女だからと舐めるなよ

蒼葉縁

文字の大きさ
3 / 6

しおりを挟む
アルス様を守ると俺は誓った
そして
アルス様は俺に守られてくれると言ってくれた
だが
この学校はそう甘くない
俺を狙う者ともが多い上にアルス様を狙うものも多い
だから
こうして闘技場がある
「これより、アルベルト・デライストと」 
俺は剣を構える
「ゼイク・アーガストの試合を決行する!!」
敵を倒すために
「勝者は互いの騎士をもらうことが出来る!」
そんなこと
「それではレディーファイ!」
許されることではない!
互いの剣が混じり合う
刃と刃が音を立てて交じり合う
俺はそれでも怯むことなく
力を使うことなく難なく避ける
相手のゼイクは息を荒くして無我夢中で剣を振っているのだ
弱い
俺は横に剣を引き、上に上げる
ゼイクの剣が弾かれくるくると空を舞い、地面に突き刺さった
「勝者はアルベルト・デライスト!!!」
俺は剣を納め、一礼をする
「くそ!ゼイク!何をしている!」
ゼイクの主は自分で戦わないくせにあーだのこーだの言っていた
ゼイクは頭を下げて、泣いている
俺はそっと片目に触れ、口を固く結んだ
「お疲れ様」
そう言って俺にタオルをかけるアルス様に頭を下げる
「有難きお言葉ですよ、アルス様」
顔を上げて微笑むとアルス様は満足していた
「本当に優秀ね」
「滅相もございま………!?」
アルス様を後ろに下がらせ、片手で剣を引き抜く
ガキイィンと剣が鳴る
「あは、流石~」
男はニヤリと笑う
「貴様!何をする!」
俺は剣を構える
アルス様は何かに気が付くと俺を制した
「辞めなさい!」
「っ、!?ですが!」
アルス様を見ると真剣な顔をしている
俺はその顔を見て静かに剣を納めた
男はつまらなそうに肩に剣を乗せる
「え~?剣しまうのー?」
ギロリと睨むと男は嬉しそうに笑っていた
「あは、良いねぇその顔ー」
「っ!!」
剣を引き抜きそうになるがなんとか踏みとどまる
アルス様が俺の横を通り過ぎると男に一礼した
「お初にお目にかかります、レイセルト王子殿下」
「っ、………」
アルス様を見て頭を下げる
レイセルト王子殿下と呼ばれた男は不思議そうに俺を見ていた
「なんでお前も頭下げるのー?」
俺はギリと拳を握る
「アルベルトは私の騎士ですので」
アルス様の言葉に少し嬉しいが反面嫌だった
何故こんな男に敬語なのだと
腹が立つ
俺は頭を下げたままでいると
「頭上げろ」
と低い声がした
アルス様は俺に頭を上げろと言う
なので
俺が頭を上げるとあの男は満足して嬉しそうにしている
「じゃあさ~俺と戦おうよー」
男の言葉に全員がざわつく
「!?」
流石のアルス様も吃驚していた
「は?」
俺は俺で呆れた声を出す
男はアルス様を押し除けて俺の所に来るが倒れそうになるアルス様の元へ走り、その身体を支える
男はキョトンとしていたがニコニコと笑った
「あは、おもしろ~」
その態度にブチ切れそうになる
「貴様!良い加減に!」
拳を握るとアルス様の言葉に目を見開いた
「辞めなさい、彼は私の婚約者よ」
は?
…………婚約者?
こんな男が
アルス様の?
「だから、鎮まりなさい」
「……………御意」
アルス様に一礼してアルス様の後ろにつく
男は不機嫌そうだ
「戦わねぇの?」
男の言葉にアルス様が声をかけた
「試合は終わりましたので」
アルス様の言葉に被せるように
「俺がしたいんだよ」
と言った
俺は苛立ちに身を任せないようにする
落ち着くことに集中した
男はニヤリと笑い
「あんた?アルスって」
と急にアルス様に話しかけ始めた
「イースト家の呪われた姫って」
………っ!!?
明らかに俺を煽る言い方をしていた
アルス様を見て目を見開く
拳を握っているアルス様だったからだ
俺はそっとアルス様の拳に手を添えて、口付けを落とす
「大丈夫ですよ、アルス様」
アルス様は俺を見て微笑んだ
そして
「試合をしましょう」
そう言った
男は嬉しそうに笑う
俺はアルス様を見る
「あの男を黙らせなさい」
その言葉に
俺は微笑み
「御意」
そう答えた
試合場に立ち
剣を構える
「レディーファイ!」
男の姿が消える
だが
こんなもの造作もない
後ろからくると思わせて横から
剣を弾き飛ばす
だが
男の膝が飛んできた
俺はそれを避けて後ろに飛ぶ
「すごぉ!避けた!!」
キラキラと笑う男に少し嫌な予感がした
再び剣を手にした男が走ってくる
「遊びーまーしょーう?」
剣を構え、目を閉じる
呼吸音が乱れていた
「貴様止まれ!!」
「は?」
俺は男を引き寄せた
男が目を見開く
俺の片手の剣に刺さる長い鉄槍に剣にヒビが入る
脚に力を入れて衝動に耐えた
男に傷ひとつない
一応アルス様の婚約者だ
守ることもいつかあるかも知れない
「大丈夫か?」
俺は男を離して、剣を見つめる
「………」
男からの返事がない
「おい?きさ「惚れた」は?」
突然の告白に呆れる
その一方でアルス様は珍しく嬉しそうにしていた
(作戦通りですね!)
そんなことすら知らない俺は男を睨んだ
「戯言はいい、とっとと帰れ」
俺は歩き出す
後ろから走ってくる音がした
そして背後に感じる衝撃
「ぎゅー!!」
「はぁ?!離れろ!」
困りました
アルス様はニコニコとしている
男に惚れられました
どうしましょうか?
亡き家族たち
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約破棄?いいですけど私巨乳ですよ?

無色
恋愛
 子爵令嬢のディーカは、衆目の中で婚約破棄を告げられる。  身分差を理由に見下されながらも、彼女は淡々と受け入れようとするが、その時ドレスが破れ、隠していた自慢のそれが解き放たれてしまう。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...