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ラストライブと言う最終話
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ライブの日は来年の「3月1日」
そう、卒業式と同じ日だ。
体育館で粛々とはじまっだ卒業式。
校長が話をしようとした瞬間、
「4人組」が壇上に登り校長からマイクを奪い取り
「え~本日4時より、中央区のライブハウスで、俺達ザ・青春バンドの解散ライブをします!皆も卒業記念に集まってくれよな!以上!」と壇上を降りる。
「クォら~!最後の最後に何する!」と新田が走ってくる!しかし、その顔はほころんでいて、
「今日は卒業式だ、許してやる」と皆の肩をポンポンと叩いて戻っていった。
卒業式も難なく終わり、校門で4人組が集まる。
「行こうぜ、本当の卒業式へ!」
そこに他校の高校生が集まる。
「いよいよだな!学校中のみんなを呼んでおいてやったぜ!」
今まで、何度も喧嘩をした喧嘩仲間の連中だ。
すまなかったなとねぎらい、学校を後にした。
そして、本番ー。
ホールは満員、外にまで溢れていた。
流石は前に取材に来たテレビの力である。
さらに、街でお世話になっていた大人達も、解散ライブなら…と駆けつけてくれていた。
まだ、ライブ前だと言うのにコールの声が響く。
円陣を組み、「ザ・青春バンド!行くぞー!」気合を入れ、ステージへ…大きな歓声とスポットライトを一身に浴びた。
これが、俺達最後の青春なんだ…
1、2、1.2.3.4.!浩二の聞き慣れたスティックの音が鳴る!
一曲目が始まった。
爆音が鳴り響くと観客は狂喜乱舞、演奏が聞こえてるのか?と思う程の歓声だ!
飛び散り、流れる汗、客もメンバーもさらに熱気をあげてくる!
ハードなナンバーを数曲の後、バラードへ
「天国への階段」。英語だから、何を言っているのかわからないが、知っているのだろう、壮年の人達が涙を流している。
ミドルテンポナンバーを数曲、
いよいよ、ラストの曲になった。
本当ならば「胸いっぱいの愛を」のはずが
涼介がマイクを掴み
「ここで、俺達が初めて覚えた曲をやります。ハードロックじゃないけど、聴いてださい。」
涼介が言い終わるかどうかのタイミングで透のギターがなった、振り返ると透がウィンクする。
それに合わせるかのように、ドラムとベースが鳴り響く…。
「ペーパーバックライター」。ビートルズの曲。
今までの事を思い出した。バンドを組んだ日、トラックに乗り込んで死にそうになった日、初めて樂器を持った頃などを思いだす…。
この曲は打ち合わせをしてなかったけど、みんな、わかってくれてたんだな…。
「ありがとうー!」
みんなでお辞儀をし、ステージを降りる。
鳴り止まない歓声と拍手。
「アンコール!」と響いた。
アンコール、そんな曲は持ってないけど、
「アレしかないな!」
「やるぞ!」
再び、ステージに上がる。
異常ともいえるぐらいの湧き上がる歓声。
涼介は「あの写真」を思いだし、
親父!俺達は同じ青春を味わっている!
バンドって、こんなに素晴らしい!
いい青春時代だったよ!
「聴いてくれよな! Rock And Roll !」
「「「「ウォー!」」」」
割れんばかりの歓声が鳴り響く!
中には肩ぐるまをして、手を振ってくれる人がいる。
客の汗がライトの熱気のせいで水蒸気となりホール全体が霞むかのようだ。
透のギターがうねり出し、浩二と雅也リズム隊がタイトなビートで空間を響かせる!
そして…
「…ロンリ、ロンリ、ロンリ、ロンリータイム!」
涼介は喉を振り絞りきった。
全ての曲が終わった…全力でやりきった…満足感と疲労感を感じながら、「ザ・青春バンド」は解散した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なかなか濃い青春ですなぁ~」
「他の人達、それぞれに、それぞれの青春はあるもんですよ、僕たちは、たまたまバンドだっただけで」
「それで、皆さんは今はなにを?」
「皆、実家の家業を継いでます。」
ガラッと、店の扉が開く音
「いらっしゃい!おぉ、浩二!それに響子ちゃ~ん!」
「もう、ちゃんって年じゃないでしょ!」
「それでも、俺の中では響子ちゃんは響子ちゃんだよ~!」
「お~、この人達ですか、さっき話していた人って!」
とっさに響子が雅也の胸ぐらを掴みながら
「また、変な事言ってんじゃないでしょーね?」
「昔の話をしてただけだよ~響子ちゃ~ん」
ギブ、ギブと手を叩く雅也を見て、ようやく響子は手を離す。
「それよりも、餃子とビールね!」バンバンとテーブルを叩きながら響子が注文する。
「はいよ!」
お客全員で話をしていると電話が鳴り、「はい!篠崎中華料理店!」
「おー!了解!」
「涼介か?」浩二が、当たり前のように聞く。
「おう!今度の休みの日にやろうぜって!」
40代サラリーマンが聞いた。
「何をするんですか?」
「もちろん、ザ・青春バンドですよ!」
ー完ー
そう、卒業式と同じ日だ。
体育館で粛々とはじまっだ卒業式。
校長が話をしようとした瞬間、
「4人組」が壇上に登り校長からマイクを奪い取り
「え~本日4時より、中央区のライブハウスで、俺達ザ・青春バンドの解散ライブをします!皆も卒業記念に集まってくれよな!以上!」と壇上を降りる。
「クォら~!最後の最後に何する!」と新田が走ってくる!しかし、その顔はほころんでいて、
「今日は卒業式だ、許してやる」と皆の肩をポンポンと叩いて戻っていった。
卒業式も難なく終わり、校門で4人組が集まる。
「行こうぜ、本当の卒業式へ!」
そこに他校の高校生が集まる。
「いよいよだな!学校中のみんなを呼んでおいてやったぜ!」
今まで、何度も喧嘩をした喧嘩仲間の連中だ。
すまなかったなとねぎらい、学校を後にした。
そして、本番ー。
ホールは満員、外にまで溢れていた。
流石は前に取材に来たテレビの力である。
さらに、街でお世話になっていた大人達も、解散ライブなら…と駆けつけてくれていた。
まだ、ライブ前だと言うのにコールの声が響く。
円陣を組み、「ザ・青春バンド!行くぞー!」気合を入れ、ステージへ…大きな歓声とスポットライトを一身に浴びた。
これが、俺達最後の青春なんだ…
1、2、1.2.3.4.!浩二の聞き慣れたスティックの音が鳴る!
一曲目が始まった。
爆音が鳴り響くと観客は狂喜乱舞、演奏が聞こえてるのか?と思う程の歓声だ!
飛び散り、流れる汗、客もメンバーもさらに熱気をあげてくる!
ハードなナンバーを数曲の後、バラードへ
「天国への階段」。英語だから、何を言っているのかわからないが、知っているのだろう、壮年の人達が涙を流している。
ミドルテンポナンバーを数曲、
いよいよ、ラストの曲になった。
本当ならば「胸いっぱいの愛を」のはずが
涼介がマイクを掴み
「ここで、俺達が初めて覚えた曲をやります。ハードロックじゃないけど、聴いてださい。」
涼介が言い終わるかどうかのタイミングで透のギターがなった、振り返ると透がウィンクする。
それに合わせるかのように、ドラムとベースが鳴り響く…。
「ペーパーバックライター」。ビートルズの曲。
今までの事を思い出した。バンドを組んだ日、トラックに乗り込んで死にそうになった日、初めて樂器を持った頃などを思いだす…。
この曲は打ち合わせをしてなかったけど、みんな、わかってくれてたんだな…。
「ありがとうー!」
みんなでお辞儀をし、ステージを降りる。
鳴り止まない歓声と拍手。
「アンコール!」と響いた。
アンコール、そんな曲は持ってないけど、
「アレしかないな!」
「やるぞ!」
再び、ステージに上がる。
異常ともいえるぐらいの湧き上がる歓声。
涼介は「あの写真」を思いだし、
親父!俺達は同じ青春を味わっている!
バンドって、こんなに素晴らしい!
いい青春時代だったよ!
「聴いてくれよな! Rock And Roll !」
「「「「ウォー!」」」」
割れんばかりの歓声が鳴り響く!
中には肩ぐるまをして、手を振ってくれる人がいる。
客の汗がライトの熱気のせいで水蒸気となりホール全体が霞むかのようだ。
透のギターがうねり出し、浩二と雅也リズム隊がタイトなビートで空間を響かせる!
そして…
「…ロンリ、ロンリ、ロンリ、ロンリータイム!」
涼介は喉を振り絞りきった。
全ての曲が終わった…全力でやりきった…満足感と疲労感を感じながら、「ザ・青春バンド」は解散した。
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「なかなか濃い青春ですなぁ~」
「他の人達、それぞれに、それぞれの青春はあるもんですよ、僕たちは、たまたまバンドだっただけで」
「それで、皆さんは今はなにを?」
「皆、実家の家業を継いでます。」
ガラッと、店の扉が開く音
「いらっしゃい!おぉ、浩二!それに響子ちゃ~ん!」
「もう、ちゃんって年じゃないでしょ!」
「それでも、俺の中では響子ちゃんは響子ちゃんだよ~!」
「お~、この人達ですか、さっき話していた人って!」
とっさに響子が雅也の胸ぐらを掴みながら
「また、変な事言ってんじゃないでしょーね?」
「昔の話をしてただけだよ~響子ちゃ~ん」
ギブ、ギブと手を叩く雅也を見て、ようやく響子は手を離す。
「それよりも、餃子とビールね!」バンバンとテーブルを叩きながら響子が注文する。
「はいよ!」
お客全員で話をしていると電話が鳴り、「はい!篠崎中華料理店!」
「おー!了解!」
「涼介か?」浩二が、当たり前のように聞く。
「おう!今度の休みの日にやろうぜって!」
40代サラリーマンが聞いた。
「何をするんですか?」
「もちろん、ザ・青春バンドですよ!」
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