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11. 二日酔い

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「昨夜は、皆様申し訳ありませんでした!!」



「…そんな大きな声で言わなくても大丈夫ですよ、アリーシャ様。ところで体調は如何ですか?本当に驚きましたよ。」

「すみません…。」




 翌日の朝目が覚めると頭痛はすっかり引いていた。

 何となくだけれど、日が高いような気がする。私が起きるまで待っていてくれたのかと慌てて簡易テントの外へ出ると、皆が朝食を摂っていた。

 今日は朝食が遅いらしい。

 なので、テントから出てすぐに皆に声をかけ、頭を下げたのだ。



 すぐにロッテが近くに来て、食事はどうするかと聞かれた。

 朝食は、野菜スープと乾燥パンをスープに浸して食べるパンだった。だからそれなら食べられそうだったのでお願いした。

 野菜スープの匂いが、空腹の私の食欲をそそる。そういえば、昨夜は食事をほとんど摂れずじまいまったな…。そう思いながらロッテが座っていた隣に座った。


「アリーシャ様、体調は如何ですか。今日一日、日程を遅らせましょう。」

 ロッテの隣にいたキャスリンが、そう私に声を掛けてきた。

「いいえ!大丈夫です。今日は町を二つほどすすむのでしたか。」

 この国境の小高い山を抜けて下ったらマクスウェル大国の領地となる。そこで一度検問を受け、小さな町を二つほど越えた所が今日の野営地となるらしい。

 宿屋があれば、私だけーー今は私とロッテだけーーを泊まらせ、外にキャスリンやほかの騎士達を配置させたい、そして残りの面々は広い場所で野営をする予定だと言われた。

 けれど、小さな町には宿屋がない、もしくは王女が宿泊するには治安が良くないのだとか。

 私は、今までやった事が無かったから簡易テントで泊まるのも楽しいし、何より一応護衛してもらっているのだから、夜は特に分散しない方がいいと思うから、もし宿屋で…と今度言われたら、お断りしようと思った。



「それが…。今日は皆体調が良くないので、休息日とし、明日からまた万全の体制で臨みたいらしいのです。」


と、困ったような顔をして言った。



「え?どうしたの?皆、体調が良くないの?」

「全く…弱いですよね!こうなる酔っぱらうなら飲まなければいいものを!皆の顔を見て下さい!青い顔をしている奴や、頭を押さえている奴もいますよね?」

 プリプリと頬を膨らませたキャスリンに言われたので周りの騎士達を見てみると確かに、スープの器を地面に置いてなかなか食が進まない人や、頭を抱えている人、地面で横になっている人がいた。人数もいつもより少ない気がする。もう食べ終わったのかしら?けれど、どこにいるのでしょうか。

「確かに…。でもどうして?昨日のお酒のせい?」

 なぜ、そうなっているのかよく分からなかった。

「ええ、ええ!そうです!マクスウェル大国は、酒が好きな国なのです。それは有名なのでしょう、献上品でもよく酒は頂きます。ただ、今回は疲れていたのか、美味しすぎて何杯も頂いてしまったからか、ほとんどの者が二日酔いになっているんです。使にならなくて、本当に情けないです!確かにすごく飲みやすくて美味しかったですけれども!」

 二日酔い…!そうなんだ。飲み過ぎるとああなるのね。私も飲めるようになったら気をつけないといけないわね。
確かに皆、ずっと野営をしてきてくれているから体もしっかり休められていないのかもしれないわ。

「そうですねぇ、とても美味しかったですからね。それに、かなり強いお酒でした。口当たりがいいからと、飲み過ぎてしまったかもしれませんね。」

 ロッテも、クスクス笑いながらそう言っていた。
昨夜私が目を覚ました後に少し、せっかくだからと飲んだらしい。

「飲んだの?でも、ロッテもキャスリンもあんな風具合が悪そうではないわよ?」

「あの騎士様達が弱いのです。」
「あいつらが弱いだけです。」

 ………そうなんだ。二人ともお酒に強いのね。
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