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22. 子供の泣き声
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マクスウェル大国へ来て、二週間が過ぎた。
相変わらず、ジャーヴィス様とはお会いしていない。そんなに忙しいのかしら。私が毎日書いている、簡単なお手紙も返事は一度も来ていないし。やはり、相手がお姉様ではない事に不満を持たれているのかしら…とさすがに不安にはなってきた頃。
やっと少し時間が取れるからと、昼食を共にしようと先触れが来た。
(それまでは、時間が取れなかったという事…?そんなに忙しいの?)
午前中のお勉強は少しだけにして、着飾る事になった。昼食だけの為に着飾るのはどうかと思ったけれど、ロッテだけでなくタミルにも言われたから仕方ないわね。
衣装部屋には、思った以上のドレスがあった。
いつどこで着るの?と思ったけれど、今は国王の婚約者の立場であるから、必要なのだとか。
私が、もう少し知識を詰め込めたら、夜会や舞踏会、ガーデンパーティーなども開催する予定だからと言われた。
今日は、濃い青色の簡易ドレスを着て、髪もサイドで緩く髪留めで止めてもらった。
いつもは部屋で食事を取っているけれど、今日は少し歩いて本棟の食堂へと行くのだそう。
(いつも部屋に引き籠もっていたから、気分が変わって、良いわね。)
そう思いながら廊下を歩いていると、どこからが泣き声が聞こえてきた。
前を歩いていたキャスリンも少しゆっくりになり、辺りを警戒しながら歩いていく。
私もキョロキョロとしていると、後ろを歩いていたロッテも気づいたのか、『何か聞こえますね。』と言った。
と、廊下から外れた生け垣の向こうで、小さな子供の泣き声と共に何か言っている声が聞こえた。
私は、庭に出られる所からその声のする方へと道を逸れると、キャスリンが『お止め下さい!今人を呼びます。ロッテ、騎士団へ行き、人を呼んで来て下さい!』と言った。でも、それじゃ間に合わないかもしれないと思った。
「キャスリン、じゃあ一緒に来て!間に合わないかもしれないから!」
そう言うと、駆け出しその声へと向かった。
《助けて!誰か助けて!!妹が、沈んじゃう!》
《大丈夫?え?妹!?》
《あそこだよ!僕、泳げないんだ!》
そこは、池だった。池の中から色とりどりの花が咲き、綺麗な場所であったが、真ん中に掛かっている桟橋の五メートルほど先の付近でバシャバシャと水音がする。
《分かったわ!》
「アリーシャ様!?」
すぐ後ろを走ってきたキャスリンが叫び声にも似た声を上げたが、私は背中にあるホックを素早く外し、ドレスとヒールを脱いでシュミーズとドロワーズ姿になると、桟橋を走ってそのまま池へと飛びこんだ。
(思ったより…花の根が絡み付くわね…)
《ゴホッゴホッ…》
《ほら、しっかり!よく頑張ったわ、あと少しよ!》
「アリーシャ様!掴まって!」
私が、その溺れた子を手で掴み、進もうとするが池にある根や茎が絡み付いて上手く進めない。けれど、キャスリンが桟橋から伸ばした手にどうにか届いたようで、ぐいっ、とキャスリンに引っ張られ、どうにか池から私とその子を引き上げてくれた。
「ごぼっごほっ…」
《ゲホッ…ゲホッ…》
「どうされました!!」
「あ!アリーシャ様、私の上着を羽織って下さい。」
そう言えば私、ドレスを着て水には入れないと下着になったんだわ。近衛兵達が走ってくるので、キャスリンが上着を脱いで私に羽織らせてくれた。
小さな兄妹は、泣きながら抱きしめ合っていた。
私はその姿を見ると、安心したのか意識が遠のいた。
相変わらず、ジャーヴィス様とはお会いしていない。そんなに忙しいのかしら。私が毎日書いている、簡単なお手紙も返事は一度も来ていないし。やはり、相手がお姉様ではない事に不満を持たれているのかしら…とさすがに不安にはなってきた頃。
やっと少し時間が取れるからと、昼食を共にしようと先触れが来た。
(それまでは、時間が取れなかったという事…?そんなに忙しいの?)
午前中のお勉強は少しだけにして、着飾る事になった。昼食だけの為に着飾るのはどうかと思ったけれど、ロッテだけでなくタミルにも言われたから仕方ないわね。
衣装部屋には、思った以上のドレスがあった。
いつどこで着るの?と思ったけれど、今は国王の婚約者の立場であるから、必要なのだとか。
私が、もう少し知識を詰め込めたら、夜会や舞踏会、ガーデンパーティーなども開催する予定だからと言われた。
今日は、濃い青色の簡易ドレスを着て、髪もサイドで緩く髪留めで止めてもらった。
いつもは部屋で食事を取っているけれど、今日は少し歩いて本棟の食堂へと行くのだそう。
(いつも部屋に引き籠もっていたから、気分が変わって、良いわね。)
そう思いながら廊下を歩いていると、どこからが泣き声が聞こえてきた。
前を歩いていたキャスリンも少しゆっくりになり、辺りを警戒しながら歩いていく。
私もキョロキョロとしていると、後ろを歩いていたロッテも気づいたのか、『何か聞こえますね。』と言った。
と、廊下から外れた生け垣の向こうで、小さな子供の泣き声と共に何か言っている声が聞こえた。
私は、庭に出られる所からその声のする方へと道を逸れると、キャスリンが『お止め下さい!今人を呼びます。ロッテ、騎士団へ行き、人を呼んで来て下さい!』と言った。でも、それじゃ間に合わないかもしれないと思った。
「キャスリン、じゃあ一緒に来て!間に合わないかもしれないから!」
そう言うと、駆け出しその声へと向かった。
《助けて!誰か助けて!!妹が、沈んじゃう!》
《大丈夫?え?妹!?》
《あそこだよ!僕、泳げないんだ!》
そこは、池だった。池の中から色とりどりの花が咲き、綺麗な場所であったが、真ん中に掛かっている桟橋の五メートルほど先の付近でバシャバシャと水音がする。
《分かったわ!》
「アリーシャ様!?」
すぐ後ろを走ってきたキャスリンが叫び声にも似た声を上げたが、私は背中にあるホックを素早く外し、ドレスとヒールを脱いでシュミーズとドロワーズ姿になると、桟橋を走ってそのまま池へと飛びこんだ。
(思ったより…花の根が絡み付くわね…)
《ゴホッゴホッ…》
《ほら、しっかり!よく頑張ったわ、あと少しよ!》
「アリーシャ様!掴まって!」
私が、その溺れた子を手で掴み、進もうとするが池にある根や茎が絡み付いて上手く進めない。けれど、キャスリンが桟橋から伸ばした手にどうにか届いたようで、ぐいっ、とキャスリンに引っ張られ、どうにか池から私とその子を引き上げてくれた。
「ごぼっごほっ…」
《ゲホッ…ゲホッ…》
「どうされました!!」
「あ!アリーシャ様、私の上着を羽織って下さい。」
そう言えば私、ドレスを着て水には入れないと下着になったんだわ。近衛兵達が走ってくるので、キャスリンが上着を脱いで私に羽織らせてくれた。
小さな兄妹は、泣きながら抱きしめ合っていた。
私はその姿を見ると、安心したのか意識が遠のいた。
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