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第二十七話 死闘
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剣を再びミノタウロス亜種に向ける。
殺意の篭もった目で睨みつけ、頭の中で相手の行動パターンを考えれるだけ拡げていく。その行動に対しての行動パターンを考えることも忘れない。
カケルは仲間があの様な姿になったのに、感情を表に出してはいない。表に出していないだけで、本当は内面では怒りの色一色に染まってるのだ。だが決して怒りを表には現さない。これは前の世界で学んだことだ。
怒りを心で抑えきれず、表に現れた人の行動は実に単純になる。目の前の状況を見るのが精一杯になり、後先考えずに行動することで、相手に返り討ちを受けるのだ。これはカケルが居た境遇の中で学んだ知識の一つだ。
表に現さないことで、闘志は燃やしながら冷静な判断が出来るのだ。
カケルはどんよりとした緊張感の空気を晴らすかのように、大きく深呼吸をし、攻撃を仕掛けた。
この戦いはどちらかが力負け、気を抜いた方が負ける。
単純に勝敗が決まってしまう。
だからこそ、一歩、一呼吸、一振り、瞬時の判断が勝敗を決める鍵となる。
神速を使用し、呼吸をする暇もなく相手の懐に入る。
さっきの行動で腹を狙うとどんな速さでも、あの巨大な大剣に防がれてしまう。なら今度はそれを逆手に取ることにした。
カケルは横腹を斬りつけようとすると同時に、観察眼を使い大剣が目の前に現れるタイミングを見計らった。
剣先が筋肉質の肉に到達する前に、大剣はクラウソラスを防ごうと剣を地面に突き刺す。
「そこが狙いだぁぁぁ!!」
クラウソラスを持っている方の手首を器用に回し、剣先が向かっている場所を変えたのだ。そして相手の大剣の柄を握っている腕を切り落とす。
普通のミノタウロスに比べ筋肉の量が違い斬り難かったが、そこはクラウソラスで何とか出来た。もし鉄剣であれば腕を切り落とすのはもっとも、突き刺すことも不可能だっただろう。
カケルは一度距離をとる。
腕は大剣の柄を握ったまま斬られたので、切り落とされても握ったままだった。
ミノタウロス亜種の腕の切り口からは、紫色の毒々しい液体が流れ落ちている。恐らく人間で言う血なのだろう。
ミノタウロス亜種はこちらに向かって咆哮大(ハイパーボイス)を放つ。
腕の痛みで放ったのか。それとも斬られた怒りで放った。前者と後者のどちらかなのか、それとも両方なのかはカケルには分からない。
カケルにとって咆哮大(ハイパーボイス)はただの咆哮にしか聞こえない為、行動が封じられることはない。
相手は斬られた腕が柄を握っている物を握り潰し、大剣の柄を斬られていない逆の手で握る。
そして今度は相手の攻撃のターンとなった。
ミノタウロス亜種は距離を詰めるため、見た目からは想像できない脚から繰り出されるジャンプでカケルの方に行く。
飛ぶ勢いを利用して大剣を咆哮混じりに振り下ろす。
真に受けると潰されてしまうので、大剣の勢いを地面に逃がし、受け流す。
大剣が地に突き刺さった状態で着地すると、地震と思わせるような揺れが体に響くがバランスを崩す事はない。
距離を取ろうと離れようとしたが、当然その隙をミノタウロス亜種が許すわけがなかった。
大剣を持っていた豪腕が轟音を纏いながらカケルの横腹に薙払いを叩きつけたのだ。
それを何とか剣で防ごうとしたが、勢いまでは殺せず、部屋の壁に打ち付けられる。が壁に接触する瞬間カケルは脳内で判断し、セレス達に付けていた盾の一部を体に密着させ、壁に叩きつけられることだけは回避した。
盾に当たったとしても、衝撃が全くないというわけではない。
腹部に激痛が走っており、カケルは何とか堪えようと奥歯を噛みしめ堪えている。恐らく最低でも肋骨一本は折れている。口も衝撃の時に傷が入り、口の中、鼻の隅々まで血の匂いで一杯になる。
呼吸をするだけで体全体に痛みが走る中、カケルは戦うことを諦めはしない。
剣を構え、ミノタウロス亜種にまだ戦うと宣言する。
その意志が通じたのか、ミノタウロス亜種は咆哮で返し、『良いだろう』と言っているように聞こえた。
カケルの体は長くは持たないだろう。
なので次の攻撃で決着が決まるだろう。
神速を使い相手の懐に入り込み、剣を振るう。
剣を振るうと言っても、馬鹿にならない程速い。
それはそうだ。普段は脚に効果がある神速を腕に効果を付けたからである。
一撃目加えたら違うところに二撃目。三撃目。四撃目と連撃を繰り出す。
がそれを容易く大剣で受け止められてしまう。
――遅い。
一連撃目より、斬りつける速さのギアを一段階上げ、目にも留まらなぬ速さで二連撃目を繰り出す。
口からは血が溢れており、体は限界を感じていた。
その連撃を相手はやっとで追いつき、防いでいる状態だ。
――遅い。
――もっと速く。
――もっと速く!
カケルは最大限までギアを上げ、怒濤の十五連撃を相手に打ち付ける。
既に脳の情報処理が追いつかずパンク寸前だが、そんなのを気にしている場合ではない。
相手は全てを捌ききれず、腕、脚、腹、胸を斬りつけられる。
そして大剣が胸(弱点)から離れた瞬間を逃さず、カケルは最後の十五連撃目を声を荒げ、叫びながらクラウソラスを貫通させた。
ミノタウロス亜種は倒され、灰となる。
その中から微かに見えるドロップアイテムを確認し、倒したことを実感し、カケルは意識をゆっくりと手放していく。
セレスの声が耳に届くが、何を言っているのか聞き取れずそのまま深い眠り入る。
「全く――無理は――しないで下さい」
目を開けると、そこにはお馴染みの“声”がそこには居た。
「そうだね。今回は無茶をし過ぎたのかも。ごめん」
「本当に――ですよ――今度からは――気を付けてください」
“声”にそっぽを向かれた気がするが、気のせいだろう。
「そうだ――まだ私――自己紹介して――無かったわね」
すると、霧で隠れていた体が徐々に露わになっていく。
「私は、精霊神の中の精霊女神マーズ。簡単に言えば神と言えば良いのかな」
体はカケルより少し小さく、顔は可愛らしく整っていた。
肌は雪のように白く、髪は透き通ってるかのように美しく、光輝く黄金色だった。
自己紹介を終えると、すぐに霧の中に隠れてしまった。
「ほら。皆さんが待っていますよ。御行きなさい」
マーズはそう言うと、この世界を崩し、カケルは目が覚めた。
殺意の篭もった目で睨みつけ、頭の中で相手の行動パターンを考えれるだけ拡げていく。その行動に対しての行動パターンを考えることも忘れない。
カケルは仲間があの様な姿になったのに、感情を表に出してはいない。表に出していないだけで、本当は内面では怒りの色一色に染まってるのだ。だが決して怒りを表には現さない。これは前の世界で学んだことだ。
怒りを心で抑えきれず、表に現れた人の行動は実に単純になる。目の前の状況を見るのが精一杯になり、後先考えずに行動することで、相手に返り討ちを受けるのだ。これはカケルが居た境遇の中で学んだ知識の一つだ。
表に現さないことで、闘志は燃やしながら冷静な判断が出来るのだ。
カケルはどんよりとした緊張感の空気を晴らすかのように、大きく深呼吸をし、攻撃を仕掛けた。
この戦いはどちらかが力負け、気を抜いた方が負ける。
単純に勝敗が決まってしまう。
だからこそ、一歩、一呼吸、一振り、瞬時の判断が勝敗を決める鍵となる。
神速を使用し、呼吸をする暇もなく相手の懐に入る。
さっきの行動で腹を狙うとどんな速さでも、あの巨大な大剣に防がれてしまう。なら今度はそれを逆手に取ることにした。
カケルは横腹を斬りつけようとすると同時に、観察眼を使い大剣が目の前に現れるタイミングを見計らった。
剣先が筋肉質の肉に到達する前に、大剣はクラウソラスを防ごうと剣を地面に突き刺す。
「そこが狙いだぁぁぁ!!」
クラウソラスを持っている方の手首を器用に回し、剣先が向かっている場所を変えたのだ。そして相手の大剣の柄を握っている腕を切り落とす。
普通のミノタウロスに比べ筋肉の量が違い斬り難かったが、そこはクラウソラスで何とか出来た。もし鉄剣であれば腕を切り落とすのはもっとも、突き刺すことも不可能だっただろう。
カケルは一度距離をとる。
腕は大剣の柄を握ったまま斬られたので、切り落とされても握ったままだった。
ミノタウロス亜種の腕の切り口からは、紫色の毒々しい液体が流れ落ちている。恐らく人間で言う血なのだろう。
ミノタウロス亜種はこちらに向かって咆哮大(ハイパーボイス)を放つ。
腕の痛みで放ったのか。それとも斬られた怒りで放った。前者と後者のどちらかなのか、それとも両方なのかはカケルには分からない。
カケルにとって咆哮大(ハイパーボイス)はただの咆哮にしか聞こえない為、行動が封じられることはない。
相手は斬られた腕が柄を握っている物を握り潰し、大剣の柄を斬られていない逆の手で握る。
そして今度は相手の攻撃のターンとなった。
ミノタウロス亜種は距離を詰めるため、見た目からは想像できない脚から繰り出されるジャンプでカケルの方に行く。
飛ぶ勢いを利用して大剣を咆哮混じりに振り下ろす。
真に受けると潰されてしまうので、大剣の勢いを地面に逃がし、受け流す。
大剣が地に突き刺さった状態で着地すると、地震と思わせるような揺れが体に響くがバランスを崩す事はない。
距離を取ろうと離れようとしたが、当然その隙をミノタウロス亜種が許すわけがなかった。
大剣を持っていた豪腕が轟音を纏いながらカケルの横腹に薙払いを叩きつけたのだ。
それを何とか剣で防ごうとしたが、勢いまでは殺せず、部屋の壁に打ち付けられる。が壁に接触する瞬間カケルは脳内で判断し、セレス達に付けていた盾の一部を体に密着させ、壁に叩きつけられることだけは回避した。
盾に当たったとしても、衝撃が全くないというわけではない。
腹部に激痛が走っており、カケルは何とか堪えようと奥歯を噛みしめ堪えている。恐らく最低でも肋骨一本は折れている。口も衝撃の時に傷が入り、口の中、鼻の隅々まで血の匂いで一杯になる。
呼吸をするだけで体全体に痛みが走る中、カケルは戦うことを諦めはしない。
剣を構え、ミノタウロス亜種にまだ戦うと宣言する。
その意志が通じたのか、ミノタウロス亜種は咆哮で返し、『良いだろう』と言っているように聞こえた。
カケルの体は長くは持たないだろう。
なので次の攻撃で決着が決まるだろう。
神速を使い相手の懐に入り込み、剣を振るう。
剣を振るうと言っても、馬鹿にならない程速い。
それはそうだ。普段は脚に効果がある神速を腕に効果を付けたからである。
一撃目加えたら違うところに二撃目。三撃目。四撃目と連撃を繰り出す。
がそれを容易く大剣で受け止められてしまう。
――遅い。
一連撃目より、斬りつける速さのギアを一段階上げ、目にも留まらなぬ速さで二連撃目を繰り出す。
口からは血が溢れており、体は限界を感じていた。
その連撃を相手はやっとで追いつき、防いでいる状態だ。
――遅い。
――もっと速く。
――もっと速く!
カケルは最大限までギアを上げ、怒濤の十五連撃を相手に打ち付ける。
既に脳の情報処理が追いつかずパンク寸前だが、そんなのを気にしている場合ではない。
相手は全てを捌ききれず、腕、脚、腹、胸を斬りつけられる。
そして大剣が胸(弱点)から離れた瞬間を逃さず、カケルは最後の十五連撃目を声を荒げ、叫びながらクラウソラスを貫通させた。
ミノタウロス亜種は倒され、灰となる。
その中から微かに見えるドロップアイテムを確認し、倒したことを実感し、カケルは意識をゆっくりと手放していく。
セレスの声が耳に届くが、何を言っているのか聞き取れずそのまま深い眠り入る。
「全く――無理は――しないで下さい」
目を開けると、そこにはお馴染みの“声”がそこには居た。
「そうだね。今回は無茶をし過ぎたのかも。ごめん」
「本当に――ですよ――今度からは――気を付けてください」
“声”にそっぽを向かれた気がするが、気のせいだろう。
「そうだ――まだ私――自己紹介して――無かったわね」
すると、霧で隠れていた体が徐々に露わになっていく。
「私は、精霊神の中の精霊女神マーズ。簡単に言えば神と言えば良いのかな」
体はカケルより少し小さく、顔は可愛らしく整っていた。
肌は雪のように白く、髪は透き通ってるかのように美しく、光輝く黄金色だった。
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