全てが終わったBADEND後の乙女ゲーム転生で反逆いたします

高梨

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嫌がらせから暗殺まで幅広い闇魔法

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 合流したレドビスと、とっ捕まえたメイドさんに案内されるようにして休憩室に連行された。公務に戻る前に少し気分が悪くなったと、レミリスの手八丁口八丁でメイドさんに怪しまれないように雁字搦めに言いくるめてから、パーティーの外に控えていたレドビスに起こったことを言った。すぐに、エヴァ王国の騎士団の方へ話しを通すと、休憩室のベットに無様に寝転がる私を、それは痛ましそうに見て出て行った。そんな中で、眠気もなにもない私はレミリスと話し合いをすることになった。

「闇属性の魔法による【影掴み】でしょう。そのままの意味の魔法で、対象の影を掴んで引っ張るだけの単調な魔法です。嫌がらせから暗殺まで幅広く使われる基本的な闇魔法でございますね」

「この城の兵士闇魔法使える兵士居ないの……。貴族も」

 闇魔法は闇魔法の素質のある物しかその魔力の流れが把握しづらい。レミリスの魔力適性はわからないけど、私が叫ぶまでわからなかったことから、レミリスの魔力適性に闇属性はない。にしても、あれだけの重役の揃う警備が居ながら闇魔法使いの兵士がいないって、凄く致命的だと思う。

「居ないのですから、侵入を許したのでしょう。あるいは買収されたか……。それに、土地柄ゆえ水魔法の適正を持つ者多く、その他の属性が産まれる確率が低い。そうですね、いち早く貴女のお兄さんの奴隷契約でも解除して一緒に行動する方が良いでしょう。契約解除できる奴隷商人の捜索にもう何人か回しましょう」

「ありがとう。なるほどね。嫌がらせ……うーん。殺気がすごかったよ。けど、分かりやすいから警告かな? これ以上大きな動き見せるなっていう」

 私が叫べば一応は闇魔法の暗殺を視野に捜索されるだろう。今回は初回で余り大事にすると、せっかく悪くない印象が悪い方へと進む可能性があるからとどまったのだ。暗殺と言うにはお粗末過ぎるから多分だけど、警告であってると思う。問うように、私の寝ている休憩室のベットに腰掛けるレミリスを見ると微笑んで頷いた。

「でしょうね、大胆さからして革命軍ではなく、貴女のお父上の傘下の貴族の差し金でしょう。ですが二度はありません……。安心してください、私の婚約者ですから下手なことにはさせません」

 安心させるように寝る私の頬を軽く撫でて凛として言うレミリス。この優しさに絆されそうになるけれど、グッと崖下で堪えて、むっと頬を膨らまして睨む。

「ノープラン演説は下手なことに入んないの? あと、仮はどこ行ったし」

「撤回したではありませんか。私とカペルリットのどちらを選んでくださるのでしょうね。一応は貴女の好きなように致しますが」

「なんでそこで、カペルキュ、君が!?」

 急に登場したカペル君に慌てて噛んでしまった。照れているのか恥ずかしいのかわからずに、頬に熱が貯まるように熱くなる。熱したガラスを両頬に当てられているように熱くなって目が泳ぐ。その光景にクスクスと左手の甲を口元に当てて笑うレミリス。

「おや、脈ありとは妬けてしまいます。私も励まねば」

「ちょっと! レドビスが行っちゃったのを良いことに覆い被さるなぁぁぁぁ!!!」

「思ったよりも、大丈夫なようですね。無理はせずに」

「あ、はい? はい!?」

 妬けると言いながら私に覆い被さるレミリス。腰の抜けた病人相手にからかう目的でも覆い被さる鬼畜さ。私は精一杯叫んで応戦しようとしたら。クスリと目元を優しくして微笑んですぐに退いた。呆気に取られる中で立ち上がってどこか行こうとするレミリスに、一抹の不安がよぎる。よぎったのはわかったのだが、自分の腕は無意識に立ち上がろうとするレミリスの裾を掴んでいた。自分で自分のしていた行動がわからずに、プルプル震えて顔が熱くなってゆく。

「やはり、貴女は押して引いた方が素直ですね」

 最後の押しとばかりにクスリと笑い悪戯っ子が悪戯に成功したように、悪い顔で笑った。

「……性格悪い」

「よく言われます」

 軽やかに笑って裾を握る私の手を解いて、から座り治してその腕を握ってくる。じんわりと熱を持つレミリスの手が、思ったよりも冷えてた腕に染み渡る。せめてと、憎らしげにレミリスを睨んだが、どこ吹く風で愉快そうに……でも、彼の頬も若干赤く色づいていて……笑っていた。






 
 その後に迎えに来たレドビスとかき集めた闇魔法の使える魔法使いや騎士を連れて部屋まで戻った。殺され欠けようが一夜のおやすみの後に容赦なくおはようと共に仕事が舞い込んでくる。起きて支度をして国王の執務室……主に税金や土地やらの申請書や法案改正などの書類だ。朝の7時から開始して午後の3時に差し掛かる頃……ようやく終わりが見えてきた。執務室の中で同じように呪われたジェスチャー使い……じゃなかった、宰相のナザルカラクとカペル君と私含めて三人のお世話をする、ヌファンとソーラという体勢で執務を行っていた。

「思ったよりも手際が良いですよ。リエル様」

「知らない親戚の手紙も役に立つもんだね~。書類にサインくらいだったらあと30枚はいけそう」

 前国王が討たれて居なかったこともあり、いろいろな問題の書類が沢山ある。コツコツと名前を書いたり要約をしたりして、終わりが見えるようになったのは午後の三時頃だが、ナザルカラクから見ると驚異的なスピードらしい、背伸びをして書類の塔だった物をみて、感嘆するように言った。私はそれに気分を良くして……30枚は行けるだなんて宣わったせいで、傍を控えていたヌファンのメガネがキラリと光った。

「そうですか、ならばエヴァ王国に届きました手紙の処理もその後お願い致します」

「え゛? エヴァ王国にまで手紙届いてるの」

 踏まれたカエルのような汚い発音とともに、いつの間にか目の前まで来たヌファンの片手には束になった手紙の束が右手にがっしりと掴まれている。見るだけでその重圧が凄くて、なんか涙が溢れてきそうになった。

「ええ、私とソーラで数えまして、昨日の今日で47通来ております」

「おう……」

 私の書類のタワーの上にポンと乗せられた手紙の束。見えそうだった終わりがいとも容易く打ち砕かれて、目が回りそうになった。背伸びをしてから、このタワーに載せられた手紙の束を恨めしげに見つめた。

「我が君、書類の方でしたら半分僕の方に回してください。後の現地視察と騎士団の視察までにはどうにか纏めないといけないですし」

「ありがとう……お兄ちゃん。大好き」

 そう、私は現地の視察も後に控えているのだ。私の目標はあくまでも反逆だ。相手に悟られぬように革命軍によりも迅速に、戦力を纏めてこの国を立て直さないと行けないのだ。そのためには土地や現在の騎士団や魔法団の質向上も平行してやって様子を見なければならない。
 下手にゆっくりやっていたら、お隣のワジェライ共和国だった国も反旗を翻すつもりで動いているそうで。その手始めにエヴァ王国が狙われるかも知れないのだ。というか、狙われる確率が高い。恨めしいくも向き合わないと行けない書類に泣きそうになりつつも手を動かすと。カペル君が半分もやってくれると言ってくれたのだ……嬉しくて笑ってお礼を言うと、顔を真っ赤にして嬉しそうにカペル君ははにかんだ。

「我が君! もう少しですから頑張りましょう」

「はーい。えい、えい、オー!!!」

「オー?」「オー!!」「……」「?」

 私がかけ声と共に天に拳を突き上げると、ソーラはノリノリで私と同じように拳を突き上げ、カペル君は何だろうと思いながら付き合ってくれて。ヌファンは何も言わずに天に拳を突き上げた。一人取り残されたナザルカラクは、遅れてゆるゆると拳を天に突き出して「お、う?」と遠慮がちに言った。

 コレが終わったら……早速視察だぁぁ……休ませてぇぇぇ。



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