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18.クロード
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体重が少しだけ増えて目の下のクマも綺麗に取れた頃、シャーラ様はやっと私がメイドとして働くことを許してくれた。本当はもう少し休ませたかったみたいだけれど、私が何度も頼み込んだ。
何もしていない時間があると、セレスタンや彼の両親のことばかり考えてしまう。だから気を紛らわせるためにも、体を動かしたいと思った。
掃除、洗濯、食事の準備。全部毎日やっていたことばかりで、おかげですぐに慣れた。
ただ何度もミリルさんに「休憩なさってください。そんなに働き続けていたら、また倒れてしまいますよ」と注意されてしまったけれど。
以前はいくら頑張っても、まだ汚れが残っている、料理の味が悪いと怒られてばかりだった。「よくやった」、「失敗したなら、次は成功すればいいだけだ」と言ってくれたのはセレスタンだけで。
なのにこの別荘にいる人たちは、みんな私を褒めて気を遣ってくれる。休憩時間も使用人たちとお菓子を食べたり、トランプで遊んだり。時々その中にシャーラ様が混ざることもあったり。
エレナからの手紙も届けてもらっている。捜索隊が私を探しにエレナの家にやって来たので、料理を作ってご馳走してあげたら喜ばれたのだとか。
とっても楽しくて、面白くて……幸せすぎて怖くなる。
セレスタンとの結婚生活よりも、充実していると思ってしまうから。
もしセレスタンが今の私を目にしたら怒るかもしれない。二人で頑張っていこうと決めたのに、一人で逃げてしまったのだから。
ある程度心が落ち着いて色々考えてみたけれど、やっぱり私は今でもセレスタンを愛している。お義母様やお義父様、神官たちのことは怖い。だけどいつかそれもちゃんと解決したらセレスタンと向き合いたい。許してもらえないとしても、色々なことを謝りたいと思っている。
「庭仕事ぉ? それって本来メイドがやる仕事じゃないんだけど……でもあなたがやりたいっていうなら、止めはしないわよ」
「ありがとうございます」
シャーラ様に頼んで、庭園の手入れもさせてもらうことになった。
お義母様に命じられてやっていた仕事だったけれど、花の神の神官は幼い頃から花に触れる習慣があるから苦ではなかった。
無理はしないようにとシャーラ様に何度も言いつけられてから屋敷を出る。涼しげな風が私の頬を撫でた。
何をすればいいかはクロードさんに聞くように言われている。クロードさんは……見つけた。花壇に水を撒いている彼へと近づく。
「…………?」
私に気づいたクロードさんが、不思議そうに私を見る。
「アンリエッタと申します。本日から私にも庭園の手入れをさせていただくことになりました」
「…………」
返事がなく、真顔でずっと見詰めるばかり。身長差があるからか威圧感もすごい。足手纏いと思われてしまったかも……。
「し、失礼しました。今の話はなかったことに……」
言い終わらないうちに、クロードさんに如雨露を差し出された。
「クロードさん?」
「…………」
「…………」
「……水やりをお願いします」
「は、はい」
低くて野太い。けれど心地の良い声だった。
何もしていない時間があると、セレスタンや彼の両親のことばかり考えてしまう。だから気を紛らわせるためにも、体を動かしたいと思った。
掃除、洗濯、食事の準備。全部毎日やっていたことばかりで、おかげですぐに慣れた。
ただ何度もミリルさんに「休憩なさってください。そんなに働き続けていたら、また倒れてしまいますよ」と注意されてしまったけれど。
以前はいくら頑張っても、まだ汚れが残っている、料理の味が悪いと怒られてばかりだった。「よくやった」、「失敗したなら、次は成功すればいいだけだ」と言ってくれたのはセレスタンだけで。
なのにこの別荘にいる人たちは、みんな私を褒めて気を遣ってくれる。休憩時間も使用人たちとお菓子を食べたり、トランプで遊んだり。時々その中にシャーラ様が混ざることもあったり。
エレナからの手紙も届けてもらっている。捜索隊が私を探しにエレナの家にやって来たので、料理を作ってご馳走してあげたら喜ばれたのだとか。
とっても楽しくて、面白くて……幸せすぎて怖くなる。
セレスタンとの結婚生活よりも、充実していると思ってしまうから。
もしセレスタンが今の私を目にしたら怒るかもしれない。二人で頑張っていこうと決めたのに、一人で逃げてしまったのだから。
ある程度心が落ち着いて色々考えてみたけれど、やっぱり私は今でもセレスタンを愛している。お義母様やお義父様、神官たちのことは怖い。だけどいつかそれもちゃんと解決したらセレスタンと向き合いたい。許してもらえないとしても、色々なことを謝りたいと思っている。
「庭仕事ぉ? それって本来メイドがやる仕事じゃないんだけど……でもあなたがやりたいっていうなら、止めはしないわよ」
「ありがとうございます」
シャーラ様に頼んで、庭園の手入れもさせてもらうことになった。
お義母様に命じられてやっていた仕事だったけれど、花の神の神官は幼い頃から花に触れる習慣があるから苦ではなかった。
無理はしないようにとシャーラ様に何度も言いつけられてから屋敷を出る。涼しげな風が私の頬を撫でた。
何をすればいいかはクロードさんに聞くように言われている。クロードさんは……見つけた。花壇に水を撒いている彼へと近づく。
「…………?」
私に気づいたクロードさんが、不思議そうに私を見る。
「アンリエッタと申します。本日から私にも庭園の手入れをさせていただくことになりました」
「…………」
返事がなく、真顔でずっと見詰めるばかり。身長差があるからか威圧感もすごい。足手纏いと思われてしまったかも……。
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言い終わらないうちに、クロードさんに如雨露を差し出された。
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「…………」
「…………」
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「は、はい」
低くて野太い。けれど心地の良い声だった。
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