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やっぱりファンタジー世界と言ったら…

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さて、15歳の誕生日を迎え1ヶ月後には学園入学を控えた俺だが、今日はずっとやりたかったことをやろうと思っている。昨日やっと父の許可を得たのだ!


ーーーそうっ、冒険者登録だ!!!


冒険者と言うのは、まあファンタジー大好き皆さんはもうすでにご存知だろうが、一応説明を入れておこう。


冒険者とは、自分の実力に見合った依頼を受け、その依頼に見合った報酬がでるという実力主義の職業だ。ぶっちゃけ、簡単に言うと報酬次第でなんでもやる、何でも屋だ。

また、依頼は冒険者でなくともできるが、それに見合った報酬を用意しないと受ける人は現れないので注意が必要だ。
依頼は魔物討伐、素材の採取、納品。護衛、配達etc……。


冒険者にはランクがあり、最初はFからスタートで、
F、E、D、C、B、A、Sと言う順になっている。確か、この国にSランクの人は6人ほどしかいないと聞いている。

依頼はギルドがランク付けしていて、自分のランクとそれ以下のランクの依頼を受けることができる。報酬もランクにより変化するので、ランクは冒険者にとって重要なものになっている。


冒険者のほとんどは平民であるが、俺のように貴族の三男であったり爵位の継げない貴族などがなることもある。しかし、そういった人々は冒険者になるなら騎士になるのが普通だ。だが、学生で自分の実力をつけたり、小銭を稼ぎたいという人が期間限定で冒険者業をやっていることがある。なので案外俺のような人も少なくない。


別に俺はそのどちらにも当てはまらないが、まあこの世界に来たからには、冒険者登録をしてみたいと思っていたし、そして何より…


俺の初めてをもらってくれる、イイ男を探さなくてはならないッ!!!目指せ脱童貞!!そのためには、いろんな人を見て回らねば。

もうっ…ヤれるって考えただけで、下半身と脳が滾ってくる…!はあっ…はあっ…


ーーまあ、それなりに冒険者を体験してみつつ、イイ相手を探すって目的で今日は行こうと思う。


















ーーーはい!やってきました!!
ただ今、冒険者ギルド前でございます。

今いる冒険者ギルドは王都の大通りにあり、それなりに大きな建物であるため、よく目立つ。

そして、ここの近くなっていくたびに、周りには剣や弓、盾、杖など、いかにもいかにも冒険者といった感じの人たちが増えてくる。男の人の方が多いが、女の人もちらほらと伺える。

まだぱっと見ではあるが、すごいタイプと呼べるような人は見つかっていない。まあ、今日は初日なので別に相手を決める必要はないと思っている。良い人が見つからなかった場合は場合で、冒険者初日を楽しもう。

ちなみに、俺の装備は背中に小さめの弓をこさえて、腰に帯剣している。そして、フード付きのローブを着ている。

俺は弓の方が得意なので基本は弓で戦い、接近されたら剣を抜こうと思ってる。魔法の方が絶対的に得意ではあるが、危険だなーと感じたら魔法を使う。そういうスタイルでいこうと考えてる。

俺は一応侯爵家という貴族の子息でもあるので、少しは剣術や弓術も習ったことがある。俺は少し筋肉が付きにくい体質なのか、あまり上達はしなかった。決して運動神経が悪いわけではない。少し戦うくらいはできるだろうと講師の先生に言われている。

まあ、今日は初日だし魔物と戦うようなことはないだろう。
…ぐふふっ、剣を使うのと俺の聖剣を使うのと、どちらが早いかな……。

とまあ、色々なことを考えつつも、俺は冒険者ギルドの中へと入っていった。










冒険者ギルドの中は広く、まだ朝な為か、たくさんの人がいた。人々は、どの依頼を受けるのか仲間と相談したり、依頼が貼られている掲示板と睨めっこをしている。

俺は、そんな人たちを流し目で好みの相手を探しつつ、まっすぐとカウンターへと向かった。
っく、まだタイプと言えるほどの人はいないか…!!

受付はやはり少し混んでいて、少しならんだ後、俺の順番が来た。


「おはようございます!
本日はどういったご用件でしょうか?」

「おはようございます。今日は、冒険者登録をしに来ました。」

「はじめての方ですね、かしこまりました!では、こちらの用紙にお名前と年齢、主に使われる武器や魔法などを簡単でいいのでお書きください。スキルは書かかなくとも、問題ございません。」

「はい、わかりました。」


名前は、テオドア・フロレンツっと……。で~、ツヤツヤピカピカ15歳。主にに使うのは、弓。サブで剣、魔法も少し使えますっと~。スキルは、書かない…。うん、こんな感じでオッケーかな。

俺は、朝だから元気が有り余っているのか、ややテンションの高い受付のお姉さんに紙を渡した。


「はい!承りました!では、簡単にですが、当ギルドと職務内容、注意事項についてご説明させていただきますね!」


そこから、受付さんから簡単な説明と注意事項を受けた。


「…………説明は以上になります。ご質問はありますか?」

「いえ、ありません。説明ありがとうございます。」


俺は人当たりの良い外向け用のキャラでニコニコと対応する。

俺みたいな脳内に大きな欲望を抱えている人間は、外と内を上手に使い分けることができる。長年、自分の欲望を感づかれないように生きているためか、外と内でキャラが分離してしまうのだ。

俺はだてに前世から脳内をパラダイスしているわけではないので、表情筋から動作まで意のままに操れる能力を常備している!!!

どうだ!俺は家族の前でもなんでも、少し世間知らずで天然なところのあるいい子ちゃんと言う設定で生きている!そんな俺を相手にしたら、だんだん絆されて相手のガードもお尻も緩くなりやすくなるだろうな!!

という、作戦だ。我ながら素晴らしい………。


「…あっ…は、はいっ!こちらこそっ!!!」


(ーーあっやべ、会話中だったの忘れてた。)

受付さんは、どもってしまったのが恥ずかしかったのか顔を赤くしていた。そして気を取り直し、一つ咳払いをしてまた話し始めた。


「では改めて、ようこそ!冒険者ギルドへ!
本日は、依頼を受けていかれますか?」

「はい、受けようと思っています。」

「かしこまりました。はじめての依頼ということで、ほとんどの方は薬草採取へ行かれたり、先輩冒険者の荷物持ちなどを行なわれる方がいますが、ご希望はありますか?」

「うーんと…そうですね…。お姉さんのお勧めはありますか?」

「…うッ……はっはい!私としては、初心者冒険者さんはベテラン先輩冒険者の指導のもと、一緒に簡単な依頼を受けたりして、指導を受けてもらったりすることが最も好ましいのですが……そうですね…えっと、今暇そうで指導を引き受けてくれそうな人……



…!!


ーーあっ!ちょうどいいところに!!!
サセルさん、サセルさん!!ちょっとこっち来てください!!!」


受付さんは考えこんでいたところ、誰かを見つけたのか、手でこっちへ招いている。俺も手招いた方へと向きを変え、受付さんに呼ばれている人を探した。

来た時とは、人が少し入れ替わっており先程は見かけなかった人がちらほらといた。
そして、俺はその中で特に目を引く人物を見つけた。

そこには、背が高く服の上からでも筋肉ががっしりとついていることが窺える、大男がいた。その男は、少し目つきが悪く無愛想な表情を浮かべていた。

ーーおおおっ、良い!良いぞ!素晴らしき筋肉!
あの野性味があって雄って感じがたまんない…!

ふお~良い人見つけちゃった~~!!




………ん?あの人こっち見てね?
うおっ、しかも来る!!え?まじ?

もしかして、この人が………


「サセルさん!!早く早く!!!!」

「チッ………。なんですか?アネットさん。こんな朝っぱらから。うるさいんで、もうちょっと静かに呼んでください。

…で、なんの用ですか?」



……………………。



………うっはあ~~~!!!キターーーーー!!
キタコレ!!やっぱり俺に運はついている!!!
よっしゃあああああ!!うおおおお!!
……やっぱり、近くで見るとより魅力的だ!!!

近づくとその男が大きいのがなおよく分かる。そして、その口調や態度の粗暴さがより、その男としての魅力を引き揚げている。

ああっ、ちょっと荒々しい感じもたまんね~~!

受付さんとサセルさんと呼ばれていた男は何やら話し始めたが、俺はその隙にすぐさま「透視」のスキルを作動し、サセルさんの服を透かした。
もう、俺には全裸で立っているようにしか見えない!!イイ体しか見えない!

うん!!思った通り素晴らしい肉体だ!!!

体が引き締まり無駄なところなど少しも見られない。そして、身体中を厚い筋肉で覆われている。体には傷痕がたくさんあり、これまでかなりの戦闘を行なってきたということが窺える。

ああっ…乳首がちっちゃく見える…
可愛い……。

体が大きいので、その筋肉の中にある二つの突起がとても小さく見える。体とのギャップになってめちゃめちゃ可愛いらしい。さらに、胸板が厚く筋肉でこんもりと盛り上がっていて、まさにおっぱいさながらである。いや、雄っぱいである。

っはあ…はあ…
ーーーエロすぎる…。

生雄っぱい、リアル雄っぱいは童貞には過激すぎる……!!しかも、それが…目の前にッ……!
う゛っ…しゃぶりたい…
舐めまわしたい…
揉みしだきたいっ!
貪りたいっっ!!!
ああ~、まじでやばい…………。

興奮で鼻血が出そう。


俺はなんとか鼻血がでるのと自分の分身が元気に起立しそうになるのを抑えた。


くそっ、こんなに早く良い人が見つかると思わななくて今日は緩めのズボンを履いてきてしまった…!これでは、勃起したら即バレじゃないか!
朝その選択をした俺を殴りたい!

だけどこんな公の場で、しかも冒険者初日に息子を元気にしてたなんて知られたら…俺はもうここには来れない……!!!

俺はもう…それはそれは必死に我慢した。

ーーーっていうか、こういうのは、俺が相手にさせるものだろッ!
人目がある場所で顔が赤くなり涙目になりながらも、必死に我慢させる…
そういうシチュエーション、大好きです!!!!




違うじゃん!俺じゃないよ!俺じゃないんだよ!


ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ッッ!!
はっ、あ゛あ゛あ゛ああぁ~
おさえ゛だ!!!やり切っだ!!
なんとか、公開処刑は免れたぞ、俺よ!!


俺は、頭の中の俺がドンチャンピーヒャラしてるのを取り押さえ、なんとか二人の会話に意識を戻した。

ーーちなみに俺には15年間、毎日の妄想に鍛えられた「思考加速」というスキルがあるので、さっきみたいな脳内宴会も体感時間にしてみれば、一瞬の出来事だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~小話~
(あああああぁぁっ…やばい。治らないぞ…!!はあっはあっ…よよよ、よし、違うことを考えるんだ。えーと…素数…。は、ちょっと今無理そうだ。うーんと、萎えそうな話、エピソード…。

ーーあっ、そうだ。えっとあれは前に俺が会社の先輩に無理やりバーに連れて行かれて…

先輩、酔いが回るのが早くて、早々に出来上がって騒いでるのを、俺は酒をちびちびと飲みながら見てた時だ。で、俺がカウンターに座ってたら、いきなり金持ちそうな酔っぱらったマダムが俺の隣へ座ってきた。そして、なんとそのマダムは俺の太腿をゴツい指輪をつけた手でさすりながら、俺に話しかけたんだよ。
「いい男…今夜は空いてる…?」
ってね。俺はあの時本当に人間やめるかもって感じで鳥肌が立った。ゲイの俺に初対面の女性が、股間の近くの太腿をすりすりされて…

……俺がその時のことを鮮明に思い出していたら、なんだか興奮も冷めてきた。
ああっ、今でも鳥肌が立ちそう…!)

俺はあまりにも嫌なことを思い出してしまい、俺の分身はいつもの柔らかさを取り戻した。


変態のテオドアがいかにして、興奮を治めたかというエピソードでした。
今回の話も説明が多くなってしまいました。
ここまで、読んでくださりありがとうございます。

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