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第二章 素望
12 歯車は壊れてて
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「ピコーン」
聞き慣れない音が鳴った。
寝起きで何が何だか、分からなかったが取り敢えず音の主を探してみると、寝ている間に床に落ちていたスマホからの音だと分かった。
流石に使わなさ過ぎて携帯料金を払っている両親に申し訳ないな。
目をこすりつつ何年かぶりの家族以外とのメールに緊張しながら、画面を開くと東さんからだった。
「空太、来週の火曜日11時から三石公園でクラブやるから来いよな。後、なんかメールして来いよー。俺様寂しかったぞー(笑)」
そうだった、メアドを交換したんだから挨拶ぐらいはしておくべきだった。
ついつい体調にかまけて忘れてしまった。
遅いかもしれないけどみんなにメールしておこう。
とりあえず東さんに返事をした。
「お久しぶりです、挨拶遅れてすみません。是非参加させて頂きます。」
そして皆に一斉送信で挨拶。
「挨拶遅れてすみません。来週の三石公園でのクラブに参加することになりました。楽しみです。宜しくお願いします。」
送って一息もつく間も無くピコーン、と連続して音が鳴る。
皆さんすぐに返事が来たが、結構長文でよくこの短時間で打ち込めたな、と驚いた。
カメ爺は、僕が行かなかった間のクラブでなにがあったか事細かく報告してくれてなんだか、僕も行った気になれるような文章だ。
清水さんは、なかなか誤字脱字が多くて機械が苦手なんだな。
遥さんは、絵文字なども多用していてクールな見た目からは想像がつかないほど明るい。
メールは色々と人間性が出ていて面白いな。
そんな中で特に気になったのは花火さんからのメールでクラブが終わった後に少し話がある、と書いてある。
文章からも不機嫌そうな雰囲気がプンプン伝わって来たので、何か怒られるのではないかと早速不安に駆らる。
どんな用事があるのかとメールで聞いてみたが、返事はない。
益々不安が募る。
メールの内容を見返しながら狭い廊下をとぼとぼと何周も回っているとジャージ姿の兄に出くわした。
珍しい、こんな早い時間に兄が帰ってくることはまずない。
「どうしたの?こんな早い時間に」
「授業が無くなっただけ」
素っ気ない、いつものことだが年頃の兄弟ということを考慮しても素っ気なさすぎる。
「明日は家出るの早いから、何か買ってくるものがあったら今のうちに言ってくれ」
兄は決まって出かける度に僕に買ってくる物を聞いてくれる。
なんでだろう?
「ううん、特にないよ」
「そうか...」
そう言ってサッサと自室に帰っていった。
思い返せば3年ぐらい前から兄の態度は変わっていった。
それまでは度々喧嘩もしていた。
だけど、その代わりに遊んだりもしていた。
なぜこうなってしまったのだろう。
以前のようになりたいと思ってはいるのだがなかなか進展はしない。
僕の家族は歯車が噛み合っていない。
きっと僕のせいなのだろう。
僕の病気のせいで気を使わせているに違いない。
僕という壊れた歯車をいつまでも使っているからみんなもおかしくなってしまう。
ほんとはみんなもっと幸せでいていい人たちなんだ、優しい人たちなんだ。
本当に優しいからこそ僕みないな人間の事で心を砕いてくれている。
僕さえ取り除けば正常に時を刻んでいく。
僕さえいなければ。
僕さえ。
聞き慣れない音が鳴った。
寝起きで何が何だか、分からなかったが取り敢えず音の主を探してみると、寝ている間に床に落ちていたスマホからの音だと分かった。
流石に使わなさ過ぎて携帯料金を払っている両親に申し訳ないな。
目をこすりつつ何年かぶりの家族以外とのメールに緊張しながら、画面を開くと東さんからだった。
「空太、来週の火曜日11時から三石公園でクラブやるから来いよな。後、なんかメールして来いよー。俺様寂しかったぞー(笑)」
そうだった、メアドを交換したんだから挨拶ぐらいはしておくべきだった。
ついつい体調にかまけて忘れてしまった。
遅いかもしれないけどみんなにメールしておこう。
とりあえず東さんに返事をした。
「お久しぶりです、挨拶遅れてすみません。是非参加させて頂きます。」
そして皆に一斉送信で挨拶。
「挨拶遅れてすみません。来週の三石公園でのクラブに参加することになりました。楽しみです。宜しくお願いします。」
送って一息もつく間も無くピコーン、と連続して音が鳴る。
皆さんすぐに返事が来たが、結構長文でよくこの短時間で打ち込めたな、と驚いた。
カメ爺は、僕が行かなかった間のクラブでなにがあったか事細かく報告してくれてなんだか、僕も行った気になれるような文章だ。
清水さんは、なかなか誤字脱字が多くて機械が苦手なんだな。
遥さんは、絵文字なども多用していてクールな見た目からは想像がつかないほど明るい。
メールは色々と人間性が出ていて面白いな。
そんな中で特に気になったのは花火さんからのメールでクラブが終わった後に少し話がある、と書いてある。
文章からも不機嫌そうな雰囲気がプンプン伝わって来たので、何か怒られるのではないかと早速不安に駆らる。
どんな用事があるのかとメールで聞いてみたが、返事はない。
益々不安が募る。
メールの内容を見返しながら狭い廊下をとぼとぼと何周も回っているとジャージ姿の兄に出くわした。
珍しい、こんな早い時間に兄が帰ってくることはまずない。
「どうしたの?こんな早い時間に」
「授業が無くなっただけ」
素っ気ない、いつものことだが年頃の兄弟ということを考慮しても素っ気なさすぎる。
「明日は家出るの早いから、何か買ってくるものがあったら今のうちに言ってくれ」
兄は決まって出かける度に僕に買ってくる物を聞いてくれる。
なんでだろう?
「ううん、特にないよ」
「そうか...」
そう言ってサッサと自室に帰っていった。
思い返せば3年ぐらい前から兄の態度は変わっていった。
それまでは度々喧嘩もしていた。
だけど、その代わりに遊んだりもしていた。
なぜこうなってしまったのだろう。
以前のようになりたいと思ってはいるのだがなかなか進展はしない。
僕の家族は歯車が噛み合っていない。
きっと僕のせいなのだろう。
僕の病気のせいで気を使わせているに違いない。
僕という壊れた歯車をいつまでも使っているからみんなもおかしくなってしまう。
ほんとはみんなもっと幸せでいていい人たちなんだ、優しい人たちなんだ。
本当に優しいからこそ僕みないな人間の事で心を砕いてくれている。
僕さえ取り除けば正常に時を刻んでいく。
僕さえいなければ。
僕さえ。
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