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第一話 始まりの一織り
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倒しても、倒しても、まるで無限に続くように兵士が襲いかかってくる。一人を斬れば、別の方向から飛び出してくる。距離を取ろうとしても、進行方向から敵が出てくる。無理矢理斬り進み、ザードはいつの間にか城の外の林まで来ていた。
「はぁっ…はぁっ…ヒルデ!生きてるか!?」
「大丈夫…ザードこそ息あがってて…まだ戦える?」
「なめんな!俺様を誰だと思ってやがる!」
「…うん、大丈夫だよね」
ザードとヒルデ、お互いに掛け合いつつ一瞬の休息をとった。林の中は戦いの最中を忘れさせる位、静かな風が流れ、汗ばんだ体を癒してくれる。遠くの戦いの音がまるで別世界のように感じられ、このまま座って眠りたくなってしまう。
ヒルデもそれは同様のようで、弾んだ息と青い髪をかき上げて空を見上げている。ザードはそんな彼女の凛とした顔を見つめると、不謹慎にも胸が熱くなってしまった。
「…この戦いが終わったら」
ザードは無意識にポツリと呟いた。
「俺の女になれよ」
──その瞬間に草むらから飛び出してきた兵士をあしらい、ヒルデは苦笑を浮かべた。
「まだ子供のくせに」
林を少し歩くと、開けた場所に出た。しかし、ヒルデは表情を曇らせた。
開けた場所…と言えば聞こえはいいが、言い方を変えれば"遮蔽物がない"という事だ。林の中ならば遮蔽物もあり身を隠せる上、草をかき分ける音で敵の場所が分かる。それは敵も同じだが、少人数の場合開けた場所よりは安全だ。
ヒルデは空と林を交互に見て言った。
「…ヤバいわね…雨が降る前に誰かと合流しなくちゃ」
闇雲に進み、二人だけで城を離れた事が悔やまれる。空の雲は更に厚くなり、今にも大粒の雨が降りだしそうだった。
「林の敵は一掃したと思うから、一旦城に戻りましょ」
「そうだな……こんな開けた場所で大勢に囲まれたら一堪りもねぇ」
ヒルデの言葉にザードも素直に頷いた。周りを警戒しつつ、二人は踵を返した──その刹那
「ヒルデ!」
草むらから弓矢が飛んで来るとザードはヒルデを突き飛ばした。
弓矢は螺旋状に回り、庇ったザードの肩を深々と抉る。ヒルデの足元に鮮血が飛び散った。
「ザード!」
「っ……大した事…ない。それより敵だ!」
ザードは弓矢を苦しげに引き抜き、よろけながらも剣を構える。ヒルデも二つの剣を持つ手に力を込めると、周りを何十という敵兵に囲まれている事に気付いた。
「ザード」
「…ああ」
二人は同時に頷いた。
『武の国ホドの名において…反逆する全てを滅する!』
雨粒が一滴地面に落ちた──
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ザードは無意識にポツリと呟いた。
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──その瞬間に草むらから飛び出してきた兵士をあしらい、ヒルデは苦笑を浮かべた。
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開けた場所…と言えば聞こえはいいが、言い方を変えれば"遮蔽物がない"という事だ。林の中ならば遮蔽物もあり身を隠せる上、草をかき分ける音で敵の場所が分かる。それは敵も同じだが、少人数の場合開けた場所よりは安全だ。
ヒルデは空と林を交互に見て言った。
「…ヤバいわね…雨が降る前に誰かと合流しなくちゃ」
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「ザード!」
「っ……大した事…ない。それより敵だ!」
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二人は同時に頷いた。
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