このゲーム、どうやって遊ぶ?

えんびあゆ

文字の大きさ
9 / 12
『ロックマン2』編

『ロックマン2』、どうやって遊ぶ?(2)

しおりを挟む
俺のコントローラーを持つ手の震えが止まらない。
なぜ、こんなにも俺はゲームが好きなのに下手なのだろうか?

もちろん、ゲームをプレイすることは好きだ。
しかしながら、ゲームは下手くそなのである。おそらくゲームセンスが無い。
他のボスを倒せたのは何度も店に通い少しずつ練習しているに過ぎない。

「タイムストッパー!」
最後の悪あがきタイムストッパーを使うもエアーマンに勝てるわけがない。
タイム連打も試してみたところで竜巻相手に意味はない。

残機がなくなりあっという間にゲームオーバー。

「あちゃー!大成さん、しっかりやってよw」
「いやいや、エアーマン強すぎですよ~」
半ば笑いながら話しかけてくる遊戯さんに答える俺。
こういう遊戯さんとのゲーム話が出来るのも、この店の醍醐味の一つ。

エアーマンが倒せない。
かつて、ニコニコ動画で"エアーマンが倒せない"という動画が流行ったがまさにそれである。

あの竜巻は何回やっても避けられないし、
後ろに回って打ち続けたところで風に飛ばされ、
タイム連打も試してみても竜巻相手に意味はなかった。
勝てるかどうかわからない相手に1個しかないE缶(エネルギー缶)を消費するわけにいかない。

「ワイリーステージまで行くのは遠いですね、やっぱりロックマンは難しいですよ」
俺がそう言うと遊戯さんはニヤリと笑い一言。

「エアーマンが倒せなくても、まだ手はありますよ」

いきなりロックマンがうまくなる方法があるというのだろうか?

「ロックマンは死にゲーアクションの一つだからね。大成さん、ここはひとつ、エアーマンの弱点である"リーフシールド"をとりにウッドマンを倒しに行きましょう」
「なるほど!その手がありましたね」

その手は確かに名案である。
俺は何の疑いも無くうなづく。

リーフシールド。エアーマンの弱点武器である。
ロックマンでは倒したボスの武器を次ステージからロックマン自身が使えるようになる。
そして各ボスには弱点となる武器が必ず一つは設定されている。
弱点を突けばどんなに強いボスも楽に倒すことが可能になるのだ。
つまり、エアーマンの弱点武器であるリーフシールドを入手するために、まずはウッドマンを倒そうということらしい。

俺は遊戯さんの意見に賛同し、意気揚々とウッドマンステージを選択。
軽快なBGMと共に今度の相手はウッドマンだといわんばかりにウッドマンの映像が流れる。

「さーて、いっちょやってみますか」
俺は脇に置いておいた缶ビールを一口飲む。うまい。やはりゲーム中のビールは格別である。

ウッドマンステージはさきほどのエアーマンステージと比較するとステージギミックとしては大して難しいものではない。
そもそも"ロックマン2"自体は子供の頃に何回かプレイしているから体が覚えている、というのもあるかもしれない。
そのおかげかプレイが下手くそな俺でもスイスイ進んでいくことが出来る。
そのことから多少余裕も生まれたのだろう。隣に遊戯さんに話しかける。

「俺にとってロックマン2は子供の頃の思い出ゲームの一つなんですよ~」
「まあ、私達世代ではロックマン2はちょうど幼稚園から小学生低学年ぐらいのときに発売したソフトだからね」

この会話からも理解できるかと思うが実は俺と遊戯さんは年齢が近くほぼ同年代である。

「子供の頃にバカやってた友達同士で学校が終わったら速攻で友達の家に数人で押しかけてロックマンやってたっけなー。特に2をなぜかやりこんでて、少しずつ上達するんだけど、毎回パスワードを書いた紙を無くして最初からスタートになるから全然進まないって言う(笑)」
「あー、あの頃はバックアップ搭載しているソフトは少なかったからね、パスワード方式が多くて紙に書くんだけど次の日には無くしてるっていうね」

ファミコンソフトで内臓バックアップメモリ搭載型のソフトは少なく、どちらかというとパスワード方式が主流だった。
ロックマン2についてもパスワード方式であり、のちに発売されることになるロックマン6までこの方式が続くことになる。

「そんな状況だから、ようやくワイリーステージにたどり着いた時は嬉しかった記憶がありますよ~。ワイリーステージはまた難易度が上がって死にまくりましたが(笑)」
「ワイリーステージ以降はパスワードが取得できないってのもあるからねー。ステージギミックが難しいうえにワイリーステージ4ではクラッシュボムが無いと詰むという当時の子供泣かせなひどい罠がありましたね」
「あー!さすが遊戯さん!!そういえばそんなのもありましたね。更にそれを越えた先には8大ボスとの再戦。いつになったらワイリーと戦えるのかと……」

ロックマンでは通常、最初の8大ボスを撃破するとワイリーステージと呼ばれるコンティニュー不可のステージが現れる。
このワイリーステージが曲者でステージがおおよそ5ステージ前後存在し、しかもゲームオーバーになるとワイリーステージの最初からという極悪ぶりから小学生の子供からすれば、クリアは到底不可能という状況に陥ることも多い。
『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』についても、例に漏れずこの方式を採用していることから、ある意味、最終面であるはずのワイリーステージからが本当の戦いともいえる。

「ま、そんなことを考えるのも、まずは目の前のウッドマンを倒してからだな」
「そうですね」

俺はそれだけ答えるとスイスイステージを進めていく。
ウッドマンステージのギミックを乗り越え、ついにウッドマンにたどり着く。

リーフシールドを体にまとったウッドマンが俺の操作するロックマンに突撃してくる。

「やばっ!」

―――かわせない。
ロックマンのライフゲージがたちまち少なくなっていき、やられた。

「油断した……かな」

気を取り直してボス戦前のシャッターをくぐり再度ウッドマンに挑む。

バリアとなっているリーフシールドをかわしつつロックバスターによる反撃のチャンスをうかがう。

「今だ!!」

俺は無我夢中にロックバスターを連射―――かすった!?
それでもウッドマンへのダメージはごくわずか。
今度はリーフシールドがばらけてロックマンめがけて飛んできてたちまち串刺しになる俺のロックマン……。ああ無情……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。 ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。 学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。 当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。 同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。 ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。 そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。 まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。  その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。 こうしてジュリーとの同居が決まった。 しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。  

煙草屋さんと小説家

男鹿七海
キャラ文芸
※プラトニックな関係のBL要素を含む日常ものです。 商店街の片隅にある小さな煙草屋を営む霧弥。日々の暮らしは静かで穏やかだが、幼馴染であり売れっ子作家の龍二が店を訪れるたびに、心の奥はざわめく。幼馴染としてでも、客としてでもない――その存在は、言葉にできないほど特別だ。 ある日、龍二の周囲に仕事仲間の女性が現れ、霧弥は初めて嫉妬を自覚する。自分の感情を否定しようとしても、触れた手の温もりや視線の距離が、心を正直にさせる。日常の中で少しずつ近づく二人の距離は、言葉ではなく、ささやかな仕草や沈黙に宿る。 そして夜――霧弥の小さな煙草屋で、龍二は初めて自分の想いを口にし、霧弥は返事として告白する。互いの手の温もりと目の奥の真剣さが、これまで言葉にできなかった気持ちを伝える瞬間。静かな日常の向こうに、確かな愛が芽吹く。 小さな煙草屋に灯る、柔らかく温かな恋の物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...