【完結】【番外編追加】隠していた特技は、魔術の一種だったみたいです!

まりぃべる

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12. マリエットの言い分 〜マリエット視点〜

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 私はマリエット。バルテレミー=アランブール伯爵の妻よ。バルテレミーと恋に落ち、こんな国境近くのレスキュン領に来てしまって、社交の場にもなかなか行かなくなってしまったから私も丸くなったものだわ。


 バルテレミーは、若い頃、ウブだったけれど本当に格好良かったわ!私の手も握れないほどだったけれど、それでも、紳士でとても素敵だった。
結婚したらたくさん触れてくれると思ったのに、全然なのにはガッカリしたわ。なによ。私はいつでも待っているのに!


 夜を共にしていたのだけど、良い雰囲気になるのに気づいたらいつも朝になっているのよね。なぜなのかしら。もっとこう、長く良い雰囲気を楽しみたいのに、いつも意識がふわりと無くなってしまうのよね。


 それでも、子供を授かったのだから、夜はそれなりの事をいたしているのよね?…たまに不安になるわ。


 ただ、このレスキュン領は収入が少ないのよ。屋敷の隣にある、宿舎を狩人に利用してもらうのが唯一の収入じゃないのかしら?
でも、たまにバルテレミーったら〝危ない森〟に行くらしいのよね。

 まだリュシーが幼い頃に、森から帰って来たときに酷い怪我を負っていた事があったわ。息も絶え絶えだったし、血まみれで、野生動物の血なのか、バルテレミーの血なのか良く分からなくて。私も気が動転していたのかのだけれど、ベッドの横に座りいつも手を握っていた気がするわ。

 でもね、アオ鷹の爪を削ったものを傷口に塗り、意識を取り戻した時にそれを削ったものを飲ませたみたいであっという間に治ったのよ。


 侍女見習いが言っていたの。アオ鷹はリュシーが持ってきたのだと。


 どうして?どこから?だって、アオ鷹はとても大きくて獰猛で恐ろしいと聞いているわ。

 どうやって?


 なんだか、リュシーが恐ろしく感じてしまったの。

 それからも、野生動物と向き合いブツブツと独り言を言っている様は、見ているとなんだかイライラとするのよ。
なぜかしら。私が看病しようとしていたのに、娘にバルテレミーを取られたと思ってしまったから?

 分からない。自分でも分からないけれど、なんだかリュシーを見ると恐ろしくもあるの。だから、それ以来手を繋ぐ事も抱きしめる事も、傍による事さえもしたくなかったわ。


 やがて、リュシーが五歳の頃にカジミールが生まれると、カジミールがとても可愛く見えたの。まだ本当に小さくて、私が守ってやらないとと思ったのかもしれないわ。

 カジミールは伯爵家の跡取り。大切に育てなくては。



 でも、やっぱり淋しくなる時もあるのよ?女だもの。そういう時には、宿舎に泊まりに来ている狩人と夜を共にする事もあったわ。彼らは逞しくて、私を包み込むように抱きしめてくれるの。バルテレミーはしてくれない事をしてくれるのよ。

 その内に、セレスタン=アルブーと名乗るちょっと俺様な人が現れたわ。性格がちょっと、いえかなり悪いけれど、資産家でお金持ちなのよ。

 でも、バルテレミーに泊まる事を拒否されたとかで変装をして来るようになったのよ。それに、お屋敷にも招待してくれるようになって。娘のちょっと気味悪い話をしたら、是非ともって言ってくれたのよ。


「支度の為にお金が要るだろう。どのくらい欲しい?」


 聞かれたから、カジミールの学費くらいは欲しいのって言ったら鼻で笑われたわ。

「そんな額でいいのか!?バルテレミー伯爵はそんなのも工面出来んのか?
よしよし、俺様はその十倍は出してやる。その代わり、娘は返してやらんぞ?」

 って。まぁ、きっと資産家だもの。リュシーも良い思いが出来るでしょうからね!




 なんだか、屋敷が騒がしくなったのよ。若い見目は麗しい人達が来たのだけれど、部屋へ戻れって言われたわ。でも、胸騒ぎがしたの。普段ここに訪れる人がいないのだもの。何の話か気になるのは当然じゃない?だから、扉の外で聞き耳を立てるくらいいいわよね?


 んー、思いのほか聞き取りずらいわ。くぐもっていて全く聞こえないの。でも、辛抱強く扉に耳をくっつけるようにしていたら突然はっきりと聞こえたのよ。リュシーを連れていくって。

 そんなのダメに決まってるわ!だってリュシーは嫁ぐのだもの!お金が手に入らなかったら困るでしょう!?
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