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第二章 異国の地にて
第四十二話
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夜通し行われた捜索であったが成果は乏しく、ホフラン達を見つけることは出来なかった。建物についてもジークが言ったように幻覚魔法の痕跡があるだけで火災による被害は無かった。
「逃げた形跡のみは確認出来たと……何たる失態だ貴様ら!」
上官の怒号が響き渡る。夜間行われた捜索の次は早朝からのブリーフィング。疲弊していたが兵士達は気が抜けない状況が続いていた。
「そもそもだ、奴らを捕縛したのは異国の餓鬼で幻覚魔法を祓ったのは甲冑の男だとッ⁉︎ 何をやっとるんだ! ……しかも餓鬼に関しては通りすがりという話じゃないか!」
怒り爆発といった状況である。怒鳴られる側からすれば堪ったものではないが全て事実であるため誰も反論が出来ない。
「それで、次はどうするつもりだ……?」
「そ、捜索範囲を広めて対応します!」
「バカ者が! そんなことは当たり前だッ! ……イーフル家を直接調べろ、話は上に通してある。他の怪しい元貴族共も総当たりだ!」
この上官、乱暴な口調で有名ではあるが、意外と話が早く有能であった。
「いいか、絶対に逃すな! これ以上好き勝手にされてたまるか。奴らを必ず豚箱に放り込んでやれ!」
作戦をまとめ素早く展開する。時間が経てば経つほど軍側は不利となる。
「それで、例の鎧男と外国人の餓鬼はどうした?」
「はっ! 彼らにつきましては……」
✳︎✳︎✳︎✳︎
火災騒ぎから一夜明けたワーテル。朝日に照らされた水の都市は煌びやかな景色を映し出していた。
そのワーテルを歩く三人の人間。道行く人は距離を空けるか、遠巻きに眺める、噂話をするなど異質な存在として扱われていた。
「どうして僕までこんなことに……」
「日頃の行いの報いだバカめ」
兵士と異国の貴族と思われる少年、そして全身を覆った禍々しい甲冑を身に着けた人物。一般市民からすれば近寄り難く、敬遠されても仕方がない状況であった。
「だから何で君が偉そうなのさ……。ああ、眠いなぁ夜通し働き詰めは辛いよ」
「低能で貧弱。もう末期だな」
「……いや君は一人勝手に休んでたよね?」
クラッツ含む兵士達が慌ただしく動いている中でジークは姿を消していた。ホフラン達貴族派と同じように逃げてしまったのかと肝を冷やしたが、何事も無かったかのように部屋で寝ていた。安堵と同時に恨みがましく思ったものだ。ちなみにブラッドも休息を取っていたらしい。
「大体さ、あれだけ捜して見つからないのに僕ら三人でどうにか出来るわけないじゃないか」
「……それが指示なら仕方がないのではないか?」
「は、はい! そうですよね……」
萎縮したように返事をするクラッツ。ブラッドを恐れているのか微妙な距離感が生まれている。
クラッツ達が三人で行動しているのは上からの指示によるものである。昨晩逃走したホフラン達の捜索、発見次第拘束せよとの指示が出ていた。
イグノート共和国の首都ワーテル。広大な運河に作られた水と共存する都市。その巨大都市から特定の人間を三人だけで見つけることは容易ではないと軍も理解している。
ブラッドやジークの性質上、正規部隊と共に動かすのは却って難しい。実力は評価されるが外見や態度の問題から軋轢を生む恐れがあるからだ。であれば遊撃隊として動かした方が都合が良いという判断に至った訳だ。……クラッツについては見張り役という面倒事を押し付けられた形ではあるが。
「ふん、なら話は単純だ。貴族を名乗る奴らを片っ端から消してしまえばいい」
「発想が極悪過ぎる……」
一定の功績が認められているブラッド。強力な魔法により敵勢力を一瞬で制圧したジーク。軍は二人の実力を良くも悪くも評価している。
後手に回る対応が続いているからこそ、流れを変える為に期待されているのが二人の協力者であった。
「……どの道彼らの住居を確認するしかないだろう。捕縛の結果、明確に黒となった家もあるのだろう?」
「はい、そちらは他の部隊が対応するみたいです……要は足を使って僕らは調べろと」
嘲るように鼻で笑うジーク。随分な扱いだなと苛立ちを含んでいる様に見える。
「君の場合は信用されなくて当たり前だよ。……でもこのまま闇雲に捜しても埒が明かないし」
「……彼らはいずれ動く。だがそれを待っているだけでは今までと変わりはないか」
運河に作られた街には至る所に橋が架けられている。その他の移動手段としてはボートや船がある。人力による物や魔法を動力に使用した物など個性豊かで物珍しく感じる。
「おや? やっぱり気になるかい、この街について。 最近は水の量が増えた気がするけど時期によってまちまちなんだ」
「……少年の出身はディアバレト王国だったか? かなり遠方だと記憶しているが」
「貴様らには関係無い。……気になるなら足を運んでみろ。反吐が出るぞ」
興味が無さそうに吐き捨てるジーク。仮にもその国の貴族を名乗っている本人がその様なことを言って大丈夫なのだろうかとクラッツは疑問に思う。
「……神聖術と共に歩んできた国だったか。目にしたことは一度もないが」
「ブラッドさん、神聖術って御伽噺では?」
ワーテルが水を象徴とする都市ならディアバレト王国は神聖術がそれに該当する。最上位の回復魔法に当たる神聖術は国内での認知度は高いが、国外では意外と知られていないことが多い。ブラッドが言うように関わる機会がなく、そもそも使い手が圧倒的に少ない。
「神様が使っていた全てを癒す神の御業だったとか?」
マリア教会にも使い手は存在するが、誓約による制限であったり隠蔽されるなどにより、表舞台に登場するのはほんの一部であった。
「バカか貴様は。神なんぞいるわけないだろうが」
「ちょっと⁉︎ 駄目だよ変なこと言ったら……。教会の人に怒られるよ」
まさに信者から言えばディアバレト王国の行いは罰当たりと言えるかもしれない。王族が使う神聖術を政治や戦争に利用してきた背景があるからだ。
「弱者の典型だそれは。見たこともなく、いるかも不明な存在に縋る奴らに未来があると思うか?」
「……面白い考え方だな少年。……参考にさせてもらおう」
「物凄く邪悪な話をしてるみたいだ……」
大きな橋を渡り移動する一行。観光客や住民ばかりで怪しい人物は特に見当たらない。
「ところでさ、僕達は何処に向かっているんだい?」
当初はワーテルの案内も兼ねてクラッツが先導していたが現在はジークが先頭を歩いていた。
「本当にバカだな貴様は。奴らの足取りを追ってるに決まっているだろうが」
「あ、足取りだって⁉︎ 何か手掛かりを見つけたの⁉︎」
街中であることを忘れ大声を出すクラッツ。人の視線が集まっていることに気が付き慌てて会釈をする。
「……何か標を辿っているとは思っていたが。そうか魔力痕か」
「魔力痕? 一体何のことですか……?」
留置所に残されていた幻覚魔法の魔力痕があったように、魔法の行使後には一定時間その痕跡が残されることがある。
「でも使用者側の魔力痕を辿るのは難しいのでは? 微々たる量でしょうし、はっきりと分かるくらいなら手を打つのが普通のような……」
「少しは頭を使え。この国の兵士は醜態を晒すのが流行りなのか?」
「本当に口が悪いな君は」
逃走目的で使った魔法で追跡されては本末転倒である。追っている痕跡は別にあるとブラッドが説明する。
「……クラッツ殿は現地にいなかったが、少年は魔法で彼らを拘束している。おそらくはその時の……」
「えッ⁉︎ いくらなんでもそれは無理があるのでは……。そもそも今出来るなら何で昨日の段階で」
「夜通し働くのが貴様らの存在価値だろうが。まぁ成果は得られていないようだがな」
おかしい、ほぼ初対面に近いのにと驚愕するクラッツ。何故ここまで罵倒されているのだろうかと真剣に考えてみた。結果はジークが異常であるという結論に至った。
「頭を使えないなら体を動かせ。黙ってついて来い」
「怒鳴らない鬼軍曹みたいだ……」
ジークに先導される形で一行は進んでいく。そしてたどり着いたのは都市の中心から外れた場所。市民が生活する居住区エリアに到着していた。
「ここは観光地でもなければ彼らの住居があるわけでもないんだけど」
「……一般市民の家といったところか」
「痕跡はこの建物へ続いている。貧相なボロ小屋だな」
普通だよとクラッツが訂正する。客観的に見ても特に違和感を感じない一般的な住居のようだが。
「開けてみろ」
「……俺か? 別に構わないが」
「いや構います。許可も無く捜査は出来ませんよ……そもそも本当にここなのかい?」
せめてノックはしようよと的確な指摘をするクラッツ。従うようにドアノックに手を掛けるジークであったが。
「バカが時間の無駄だ。……おい、出て来い三下共」
突如ジークから発せられる魔力の波濤。
異変に勘付いたブラッドがクラッツを抱えて飛び退く。寸刻後、魔力は暴発し扉どころか玄関部分を含めて吹き飛ばしてしまう。
衝撃が晴れた後視界に広がったのは無惨に破壊された家屋であった。外部から室内の様子がはっきりと見える状態である。
「な、何てことしてるのさッ⁉︎」
「ふん、貴様ら組織の人間はどいつもこいつも回りくどい。だから後れを取ることになる」
「正論だけど極端過ぎるッ⁉︎」
ブラッドに担がれた状態で騒いでいるクラッツを無視して玄関だった場所から侵入する。
屋内には口を開け呆気に取られている者、腰を抜かしている者、険しい表情を浮かべている者が数名いた。服装だけを見ればこの家の住民と思われるが。
「態々こちらから出向いてやったぞゴミ屑共。恥を晒したい奴は掛かってこい、消してやる」
「逃げた形跡のみは確認出来たと……何たる失態だ貴様ら!」
上官の怒号が響き渡る。夜間行われた捜索の次は早朝からのブリーフィング。疲弊していたが兵士達は気が抜けない状況が続いていた。
「そもそもだ、奴らを捕縛したのは異国の餓鬼で幻覚魔法を祓ったのは甲冑の男だとッ⁉︎ 何をやっとるんだ! ……しかも餓鬼に関しては通りすがりという話じゃないか!」
怒り爆発といった状況である。怒鳴られる側からすれば堪ったものではないが全て事実であるため誰も反論が出来ない。
「それで、次はどうするつもりだ……?」
「そ、捜索範囲を広めて対応します!」
「バカ者が! そんなことは当たり前だッ! ……イーフル家を直接調べろ、話は上に通してある。他の怪しい元貴族共も総当たりだ!」
この上官、乱暴な口調で有名ではあるが、意外と話が早く有能であった。
「いいか、絶対に逃すな! これ以上好き勝手にされてたまるか。奴らを必ず豚箱に放り込んでやれ!」
作戦をまとめ素早く展開する。時間が経てば経つほど軍側は不利となる。
「それで、例の鎧男と外国人の餓鬼はどうした?」
「はっ! 彼らにつきましては……」
✳︎✳︎✳︎✳︎
火災騒ぎから一夜明けたワーテル。朝日に照らされた水の都市は煌びやかな景色を映し出していた。
そのワーテルを歩く三人の人間。道行く人は距離を空けるか、遠巻きに眺める、噂話をするなど異質な存在として扱われていた。
「どうして僕までこんなことに……」
「日頃の行いの報いだバカめ」
兵士と異国の貴族と思われる少年、そして全身を覆った禍々しい甲冑を身に着けた人物。一般市民からすれば近寄り難く、敬遠されても仕方がない状況であった。
「だから何で君が偉そうなのさ……。ああ、眠いなぁ夜通し働き詰めは辛いよ」
「低能で貧弱。もう末期だな」
「……いや君は一人勝手に休んでたよね?」
クラッツ含む兵士達が慌ただしく動いている中でジークは姿を消していた。ホフラン達貴族派と同じように逃げてしまったのかと肝を冷やしたが、何事も無かったかのように部屋で寝ていた。安堵と同時に恨みがましく思ったものだ。ちなみにブラッドも休息を取っていたらしい。
「大体さ、あれだけ捜して見つからないのに僕ら三人でどうにか出来るわけないじゃないか」
「……それが指示なら仕方がないのではないか?」
「は、はい! そうですよね……」
萎縮したように返事をするクラッツ。ブラッドを恐れているのか微妙な距離感が生まれている。
クラッツ達が三人で行動しているのは上からの指示によるものである。昨晩逃走したホフラン達の捜索、発見次第拘束せよとの指示が出ていた。
イグノート共和国の首都ワーテル。広大な運河に作られた水と共存する都市。その巨大都市から特定の人間を三人だけで見つけることは容易ではないと軍も理解している。
ブラッドやジークの性質上、正規部隊と共に動かすのは却って難しい。実力は評価されるが外見や態度の問題から軋轢を生む恐れがあるからだ。であれば遊撃隊として動かした方が都合が良いという判断に至った訳だ。……クラッツについては見張り役という面倒事を押し付けられた形ではあるが。
「ふん、なら話は単純だ。貴族を名乗る奴らを片っ端から消してしまえばいい」
「発想が極悪過ぎる……」
一定の功績が認められているブラッド。強力な魔法により敵勢力を一瞬で制圧したジーク。軍は二人の実力を良くも悪くも評価している。
後手に回る対応が続いているからこそ、流れを変える為に期待されているのが二人の協力者であった。
「……どの道彼らの住居を確認するしかないだろう。捕縛の結果、明確に黒となった家もあるのだろう?」
「はい、そちらは他の部隊が対応するみたいです……要は足を使って僕らは調べろと」
嘲るように鼻で笑うジーク。随分な扱いだなと苛立ちを含んでいる様に見える。
「君の場合は信用されなくて当たり前だよ。……でもこのまま闇雲に捜しても埒が明かないし」
「……彼らはいずれ動く。だがそれを待っているだけでは今までと変わりはないか」
運河に作られた街には至る所に橋が架けられている。その他の移動手段としてはボートや船がある。人力による物や魔法を動力に使用した物など個性豊かで物珍しく感じる。
「おや? やっぱり気になるかい、この街について。 最近は水の量が増えた気がするけど時期によってまちまちなんだ」
「……少年の出身はディアバレト王国だったか? かなり遠方だと記憶しているが」
「貴様らには関係無い。……気になるなら足を運んでみろ。反吐が出るぞ」
興味が無さそうに吐き捨てるジーク。仮にもその国の貴族を名乗っている本人がその様なことを言って大丈夫なのだろうかとクラッツは疑問に思う。
「……神聖術と共に歩んできた国だったか。目にしたことは一度もないが」
「ブラッドさん、神聖術って御伽噺では?」
ワーテルが水を象徴とする都市ならディアバレト王国は神聖術がそれに該当する。最上位の回復魔法に当たる神聖術は国内での認知度は高いが、国外では意外と知られていないことが多い。ブラッドが言うように関わる機会がなく、そもそも使い手が圧倒的に少ない。
「神様が使っていた全てを癒す神の御業だったとか?」
マリア教会にも使い手は存在するが、誓約による制限であったり隠蔽されるなどにより、表舞台に登場するのはほんの一部であった。
「バカか貴様は。神なんぞいるわけないだろうが」
「ちょっと⁉︎ 駄目だよ変なこと言ったら……。教会の人に怒られるよ」
まさに信者から言えばディアバレト王国の行いは罰当たりと言えるかもしれない。王族が使う神聖術を政治や戦争に利用してきた背景があるからだ。
「弱者の典型だそれは。見たこともなく、いるかも不明な存在に縋る奴らに未来があると思うか?」
「……面白い考え方だな少年。……参考にさせてもらおう」
「物凄く邪悪な話をしてるみたいだ……」
大きな橋を渡り移動する一行。観光客や住民ばかりで怪しい人物は特に見当たらない。
「ところでさ、僕達は何処に向かっているんだい?」
当初はワーテルの案内も兼ねてクラッツが先導していたが現在はジークが先頭を歩いていた。
「本当にバカだな貴様は。奴らの足取りを追ってるに決まっているだろうが」
「あ、足取りだって⁉︎ 何か手掛かりを見つけたの⁉︎」
街中であることを忘れ大声を出すクラッツ。人の視線が集まっていることに気が付き慌てて会釈をする。
「……何か標を辿っているとは思っていたが。そうか魔力痕か」
「魔力痕? 一体何のことですか……?」
留置所に残されていた幻覚魔法の魔力痕があったように、魔法の行使後には一定時間その痕跡が残されることがある。
「でも使用者側の魔力痕を辿るのは難しいのでは? 微々たる量でしょうし、はっきりと分かるくらいなら手を打つのが普通のような……」
「少しは頭を使え。この国の兵士は醜態を晒すのが流行りなのか?」
「本当に口が悪いな君は」
逃走目的で使った魔法で追跡されては本末転倒である。追っている痕跡は別にあるとブラッドが説明する。
「……クラッツ殿は現地にいなかったが、少年は魔法で彼らを拘束している。おそらくはその時の……」
「えッ⁉︎ いくらなんでもそれは無理があるのでは……。そもそも今出来るなら何で昨日の段階で」
「夜通し働くのが貴様らの存在価値だろうが。まぁ成果は得られていないようだがな」
おかしい、ほぼ初対面に近いのにと驚愕するクラッツ。何故ここまで罵倒されているのだろうかと真剣に考えてみた。結果はジークが異常であるという結論に至った。
「頭を使えないなら体を動かせ。黙ってついて来い」
「怒鳴らない鬼軍曹みたいだ……」
ジークに先導される形で一行は進んでいく。そしてたどり着いたのは都市の中心から外れた場所。市民が生活する居住区エリアに到着していた。
「ここは観光地でもなければ彼らの住居があるわけでもないんだけど」
「……一般市民の家といったところか」
「痕跡はこの建物へ続いている。貧相なボロ小屋だな」
普通だよとクラッツが訂正する。客観的に見ても特に違和感を感じない一般的な住居のようだが。
「開けてみろ」
「……俺か? 別に構わないが」
「いや構います。許可も無く捜査は出来ませんよ……そもそも本当にここなのかい?」
せめてノックはしようよと的確な指摘をするクラッツ。従うようにドアノックに手を掛けるジークであったが。
「バカが時間の無駄だ。……おい、出て来い三下共」
突如ジークから発せられる魔力の波濤。
異変に勘付いたブラッドがクラッツを抱えて飛び退く。寸刻後、魔力は暴発し扉どころか玄関部分を含めて吹き飛ばしてしまう。
衝撃が晴れた後視界に広がったのは無惨に破壊された家屋であった。外部から室内の様子がはっきりと見える状態である。
「な、何てことしてるのさッ⁉︎」
「ふん、貴様ら組織の人間はどいつもこいつも回りくどい。だから後れを取ることになる」
「正論だけど極端過ぎるッ⁉︎」
ブラッドに担がれた状態で騒いでいるクラッツを無視して玄関だった場所から侵入する。
屋内には口を開け呆気に取られている者、腰を抜かしている者、険しい表情を浮かべている者が数名いた。服装だけを見ればこの家の住民と思われるが。
「態々こちらから出向いてやったぞゴミ屑共。恥を晒したい奴は掛かってこい、消してやる」
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