最強ですが、問題あるか?

月の蛍

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番犬としての学びを終えた直後、一通の手紙が私の家にやって来た
それは私宛で、すぐ依頼だと察する
「零月家?」
送り名は零月家と書いてあった
私は両親にその名前を言うと、両親は吃驚して固まっている
どうやら、この国で二番目に偉い家らしい
私は正装に着替え、零月家を目指した
車の免許は取っているので、運転している
「此処ですか」
私は高校卒業と同時に敬語に直した
私は車を案内された車庫へ入れる
そこから歩いて数分の門の前に立つ
「失礼ながら、零月家の屋敷で間違い無いでしょうか?」
「はい、もしかして番犬かしら?」
インターホンの奥から聞こえる女性の言葉に頷くと、女性は私に少し待てと言いインターホンを切った
私は静かに、門の前に立ったままでいる
すると、門がゆっくり開き私を迎え入れた
私は深々と一礼して、中へ入る
私が中へ入ると、門は閉まった
「貴方が番犬の八神ルトさんね」
「はい、依頼主の零月凪様ですか?」
私は依頼主の零月様に微笑むと、零月様は私をじっと見つめる
私の顔に何かついているのだろうか?
「えぇ、そうよ」
「左様ですか」
頷く零月様に私は深々と頭を下げる
「これから宜しくお願いします」
「えぇ、宜しく」
零月様は私に微笑むと、頭を下げた
「実は、依頼主は私ではなくこの子なの」
「この子?」
私は零月様の後ろへ続いて屋敷の中へ入る
屋敷の奥から、二人分の足音がした
零月様は、クスリと笑うと私の方を向く
「この子達よ」
「母さん!来たの!?」
「母さん、まだ?」
零月様の元へ来たのは、私と同じくらいの歳の双子の男性達だった
零月様の元へいた双子の男性達は私を見ると目を輝かせる
「本物の耳!?」
「魔法は使える?」
零月様を見ると、困った様に笑われた
「凛、憐、挨拶しなさい」
「「はーい」」
双子の兄、零月凛様と双子の弟、零月憐様は私に挨拶をすると、私の耳と尻尾を見つめる
「触られるのはあまり好きではありませんので、すみません」
「えー、残念」
「ね」
零月様は私に依頼したのは、この凛様と憐様がどうしてもと言ったからだと知った
しかし、私は理解している
ただどうしてもいう理由で私は雇われるわけないと
「本題は、何でしょう」
「流石ね、あの子達よく狙われるのよ」
零月様は困った様に切なそうに微笑んだ
私は顎に手を当て、遊んでいる双子を見つめる
「分かりました、その依頼受けましょう」
「ありがとう」
私は静かに席を立つと、双子の元へ走った
そして、双子の前に立つ
「っ!?」
「「な!?」」
「流石に毒矢は危ないですね」
零月様と双子は目を見開いて驚いていた
何故なら、私は素手で毒矢を掴んでいたから
私はクルクルと毒矢を回して、それを来た方向へ飛ばす
「飛ばした主へ刺され」
そう魔法をかけて、私は素手を見つめる
「す、凄い!!!!」
「流石だね!」
「凛、憐、無事でよかった」
零月様はへたへたと座り込む
私は零月様の元へ行き、そっと膝をつく
「零月様、どうか私に命令を」
「え?」
私は番犬
依頼主の命令ではないと、仕事ができない
零月様は、私に命令を下した
それは、双子の命を守ること
そして、依頼主を双子にすること
私は静かに閉じていた目を開き、微笑む
「御意」
私は静かに目を見開いて驚いている双子の方を向く
双子は私に微笑むと
「宜しくね」
「宜しく」
そう言った
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