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アルガード様とお付き合いをすることになり早くも二日が経つ
私は本当の姿を知られてソワソワしてしまう日々の中、アルガード様はからかってくる
「今日はあの姿ではないのだな」
クスクスと笑いながらアルガード様は私の頭を撫でた
「アルガード様!止めてください!」
私はその手を優しく降ろしては叱る
でもアルガード様が笑っているのが嬉しいのだ
「ふふ、またやってるわね」
メイドさん方ものほほんとしている
私達の関係を皆さんに伝えたところ
王は泣き
王子方兄弟は微笑んでいた
「おめでとう」
そう祝福してくれた
何故、私がまだ執事をやっているのかと言えば恋人とは言えど使用人としての誇りを完全に捨てていたわけではないからである
アルガード様も分かってくれたので良かった
ただ一つ気になることがある
それはイルファ様のことについてだ
最近会わないから分からないが、何か嫌な予感がする
私は溜息を吐きながら、アルガード様の部屋へと向かう
その時、私はアルガード様の部屋から伸びてきた手に抗うことができなかった
カツンと私の靴だけが一足残って私の姿が消える
「!?」
ドサリと私は床に下ろされた
私は身構えるが私の目に映るのは
「イルファ様?」
イルファ様の姿だった
彼は静かに私を見下ろしている
それが少し怖い
「何の御用でしょうか?屋敷に帰ります」
立ち上がろうとするがふらつく
この匂い………
「甘い………っ!?」
この匂いは睡眠薬の匂い
「あら、気が付かなかったの?」
ぐらつく視界
ドサリと支えるように抱き締められる
「な、にを」
「貴方は私のものよ、決して渡さないわ」
その言葉を最後に私の目は閉じて
私の意識さえ微睡に消えた
ーイルファ
すやすやと眠る彼女の頬を撫でる
美しくてキメが細かい肌
私はクスリと微笑んだ
「貴方は私のよ」
そう言い聞かせるように呟く
が
水晶に映る彼は微笑みなど消えてこちらを睨んでいた
「あら、ばれたわね」
声だけが届くようにする
「貴様!返してもらおうか!」
珍しく怒っている彼に笑ってしまう
「ふふ!嫌よ」
はっきりと低く言うと彼は唸り上げる
メイド達も王族の皆も集まって来た
私はそっと水晶に手をかざし、彼らの姿を消す
「ん、」
彼女が寝返りを打ち、何か嫌な夢を見ているのだろう
私はそっと近いて彼女の頭を撫でる
「大丈夫よ、私がいるわ」
彼女の顔が穏やかになった
私はニヤリと笑う
「俺のものにしたい」
男の私でも女の私でもたとえ嫌われても
貴方は私のものよ
そっと彼女を檻の中に入れる
ただの檻じゃ無い
可愛いものもある
彼女にぴったりなものが、ね
「さぁ、私は用事を済ませるわ」
彼女の頬に口付けを落として
私はじっと扉を見つめ閉めた
カツンとヒールの音が鳴る
その音はやがて消えたのだった
私は本当の姿を知られてソワソワしてしまう日々の中、アルガード様はからかってくる
「今日はあの姿ではないのだな」
クスクスと笑いながらアルガード様は私の頭を撫でた
「アルガード様!止めてください!」
私はその手を優しく降ろしては叱る
でもアルガード様が笑っているのが嬉しいのだ
「ふふ、またやってるわね」
メイドさん方ものほほんとしている
私達の関係を皆さんに伝えたところ
王は泣き
王子方兄弟は微笑んでいた
「おめでとう」
そう祝福してくれた
何故、私がまだ執事をやっているのかと言えば恋人とは言えど使用人としての誇りを完全に捨てていたわけではないからである
アルガード様も分かってくれたので良かった
ただ一つ気になることがある
それはイルファ様のことについてだ
最近会わないから分からないが、何か嫌な予感がする
私は溜息を吐きながら、アルガード様の部屋へと向かう
その時、私はアルガード様の部屋から伸びてきた手に抗うことができなかった
カツンと私の靴だけが一足残って私の姿が消える
「!?」
ドサリと私は床に下ろされた
私は身構えるが私の目に映るのは
「イルファ様?」
イルファ様の姿だった
彼は静かに私を見下ろしている
それが少し怖い
「何の御用でしょうか?屋敷に帰ります」
立ち上がろうとするがふらつく
この匂い………
「甘い………っ!?」
この匂いは睡眠薬の匂い
「あら、気が付かなかったの?」
ぐらつく視界
ドサリと支えるように抱き締められる
「な、にを」
「貴方は私のものよ、決して渡さないわ」
その言葉を最後に私の目は閉じて
私の意識さえ微睡に消えた
ーイルファ
すやすやと眠る彼女の頬を撫でる
美しくてキメが細かい肌
私はクスリと微笑んだ
「貴方は私のよ」
そう言い聞かせるように呟く
が
水晶に映る彼は微笑みなど消えてこちらを睨んでいた
「あら、ばれたわね」
声だけが届くようにする
「貴様!返してもらおうか!」
珍しく怒っている彼に笑ってしまう
「ふふ!嫌よ」
はっきりと低く言うと彼は唸り上げる
メイド達も王族の皆も集まって来た
私はそっと水晶に手をかざし、彼らの姿を消す
「ん、」
彼女が寝返りを打ち、何か嫌な夢を見ているのだろう
私はそっと近いて彼女の頭を撫でる
「大丈夫よ、私がいるわ」
彼女の顔が穏やかになった
私はニヤリと笑う
「俺のものにしたい」
男の私でも女の私でもたとえ嫌われても
貴方は私のものよ
そっと彼女を檻の中に入れる
ただの檻じゃ無い
可愛いものもある
彼女にぴったりなものが、ね
「さぁ、私は用事を済ませるわ」
彼女の頬に口付けを落として
私はじっと扉を見つめ閉めた
カツンとヒールの音が鳴る
その音はやがて消えたのだった
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