菓子と魔王と甘き恋

蒼葉縁

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私は人より第六感全てが鋭く飛び抜けて良かった
だからなのか
人の心も嘘も何もかもが分かってしまった
人はいつも嘘に塗れている
いつしかそう思うようになった
まぁ、確かに人は嘘をつくもの
ついて良い嘘とついてはいけない嘘くらいある
だが
私の両親は違った
母は泣いていたが言葉は嘘で
「ごめんなさい、もうしません」
と言う割にはバレないかと鼓動は大きく跳ねている
「分かった」
そう父と呼ばれその人は微笑んでいるが目は笑っていない
私はそれを目の当たりにして思った
両親は両親でないと
矛盾しているが本当にそうだ
母らしさ
父らしさ
それが見当たらないのだ
この二人には
私がまだ小学生高学年の頃、やはり二人は離婚した
私は育てられないと二人に捨てられる
そんな幼少期
施設では割と穏便に過ごしていた
虐めなど下らない
それに
それをする奴らなどいないからだ
それ以前に私は人が嫌いだから近寄ることもしない
そんな孤独な私に院長がくれた一冊の大きな分厚いスイーツの本と出会った
その出会いこそ、私を変えてくれたものである
作ってみたい
素直に思い、作ってみたのはバニラクッキー
匂いに連れられた子供たち
私は静かにお皿に乗せてその場を去った
だが
お皿の上には山盛りのバニラクッキー
子供たちは美味しそうに食べている
何故か
それがとても幸せだった
人嫌いの筈が人の笑顔には嫌悪感はしない
私は度々お菓子を作るようになった
嫌ではないし、寧ろしたい
そう思える
私は中学生になりたての頃は学校に行く事も嫌がった
行きたくないと首を振る
だが
院長はそれを許してはくれなかった
渋々、入学式に出る
院長は後ろで満足そうに見ていた
ぐったりとしながら施設に帰る
ベットに倒れると太陽の匂いがした
私には似合わない
そんな匂い
それが私の幼少期の話
今では高校一年生
やっと義務教育が終わったかと思えば結局院長の計らいで学園生活を過ごすことになる
私は静かに溜息を吐いたのだった
高校は霞原高校
他よりも頭がいいらしい
全く興味はない
何故なら
なんとなく書いたプリントで受かったからだ
私は欠伸をしながらピアスに触れる
触れたピアスの全ては院長が昔つけていた又は買ったものだった
祝いとしてくれたのは良いが開けるのには苦労する
現在両耳と舌を合わせれば十七個以上は開いているのだ
一見不良だが、不良なのかもしれない
特待生と言われるのか知らないが特別扱いはされる
そう言うことをする学校らしい
私はその中で一位を取った
ヘッドホンを片耳ずらして音を拾う
「ふーん‥クラスは一年B組ね」
何故分かったかと言えば約五メートル先の紙に書いてあるから
そして
先生の声がそれを言っていたからだ
「さて、どうしたものか」
私は一人そう青く澄んでいる空へと呟いた
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