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決戦!
作戦会議
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マリアたちはアンカサの港に戻った。グローリア組はそれぞれ元の服装に戻っていた。
夕暮れ時となっていた。海を見れば、赤い光がどこまでも伸びて、幻想的な光景になっている。
「美しい景色ですが、見とれている暇はありませんよ」
アンカサの領主であるガルーダが歩いてきていた。
マリアは優雅にお辞儀をした。
「お出迎えありがとう。船と船員と着替えと何から何まで助かったわ。私たちが帰ってくるのが分かったの?」
「ペットたちが急に騒ぎ始めたので。何事かと思えば船が見えていました」
マリアの疑問に、ガルーダは平然と答えていた。
「本題に入りましょう。マルドゥクを止められそうですか?」
「……ごめんなさい、無理だったわ。マルドゥクは想像以上に獰猛で怖いわ」
マリアは、レーベン王国に汽車ごと侵入してきた男を思い出しながら、正直に答えた。
「でも、強力な味方が来てくれたの。オネットとフレイよ」
「ほぉう!? 屈強なマルドゥクの手下の中でも、実力者ですね」
ガルーダは両目を丸くした。
マリアは得意げに胸を張った。
「そうよ! きっとなんとかなるわ」
「無計画に挑んだのではどうにもならない」
オネットが口を開いた。
「マルドゥクは獰猛で狡猾だ。一人でも厄介なのに、ルドやイアンも来るだろう。作戦を練るべきだ」
「そ、そうね。ちゃんと考えましょう」
マリアは歯切れの悪い返事をした。
マルドゥクに対抗しうる作戦など、全く考えついていない。
そんなマリアを気遣ってか、スターが声を掛ける。
「一人で悩む必要はない。近隣諸国の知恵を借りるために、会議を開くという手があるぞ」
「そうね! それがいいわ」
マリアは花がほころぶような笑顔を見せた。
馬車に乗って急いでグローリア王国に戻る。
早朝になっていたが、王城の前で盛大な出迎えを受けた。
マリアは笑顔で手を振って応えるが、決戦の日を思い描いていた。
「ソール大陸を守るための会議を開くわ。できるだけ早い方がいいの」
マリアは侍従たちに指示を出して、応接間を整わせたり近隣諸国に伝令を送ったりした。
「めんどくさいから俺は寝る。会議の結果だけ教えてくれ」
フレイはあくびをして歩き去った。
オネットは呆れていた。
「相変わらずだな」
「オネットは会議に参加する? その場合は着替えてほしいのだけど」
「ああ、これか」
オネットはシャツの腹辺りを引っ張る。シャツにデカデカと描かれているイチゴが歪む。
「気に入っているのだが」
「そう……じゃあ、仕方ないわね。二人の事は私からみんなに話しておくわ」
「悪いがそうしてほしい。俺がいない方が本音を語れる人間も多いだろう。適当な場所に潜んでおくから、必要があれば呼んでくれ」
「ありがとう、助かるわ!」
マリアはオネットに別れを告げ、勇み足で王城に入る。
ミカエルとスターとジャックも続いた。
「リヒトもどうじゃ?」
スターが誘うが、リヒトは首を横に降った。
「儂は王子と行動を共にする」
「うむ、それも良かろう」
スターは鷹揚に頷いた。
マリアたちがせわしなく会議の準備をしている間に、日はどんどん過ぎ去った。
会議の当日には多くの王侯貴族が訪れた。ソール大陸の一大事と認識しているようだ。
マリアが真っ先に口を開いた。
「皆さん、集まってくれてありがとう。お礼が簡単で申し訳ないけど、早速本題に入るわ。マーニ大陸に行って実感したけど、マルドゥクはやはり恐ろしい男よ。私たちがマルドゥクの行動を抑える間もなく、拠点となるはずのレーベン王国を潰されたわ」
「『鋼鉄の猟犬』イアンの進撃を追い返したが、マルドゥクに潰されるのは一瞬じゃった」
マリアの言葉をスターが引き継いだ。
「儂らはやむを得ず撤退に至った」
「結局は何もできなかったのか?」
「マルドゥクの恨みを買っただけのでは……」
王侯貴族の間から次々に疑念が投げかけられる。
その疑念を蹴散らすように、マリアは明るく言い放つ。
「安心して! ”マリオネット”の使い手のオネット、”フレイム”の使い手のフレイが味方になったから」
「”マリオネット”に”フレイム”だと!? 伝説級のスキルじゃないか」
「信じられん……本当に味方になったのか?」
王侯貴族は期待と不安でざわついている。
そんな中で声高にあざ笑っている王がいた。恰幅が良く、宝石だらけの杖を持ち、贅沢な装飾を全身にこしらえた男だった。国民からどれくらい税を巻き上げているのかマリアには検討もつかなかった。
「うそうそ! そんなスキル持ちがなーんの考えもない小娘に従うなんて考えられん」
「嘘じゃないわ。友達になったもの」
「友達のフリじゃろ。グローリア王国に利用価値がないと踏めば、手のひらを返すに決まっておる」
「オネットもフレイも、そんなひどい事はしないわ。私の友達を侮辱しないで」
まっすぐに見つめるマリアを、王は鼻で笑っていた。
「友情なんぞ当てにならん。世の中はどうやって得するかじゃ。可愛いだけの小娘に飽きられたらあっという間にグローリア王国なんぞ潰されるぞ」
「ひどいわ……」
「悔しかったら”マリオネット”か”フレイム”を使わせてみろ! それができればの話じゃがな」
王は勝ち誇ったように笑っていた。
マリアはうつむき、声を震わせる。
「オネット、いるかしら? ちょっと”マリオネット”を見せてもらっていい?」
返事はなかった。
誰も声を発する事ができず、辺りは沈黙が走る。
さきほど勝ち誇った笑みを浮かべていた王は、青ざめた顔で椅子ごと宙に浮かんでいた。
王は自分の意思でなく動かされる恐怖に、現実味が湧いていなかった。
しかし、時間が経つごとに認識せざるをえなくなる。
自分は今、何者かに操られていると。
「ひ、ひいいいいいい!」
王が悲鳴をあげた瞬間に、王侯貴族がざわついた。
「本当にいるのか!?」
「ど、どこだ」
王侯貴族には国家一の手練の護衛がついている。しかし、その護衛たちをもってしていも、誰一人オネットの居場所が分からない。
「お、おのれぇ!」
逆上して剣を手にとったのは、マリアをあざ笑った王の近衛兵だ。透明人間がいると思っているのか、やむくもに武器を振るう。
その剣がひとりでに浮かび上がる。近衛兵は突然自分の手を離れた剣を呆然と見ていた。
次の瞬間、剣は刃を向けて王へと襲いかかる。
「う、うわああああ! 助けてくれぇぇええ!」
王は情けないほどの悲鳴をあげてもがくが、見えない糸の束縛から逃れられない。
そんな王の手助けをするように、王が握っている杖がひとりでに剣を受け止める。王の腕ごと操っているのだ。勢いよく振り下ろされる剣を受け止めた衝撃は、王の腕に直に伝わる。王の腕はビリビリと震えていた。
寸劇はこれだけでは終わらない。
王は椅子ごと空中で勢いよく回転した。時折剣が振り下ろされては、すんでのところで杖が受け止める。
「うぎゃあああ!」
王は強烈な恐怖と吐き気でまともに命令をくだせなくなっていた。
気を利かせた近衛兵が王を救おうと近づくが、宙を舞う剣を前に足踏みしていた。
マリアが声を張り上げる。
「オネット、ちょっとと言ったでしょ!? 充分よ!」
マリアの声に応えたのか、王の回転がゆるくなる。
同時に、椅子ごと床へと降ろされる。王は目を回して泡を吹いていた。
剣は近衛兵のもとに戻っていた。
スターが咳払いをする。
「お分かりいただけたじゃろうか?」
王侯貴族たちは何度も頷いた。
人を問答無用で操り、意のままに動かす。”マリオネット”の真髄だと認識していた。
そして、その”マリオネット”の使い手をマリアは完全に掌握している。
「頼もしいかぎりですな。フレイとやらもマリア王女には逆らわないでしょうねぇ」
ガルーダが呟くと、他の王侯貴族たちも同意していた。
会議はマルドゥクを止める方法を話し合う流れになった。
スターは自分が知った事をすべて話した。
マルドゥクは”マスター”の使い手で、あらゆるスキルが使える事。このスキルを封じるには”ゼロ”がほしかったが、既に使ってしまった事。
「”マリオネット”と”フレイム”でどうにかならないものか……」
「もう一つ忘れていないか?」
ミカエルが口を開いた。
「ミカエルスペシャルがある」
「おお、たしかに使えるかものぅ」
スターは顎髭をさすりながら感心していた。
ガルーダが眉をひそめた。
「ミカエルスペシャルとは?」
「僕が開発した大技です。まあ、見てからのお楽しみですよ」
ミカエルは絶対の自信を持っていた。
ガルーダはふむっと言って軽く頷いた。
「まあいいでしょう。マルドゥクたちが真っ先にどこを狙ってくるのか。どこにどの程度の軍備を固めるのか考えた方がいいでしょう」
「グローリア王国を真っ先に狙ってくるわ。アンカサには手出しさせないから安心して」
マリアが力強く言った。その目には一点の曇りもない。
ガルーダは腕を組んだ。
「マルドゥクはいずれソール大陸を掌握するつもりです。グローリア王国で食い止めなければなりませんねぇ」
この言葉に王侯貴族たちは敏感に反応した。
自分たちの国を戦場にせずに、自分たちの国を守れる。
「グローリア王国さえ守り抜ければ良いのですよ」
ガルーダの念押しは、王侯貴族たちの考えをまとめるのに充分であった。
戦力をグローリア王国に集結させる。
そう決まった瞬間だった。
夕暮れ時となっていた。海を見れば、赤い光がどこまでも伸びて、幻想的な光景になっている。
「美しい景色ですが、見とれている暇はありませんよ」
アンカサの領主であるガルーダが歩いてきていた。
マリアは優雅にお辞儀をした。
「お出迎えありがとう。船と船員と着替えと何から何まで助かったわ。私たちが帰ってくるのが分かったの?」
「ペットたちが急に騒ぎ始めたので。何事かと思えば船が見えていました」
マリアの疑問に、ガルーダは平然と答えていた。
「本題に入りましょう。マルドゥクを止められそうですか?」
「……ごめんなさい、無理だったわ。マルドゥクは想像以上に獰猛で怖いわ」
マリアは、レーベン王国に汽車ごと侵入してきた男を思い出しながら、正直に答えた。
「でも、強力な味方が来てくれたの。オネットとフレイよ」
「ほぉう!? 屈強なマルドゥクの手下の中でも、実力者ですね」
ガルーダは両目を丸くした。
マリアは得意げに胸を張った。
「そうよ! きっとなんとかなるわ」
「無計画に挑んだのではどうにもならない」
オネットが口を開いた。
「マルドゥクは獰猛で狡猾だ。一人でも厄介なのに、ルドやイアンも来るだろう。作戦を練るべきだ」
「そ、そうね。ちゃんと考えましょう」
マリアは歯切れの悪い返事をした。
マルドゥクに対抗しうる作戦など、全く考えついていない。
そんなマリアを気遣ってか、スターが声を掛ける。
「一人で悩む必要はない。近隣諸国の知恵を借りるために、会議を開くという手があるぞ」
「そうね! それがいいわ」
マリアは花がほころぶような笑顔を見せた。
馬車に乗って急いでグローリア王国に戻る。
早朝になっていたが、王城の前で盛大な出迎えを受けた。
マリアは笑顔で手を振って応えるが、決戦の日を思い描いていた。
「ソール大陸を守るための会議を開くわ。できるだけ早い方がいいの」
マリアは侍従たちに指示を出して、応接間を整わせたり近隣諸国に伝令を送ったりした。
「めんどくさいから俺は寝る。会議の結果だけ教えてくれ」
フレイはあくびをして歩き去った。
オネットは呆れていた。
「相変わらずだな」
「オネットは会議に参加する? その場合は着替えてほしいのだけど」
「ああ、これか」
オネットはシャツの腹辺りを引っ張る。シャツにデカデカと描かれているイチゴが歪む。
「気に入っているのだが」
「そう……じゃあ、仕方ないわね。二人の事は私からみんなに話しておくわ」
「悪いがそうしてほしい。俺がいない方が本音を語れる人間も多いだろう。適当な場所に潜んでおくから、必要があれば呼んでくれ」
「ありがとう、助かるわ!」
マリアはオネットに別れを告げ、勇み足で王城に入る。
ミカエルとスターとジャックも続いた。
「リヒトもどうじゃ?」
スターが誘うが、リヒトは首を横に降った。
「儂は王子と行動を共にする」
「うむ、それも良かろう」
スターは鷹揚に頷いた。
マリアたちがせわしなく会議の準備をしている間に、日はどんどん過ぎ去った。
会議の当日には多くの王侯貴族が訪れた。ソール大陸の一大事と認識しているようだ。
マリアが真っ先に口を開いた。
「皆さん、集まってくれてありがとう。お礼が簡単で申し訳ないけど、早速本題に入るわ。マーニ大陸に行って実感したけど、マルドゥクはやはり恐ろしい男よ。私たちがマルドゥクの行動を抑える間もなく、拠点となるはずのレーベン王国を潰されたわ」
「『鋼鉄の猟犬』イアンの進撃を追い返したが、マルドゥクに潰されるのは一瞬じゃった」
マリアの言葉をスターが引き継いだ。
「儂らはやむを得ず撤退に至った」
「結局は何もできなかったのか?」
「マルドゥクの恨みを買っただけのでは……」
王侯貴族の間から次々に疑念が投げかけられる。
その疑念を蹴散らすように、マリアは明るく言い放つ。
「安心して! ”マリオネット”の使い手のオネット、”フレイム”の使い手のフレイが味方になったから」
「”マリオネット”に”フレイム”だと!? 伝説級のスキルじゃないか」
「信じられん……本当に味方になったのか?」
王侯貴族は期待と不安でざわついている。
そんな中で声高にあざ笑っている王がいた。恰幅が良く、宝石だらけの杖を持ち、贅沢な装飾を全身にこしらえた男だった。国民からどれくらい税を巻き上げているのかマリアには検討もつかなかった。
「うそうそ! そんなスキル持ちがなーんの考えもない小娘に従うなんて考えられん」
「嘘じゃないわ。友達になったもの」
「友達のフリじゃろ。グローリア王国に利用価値がないと踏めば、手のひらを返すに決まっておる」
「オネットもフレイも、そんなひどい事はしないわ。私の友達を侮辱しないで」
まっすぐに見つめるマリアを、王は鼻で笑っていた。
「友情なんぞ当てにならん。世の中はどうやって得するかじゃ。可愛いだけの小娘に飽きられたらあっという間にグローリア王国なんぞ潰されるぞ」
「ひどいわ……」
「悔しかったら”マリオネット”か”フレイム”を使わせてみろ! それができればの話じゃがな」
王は勝ち誇ったように笑っていた。
マリアはうつむき、声を震わせる。
「オネット、いるかしら? ちょっと”マリオネット”を見せてもらっていい?」
返事はなかった。
誰も声を発する事ができず、辺りは沈黙が走る。
さきほど勝ち誇った笑みを浮かべていた王は、青ざめた顔で椅子ごと宙に浮かんでいた。
王は自分の意思でなく動かされる恐怖に、現実味が湧いていなかった。
しかし、時間が経つごとに認識せざるをえなくなる。
自分は今、何者かに操られていると。
「ひ、ひいいいいいい!」
王が悲鳴をあげた瞬間に、王侯貴族がざわついた。
「本当にいるのか!?」
「ど、どこだ」
王侯貴族には国家一の手練の護衛がついている。しかし、その護衛たちをもってしていも、誰一人オネットの居場所が分からない。
「お、おのれぇ!」
逆上して剣を手にとったのは、マリアをあざ笑った王の近衛兵だ。透明人間がいると思っているのか、やむくもに武器を振るう。
その剣がひとりでに浮かび上がる。近衛兵は突然自分の手を離れた剣を呆然と見ていた。
次の瞬間、剣は刃を向けて王へと襲いかかる。
「う、うわああああ! 助けてくれぇぇええ!」
王は情けないほどの悲鳴をあげてもがくが、見えない糸の束縛から逃れられない。
そんな王の手助けをするように、王が握っている杖がひとりでに剣を受け止める。王の腕ごと操っているのだ。勢いよく振り下ろされる剣を受け止めた衝撃は、王の腕に直に伝わる。王の腕はビリビリと震えていた。
寸劇はこれだけでは終わらない。
王は椅子ごと空中で勢いよく回転した。時折剣が振り下ろされては、すんでのところで杖が受け止める。
「うぎゃあああ!」
王は強烈な恐怖と吐き気でまともに命令をくだせなくなっていた。
気を利かせた近衛兵が王を救おうと近づくが、宙を舞う剣を前に足踏みしていた。
マリアが声を張り上げる。
「オネット、ちょっとと言ったでしょ!? 充分よ!」
マリアの声に応えたのか、王の回転がゆるくなる。
同時に、椅子ごと床へと降ろされる。王は目を回して泡を吹いていた。
剣は近衛兵のもとに戻っていた。
スターが咳払いをする。
「お分かりいただけたじゃろうか?」
王侯貴族たちは何度も頷いた。
人を問答無用で操り、意のままに動かす。”マリオネット”の真髄だと認識していた。
そして、その”マリオネット”の使い手をマリアは完全に掌握している。
「頼もしいかぎりですな。フレイとやらもマリア王女には逆らわないでしょうねぇ」
ガルーダが呟くと、他の王侯貴族たちも同意していた。
会議はマルドゥクを止める方法を話し合う流れになった。
スターは自分が知った事をすべて話した。
マルドゥクは”マスター”の使い手で、あらゆるスキルが使える事。このスキルを封じるには”ゼロ”がほしかったが、既に使ってしまった事。
「”マリオネット”と”フレイム”でどうにかならないものか……」
「もう一つ忘れていないか?」
ミカエルが口を開いた。
「ミカエルスペシャルがある」
「おお、たしかに使えるかものぅ」
スターは顎髭をさすりながら感心していた。
ガルーダが眉をひそめた。
「ミカエルスペシャルとは?」
「僕が開発した大技です。まあ、見てからのお楽しみですよ」
ミカエルは絶対の自信を持っていた。
ガルーダはふむっと言って軽く頷いた。
「まあいいでしょう。マルドゥクたちが真っ先にどこを狙ってくるのか。どこにどの程度の軍備を固めるのか考えた方がいいでしょう」
「グローリア王国を真っ先に狙ってくるわ。アンカサには手出しさせないから安心して」
マリアが力強く言った。その目には一点の曇りもない。
ガルーダは腕を組んだ。
「マルドゥクはいずれソール大陸を掌握するつもりです。グローリア王国で食い止めなければなりませんねぇ」
この言葉に王侯貴族たちは敏感に反応した。
自分たちの国を戦場にせずに、自分たちの国を守れる。
「グローリア王国さえ守り抜ければ良いのですよ」
ガルーダの念押しは、王侯貴族たちの考えをまとめるのに充分であった。
戦力をグローリア王国に集結させる。
そう決まった瞬間だった。
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