金と権力ある俺様王子が、最強令嬢を溺愛結婚する件

湯川仁美

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第一章 馴れ初めついでに日常をお見せします。

②回想

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玄翠が麗子という存在を知ったのは玄翠が16歳。
麗子が10歳の時。
高校の学力を計る全国統一試験で玄翠が人生ではじめて1番から外れた。
当時の玄翠は大帝国の第一王位継承者。
自分に盾をつくものはいないどころか、誰もが媚びへつらい。
色が白くて、すらっとしたその容姿もあり。男女の共に、周囲は常に玄翠に気に入られようと努力していたし、武術も学問も努力をせずとも常に1位だった。

そんな、絵に描いたような完璧王子のはじめての敗北。
相手は自国の公爵令嬢で自分よりも6歳も年下だという。

順位を見た瞬間、自家用車を執事に運転させ、公爵家に行くと突然の王子の訪問に動揺する公爵家の一同を無視して、ヅカヅカと全国模試第一位と名前のあった鷺洲麗子の部屋に向かった。
どのような不正をしたのか聞いてやると扉を開けると玄翠は固まった。

な、な、なんだ。

虐待されているのか?
椅子にロープで縛り付けられた少女が一心不乱に勉強をしていたのだ。
「お前・・・」
「玄翠皇太子殿下っ違うんです!うちの娘は、ちょっと人と思考回路が違うだけで縛られるが趣味ではないんです!」
「殿下!己の限界突破を常に美徳と捉える変わり者なだけで。何をしたのかわかりませんが、この子は真っ当でございます」
大帝国の第一皇子がいきなり家にはってきて、しかも明らかに怒った様子で娘の元に向かう。
鷺洲夫妻は絶対に誤解されると自分達の身の潔白を主張することはもちろん。
娘の嫁の行き先が無くなると弁明する。
玄翠は必死に訴える親と一心不乱に勉強を続ける少女を見比べた。
鷺洲公爵夫妻の顔は夜会で何度も見てきたし、公爵に関しては会議やら何やらで言葉を交えたが残虐なことをするようには思えない人間だ。

「散れ」

「「え?」」
両親はその言葉に思わず声を漏らす。
「貴様らの潔白は信じる。その上で下がれと言っている」
玄翠は顔を上げない麗子をじっとみながら、両親に言い放つと部屋の中の壁に背を預けて麗子が集中力を切らせるまで、待つことにした。
公爵夫妻は娘に危害を与える気のない王子の命令に部屋の外に出ると中を覗き見る。

どのくらい時間がたっただろうか?
「終わったー!!!」
その言葉と同時に彼女は引き出しを開けると引き出しからナイフを取り出し慣れた様子でロープを切る。
そして机の後ろにある小型の冷蔵庫からケーキを取り出すと歩きながら食べだした。
「どこに行く」
執事にでも声をかけられたと思ったのか、麗子はタメ口で「トイレ」と小さく答えるとケーキを食べ終わったと同時に皿をトイレのドアの前に置きその中に入った。

これが玄翠と麗子の出会いであり。
なり染めではない。
なぜなら・・・。
トイレから出た麗子はそのまま気絶し2日間眠りについたからだ。
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