道。
「待ってなさいよ入学式……! 私は、絶対にあなたの隣にヒロイン(本命)を座らせてみせるんだから!」
……しかし。 この時の私は、まだ知らない。 数日後に会うことになるアリスちゃんもまた、何かが決定的に「バグって」いるということを。
私は、震える声をなんとか絞り出した。 私の両手をがっしりと握りしめ、獲物を見つめる獣のような目でこちらを見つめる王子の圧に、心臓がバクバクと音を立てている。 だが、ここで引いてはいけない。私は「嫌われるための努力」をしに来たのだ。
「そんなに私に触れて……殿下は、私のことがお嫌いではありませんの?」
どうだ。これ以上ない直球だ。 公式設定資料集のギルバート様なら、ここで鼻で笑い、「政略結婚の相手に好きも嫌いもないだろう」と冷たく突き放すはずだ。そうなれば、私の勝利。好感度モニターの数値も、すとんと一桁まで落ちてくれるはず。
私は期待を込めて、彼の頭上のメーターを見つめた。
【ギルバート → リリアーナ:100(カンスト中)】
……動かない。むしろ、周囲に飛び散る火花のエフェクトが激しさを増している。 ギルバート様は一瞬、きょとんとした顔をした後、くすりと妖艶に微笑んだ。
「嫌い? ふふ、面白い冗談を言うのだな、リリアーナ」
「冗談ではございませんわ! 私は、わがままで高慢な、救いようのない女ですのよ!? あなた様の政治の邪魔だってするかもしれませんし、ヒロイン……いえ、他の女性に意地悪だってするかもしれませんわ!」
そうだ、もっと言ってやれ。私は最低の女なんだぞ。
「わがまま? それは自分をしっかり持っているということだろう。高慢? 公爵家の令嬢として誇り高いのは素晴らしいことだ。邪魔をする? 構わない、君が望むならこの国ごと君の遊び場にしてあげよう。……ああ、嫉妬までしてくれるのか? 私のために心を痛めてくれるなんて、これ以上の喜びはない」
「会話が……会話が成り立ちませんわ……っ!」
私は天を仰いだ。 言葉のキャッチボールをしていたはずが、投げたボールがすべて特大のホームラン(誤解)で返されてくる。 この男、ポジティブすぎる。それとも私の言葉が自動的に「甘い囁き」に変換される翻訳機でも耳についているのだろうか。
このままでは押し切られる。そう本能が告げていた。 推しを間近で見られるのは至福だが、このままでは私が「断罪する側」ではなく「溺愛される側」として、物語のエンディングに直行させられてしまう。
「離れてくださいまし!」
私は思い切り、彼の胸元を突き飛ばすようにして距離を取った。 公爵令嬢としてはしたない振る舞いだが、背に腹は代えられない。
「っ……!」
ギルバート様は、不意を突かれたように数歩後ずさった。 私はその隙を逃さず、スカートを翻して凛と立ち上がる。これぞ、悪役令嬢リリアーナの真骨頂である氷の冷徹さ。
「あまり馴れ馴れしくされるのは不快ですわ。殿下との婚約は、あくまで家同士の契約。私をその辺の安い女と同じように扱わないでくださる?」
よし、言った! これなら……これなら絶対に嫌われるはず! 私は心の中でガッツポーズをしながら、恐る恐るメーターを確認した。
【ギルバート → リリアーナ:100(COUNTER STOP)】 <NEW! 状態:恍惚の熱狂>
「…………え?」
モニターの隅に、見たこともない新しいステータスが表示された。 ギルバート様を見ると、彼は突き飛ばされた胸元を愛おしそうに手で押さえ、頬を微かに染めて震えていた。
「……素晴らしい」
「はい?」
「その拒絶……その冷たい眼差し……。やはり君は、他の誰にも手懐けられない高貴な花だ。私だけが、いつかその棘を一本ずつ抜いて、君を完全に我がものにする……。その日が来るのが、待ち遠しくてたまらないよ、リリアーナ」
「ひっ……!」
恐怖。初めて、推しに対して「恐怖」を感じた。 執着。そう、これは執着だ。 ゲームの中のギルバート様は、もっとこう、透明感のある涼しげな王子様だったはず。 こんな、ヤンデレ一歩手前の重圧感を放つようなキャラではなかった。
「失礼いたしますわ!」
私は逃げるように食堂を飛び出した。 背後から「リリアーナ! また後で、中庭の散歩に誘いに行くよ!」という楽しげな声が追いかけてくる。勘弁してほしい。
自室の鍵を閉め、私はベッドに倒れ込んだ。
「なんなの……なんなのよ、もう……!」
状況は最悪だ。 嫌われるためにしたことが、すべて相手の性癖(?)に突き刺さっている気がする。 そして、さっきから視界をちらつかせているこの「好感度モニター」。
「そもそも、好感度って……何?」
普通、好感度というのは「どれだけ相手を好ましく思っているか」という好意の指標のはずだ。 でも、今のギルバート様のあれは、明らかに「好意」の枠を超えている。 執着、独占欲、支配欲……。そんな、もっとどろどろとした何かが、すべて「好感度100」の中に凝縮されているような、そんな不穏な気配。
「……設定がバグってるのか、それとも私が何か地雷を踏んだのか」
私は前世で読んだ設定資料集の内容を必死に思い返した。 リリアーナとギルバートの幼少期。 たしか、顔合わせの時にリリアーナがギルバートを鼻であしらった、という記述があったはず。 ゲームではそれが「不仲の原因」とされていたが、まさか……。
「まさか、あの時から彼は……『自分に媚びない女、面白い』的な、アレだったの……?」
もしそうなら、私の今の行動は火に油を注いでいるに過ぎない。 私が突き放せば突き放すほど、彼の「攻略欲」を刺激していることになる。
「……ダメだわ。作戦を変更しないと」
私はふらふらと立ち上がり、机の上のカレンダーを見た。 数日後には、王立アカデミーの入学式がある。 そこには、物語の真のヒロイン、アリスちゃんが現れるはずだ。
「そうよ。王子が私に執着するのは、まだアリスちゃんという『本物の光』を知らないからだわ。彼女さえ現れれば、王子の目は覚める。私へのバグった好感度も、彼女の聖女パワーで浄化されるはず!」
私は、まだ見ぬヒロインに最後の希望を託した。 自分への好感度が100なら、王子とヒロインの好感度を強引に200にまで引き上げてやる。 それが、私に残された唯一の勝利の道。
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