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1. 姉
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「ねぇシンシア。その帽子、素敵ね!私にちょうだい?」
…またですか。
二歳年上のお姉様は、病弱なのですって。
それにしては、いつも私に強引に話し掛けてきて、時には文字通り体当たりで私の持ち物を譲ってと言ってくるのですけれど。
私は、シンシア=クレムフィスと申します。十八歳です。
お父様は伯爵位と、領地を賜っております。
先程私に話し掛けてきたお姉様は、ダリアという名前です。
お姉様は、病弱なのですって。
確かに、昔はよく熱を出して部屋のベッドで寝込んでいたみたいですけれど最近はあまりそんな事されてないみたいですけれどね。
むしろ…最近は夜遅くまで遊び歩いているようですけれど…大丈夫なのでしょうか?淑女ですから、夜遅くまで歩き回るなんて言語道断だと思いますけれども。
そんなお姉様には、お母様という味方がおります。
大抵お母様はお姉様の近くにいらして、一緒になって私にいつも『ダリアがこう言っているのよ、ダリアに譲りなさい!』と言ってくるのです。
「シンシアはまた、太陽が出ている時間に出掛けるの?だからそんなに日に焼けるのよ。見て!私の肌!透き通るように綺麗でしょ?ちょっと!聞いてるの!?シンシア!シンシアったら!!」
…そんなに大きな声が出せるのですから、病弱と言うのはお止めになった方がよろしいと思いますけれどもね、お姉様。
…またですか。
二歳年上のお姉様は、病弱なのですって。
それにしては、いつも私に強引に話し掛けてきて、時には文字通り体当たりで私の持ち物を譲ってと言ってくるのですけれど。
私は、シンシア=クレムフィスと申します。十八歳です。
お父様は伯爵位と、領地を賜っております。
先程私に話し掛けてきたお姉様は、ダリアという名前です。
お姉様は、病弱なのですって。
確かに、昔はよく熱を出して部屋のベッドで寝込んでいたみたいですけれど最近はあまりそんな事されてないみたいですけれどね。
むしろ…最近は夜遅くまで遊び歩いているようですけれど…大丈夫なのでしょうか?淑女ですから、夜遅くまで歩き回るなんて言語道断だと思いますけれども。
そんなお姉様には、お母様という味方がおります。
大抵お母様はお姉様の近くにいらして、一緒になって私にいつも『ダリアがこう言っているのよ、ダリアに譲りなさい!』と言ってくるのです。
「シンシアはまた、太陽が出ている時間に出掛けるの?だからそんなに日に焼けるのよ。見て!私の肌!透き通るように綺麗でしょ?ちょっと!聞いてるの!?シンシア!シンシアったら!!」
…そんなに大きな声が出せるのですから、病弱と言うのはお止めになった方がよろしいと思いますけれどもね、お姉様。
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