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結城凛子

初めてのセックス

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 それから二週間ほど経ったある日の放課後、いつぞやのように聞き覚えのある声に呼ばれて振り返ると、案の定羽野くんが立っていた。
 ホームルームが終わってしばらく時間が経っているためか、教室には私と羽野くん以外誰もいない。

「その・・・このあと時間ある?」
「・・・うん」

 私の答えを聞いた羽野くんの頬が赤く染まる。

「今日、親が帰ってくるの遅いから・・・」

 熱い視線を向けられて、一瞬言葉に詰まる。
 そんな目で見ないでほしい。心臓に悪いし、ここが学校だってことを忘れてしまいそうになる。

「・・・いいよ」

 私の返事は、吹奏楽部が練習している音とか運動部の野太い掛け声とかにかき消されたけれど、羽野くんにはしっかりと届いていたみたい。
 ホッとしたように笑った羽野くんが、ひどく眩しく見えた。



 羽野くんの部屋は前回と変わらずきちんと片づけられていた。
 そして羽野くんがまたあの美味しいお茶を淹れてくれているうちに、私は鞄の中に入れていた目当てのものを探る。この日に備えてドラッグストアでこそこそ買って、いつ誘われてもいいようにこっそり持ち歩いていた避妊具だ。
 かなり恥ずかしいけれどこれを渡そう。そんな私の決意は、羽野くんが部屋に入ってきた瞬間に消え失せた。

「待たせてごめん」

 羽野くんがそう言いながらローテーブルにマグカップを置くと、ふわっと花の甘い香りが漂う。

「ううん、お茶ありがとう。これすごく美味しくて好き」
「母さんが色々とハーブを混ぜて作ってるんだ。あと、蜂蜜も入れてる」
「すごい!羽野くんのお母さんって多才な方なんだね!」

 感心しながらお茶を啜っていると、羽野くんが何か言いたげにこちらを見つめてくる。私は内心ドギマギしながらも、気付いていないふりをしてお茶を味わう。

「あの、今日、なんだけど・・・その、用意したから最後までしてもいい?」

 恥ずかしすぎて羽野くんと目線を合わせられない。小さく頷きながら、鞄の中にこっそりと避妊具を戻した。



「また・・・するの?」
「うん。しっかりほぐしといた方がいいから・・・ダメ?」

 羽野くんのベッドの上で素っ裸になったところで、羽野くんがまた私のあそこを舐めたいと言い出した。
 正直、前回とっても気持ちよかったので嫌ではないけれど、やはり洗ってもいないそこを触られるのは抵抗感がある。一応シャワーを借りられないか尋ねてみたら、やんわりと却下された。それでも躊躇っていると羽野くんがグイッと私の脚を押し開いて、慎重な仕草で突起に指を這わせてくる。

「痛くない?」

 ちょっと強引な羽野くんにドキドキしながら、小さく頷く。
 羽野くんは嬉しそうに笑うと、蜜口に指を滑らせて蜜を絡ませた。そして再度突起をゆるゆると撫でながら私の反応を伺ってくる。
 ゆっくりじっくり責め立てられると、すぐに頭がぼーっとして快感に身を委ねてしまう。だから、いつのまにか羽野くんが移動していたことに全く気がつかなかった。

「んぁッ!んっ♥はの、くんッ♥あぁっ♥」

 脚の付け根に陣取った羽野くんが突起に舌を這わせている。二週間ぶりの快感に、私は呆気なく絶頂に押し上げられた。

「んあッ♥♥♥あっ・・・はっ、んッ♥」

 すぐに達してしまったことが恥ずかしくて、手で顔を覆って荒く息を吐いていたらまたすぐに舌が動き始める。

「まっ、やッ、いま、イッたからっ!」

 快感の波に飲み込まれそうになって慌てて腰を引こうとするけれど、羽野くんに腰をがっちり掴まれて動けない。
 何かが溢れてしまいそうで怖い。でももっと気持ちよくなりたい。

「ああっ♥また、んッ♥あッ♥♥はッ♥♥~~~ッ♥♥♥」

 あまりの気持ちよさに、背筋がのけぞった。一度では引かない快感の波に、痙攣が止まらない。

「かわいい、結城さん・・・」

 羽野くんの甘い言葉に腰が震える。
 まさか羽野くんがそんなことを言うなんて・・・。

「指、入れるから。痛かったら教えて」

 まだ呼吸も整わないうちに、羽野くんの指が中へ入ってくる。既にびちょびちょに濡れているのは分かっていたけれど、秘部から粘着質な音が聞こえるし、自分の意思とは関係なく羽野くんの指をぎゅっ♥ぎゅっ♥と締め付けているのも感じて、すごく恥ずかしい。

「すごい・・・」

 うっとりとした羽野くんの声が聞こえていたたまれない。でも、ゆっくり抜き差しする指の動きに加えてもう片方の手の親指で突起を弄られると、何も考えられなくなってしまう。

「ぁっ♥それ、また・・・ッ♥」

 足がガクガク震えて、また達しそうになる。そのことに気付いたのか、羽野くんが指をもう一本追加してきた。中が引き伸ばされる感覚が苦しい。

「うっ・・・はっ、んっ」
「ごめん、痛い?」
「ちょっと、苦しい、けど・・・んっ、痛くはない」

 本当は少しだけ痛かったけれど、羽野くんが指を止めてしまいそうな気がしたので痛いとは言わなかった。
 指二本でこれだけ苦しいのに、本当にあれが中に入るのかな・・・。

「もう一本、増やしてもいい?」

 羽野くんの言葉に頷く。痛みを覚悟して身体を固くしていると、羽野くんが全ての指を引き抜いて覆い被さってきた。

「痛くしてごめん。でも、止めてあげられない・・・ごめん」

 お互いの息を感じる距離で熱っぽく見つめられて息を呑むと、羽野くんが柔らかく笑った。その笑顔があまりに綺麗で、瞬きもできずに見惚れてしまう。
 そのままゆっくりと顔が近づいてきて、気付いた時には唇が重なり合っていた。温かくてしっとりとした感触に、自然と目蓋を閉じる。優しく触れ合うだけのキスにホッとする。
 羽野くんの唇が離れそうになって、背中に手を回した。このままキスしていたかった。羽野くんは一瞬びっくりしたみたいだったけれど、すぐに唇を擦り合わせて啄むようなキスをくれる。
 身体が熱くて、甘い口づけの合間にため息をつくと、舌を差し込まれて口内を擽られる。敏感な口蓋をなぞるように舌で刺激されると蕩けてしまいそうになる。

 私の身体をずっと労わる様に撫でていた羽野くんの手がするすると下へ向かい、太ももの内側の薄い皮膚を撫でる。甘いキスに夢中で、さっきの痛みのことなんてすっかり忘れてしまっていた。

「んっ・・・♥」

 水気を増した秘所に羽野くんの指が入ってくる。一本、二本と慎重に抜き差しされて、ついに三本目が入ってきた。
 やっぱり圧迫感がすごいけれど、それでも引き攣るような痛みは大分減っていて、羽野くんの指に内襞が吸い付いているのがわかる。

 丁寧に中を擦られた後、ゆっくり指が引き抜かれた。羽野くんを目で追うとちょうど封を切って避妊具を被せているところだった。
 ネットで付け方は調べたけれど、あんな風に付けるんだな・・・。

「そんなに見ないで・・・」

 吐息交じりの声が聞こえたと思ったら、羽野くんが先っぽを入り口に擦りつけてくる。ぬちゅ♥ぬちゅ♥といやらしい音がして、緊張と期待に身体が震える。

「なるべくゆっくり入れるから」

 そう言うと同時に、羽野くんが中に入ってきた。
 先っぽの張り出した部分に粘膜を押し広げられる感覚が怖い。でも羽野くんが苦しそうに眉根を寄せているのが見えたので、なるべく身体を動かさないように我慢する。
 たくさん解してくれたからか、圧迫感が強いだけで痛みはそれほどなかった。時々内壁が引き攣れたように震えて変な感じがするけれど、耐えられないほどではない。

「んっ・・・全部、入った?」
「あと、ちょっと」

 結構奥の方まで入っている気がするけれど、まだ全部入っていないらしい。どこまで入ってくるのだろうという緊張感と恐怖心もあるけれど、羽野くんのあそこが本当に私の中に入って来ているんだなと思うとドキドキする。

 全て中に入る頃には、羽野くんは全身汗でびしょびしょになって肩で息をしていた。
 私は中で力強く脈動する羽野くんを感じながら溜息をつく。受け入れることができたという達成感で心が満たされていた。
 けれど、羽野くんを見るとまだ辛そうな表情をしている。

「動いていいよ?」
「っ、でも、まだ結城さん辛いよね?」
「大丈夫だから」
「・・・ごめん」

 やはり限界だったみたいですぐに抽挿が始まった。鈍痛が走って気を抜いたら呻きそうだったので、唇を噛みしめて顔を横に反らす。

 ほどなくして、羽野くんは膜越しに精を吐き出した。この間咥えた時よりもずっと早かったので、ホッとしながら身体から力を抜く。

「その、結城、さん・・・」

 躊躇いがちに声を掛けられて羽野くんを見遣ると、なぜかまだ熱っぽい目で私を見つめている。
 ・・・何か嫌な予感がするんですけど。

「もう一回、してもいい?」
「え!?いや、・・・・・・とりあえず休ませて」

 断ろうとすると羽野くんがしゅんとしてしまったので、慌てて言い換えた。あまりにも悲しそうな表情をするから罪悪感がすごい。

「うん!ちょっと休もう」

 もう一度できる、と羽野くんがとても嬉しそうに微笑むものだからうっかりキュンとしてしまう。

 しばらく抱き合ったまま休憩していたのだけど、羽野くんの物欲しそうな目に耐えきれなくなって二回戦目の許可を出した。
 羽野くんは嬉しそうにいそいそと避妊具を付けると、再度私の中にゆっくり入ってくる。耐えるようにぎゅっと目を瞑っている姿が色っぽくて、自分でも知らないうちに中を締め付けてしまってドクドクと脈打つ振動が中に広がる。さっきは鈍痛がするだけだった奥の方がムズムズしてくる。

「ん、あっ♥」

 羽野くんが中のある部分を擦った瞬間、身体が震えた。

「ここ、気持ちいい?」
「あ、わかんない・・・あっ♥」

 これって気持ちいいのかな、なんて思っていたら、もう一度擦られて甘い声を上げてしまった。
 私の反応を見て笑顔を浮かべた羽野くんが、その一点を繰り返し擦ってくる。

「ふっ♥あっ♥あっ♥」

 未知の感覚が恐ろしくてぎゅっと目を瞑っていると、唇に柔らかい感触が降ってくる。それが羽野くんの唇だと気付いた瞬間、自然と身体の力が抜けていく。

「・・・そんなにいいの?」

 耳元で囁かれた声が掠れていて色っぽくて、思わず羽野くんの背中に手を回して頷く。羽野くんも抱きしめ返してくれて、肌と肌がぴったりくっつく感覚が気持ちいい。

「ひぅ♥あ、そこ♥やっ!はぁっ♥」

 羽野くんの右手が、何度も達して敏感になっている突起に触れてきた。蜜口からトロトロ湧き出ている愛液のせいで滑りがよくなっていて、さっき触られた時よりもっと気持ちいい。

「はぁ、結城さんの中、締め付けてくる・・・」

 うっとりと呟いた羽野くんは、ずんずん腰を押し付けながら右手の愛撫も緩めない。今まで味わったことのない高みに連れて行かれるのを感じて身体が強張る。

「や、はのくっ♥きちゃう♥きもちいいのきちゃうっ♥」
「いいよ、好きなだけ気持ちよくなって」
「っあぁぁあぁあッ♥♥♥♥♥・・・んッ♥・・・ぁッ♥」

 ぎゅっと抱き込まれた体勢で快楽を逃せないまま、目の前が真っ白く染まる。
 ただただ気持ちよくて、気持ちいいということしかわからない。

 絶頂の余韻が強すぎて動けないでいると、羽野くんの身体が離れていった。温もりが消えてしまって寂しくて、どうにか腕を伸ばそうとした時。

「結城さん、ごめん、そろそろ僕も・・・」
「へっ?や、まって!まだ、んぁッ♥あッ♥」

 私の静止を無視した羽野くんに、両足を持ち上げられて膝がベッドにつくほど押し開かれる。一旦ズルリと引き抜いた熱をブチュッ♥と勢いよく奥まで挿し込まれて、達したばかりで敏感になっている内壁をぐちゅっ♥ぐちゅっ♥ぐちゅっ♥と執拗に擦られれば、もうひとたまりもなかった。

「あぁっ♥あっ♥んッ♥あっ♥ーーーーーッ♥♥♥♥♥」

 背中を弓なりにして大きく果てる。それなのに、刺激が止まらない。

「はッ♥♥♥も、だめ♥♥♥あんッ!とめてッ♥♥♥はの、く、あああッーーー!」
「んッ、でるっ!」

 ビュクッ♥ビュクッ♥ビュクッ♥と熱が勢いよく吐き出された。震える羽野くんをぎゅーっ♥と締め付ける。
 気持ち良すぎて頭がおかしくなりそう・・・。
 荒い息を吐いて倒れ込んできた羽野くんを抱きとめながら、まだ体内で小さく弾け続ける快感に浸る。
 
 こんな気持ちいいことを知ってしまったらきっと自慰では満足出来なくなってしまう。そんな不安が頭をよぎってハッとする。
 それ以上考えるのが怖くて、汗だくになった羽野くんの身体を抱きしめながら目を閉じた。


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