ボクのことが嫌いな彼らは、10年後の僕を溺愛する

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現在編7

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イワンと夫妻と僕で遊園地に行くことになった。

どうにも僕の立場が謎である。

イワンが夫妻と出かける最低条件が僕だったらしい。

ジェイはイワンにとって頼りになる大人がアンリなんだよと言っていたけれど複雑だった。



出かける時こそ僕に引っ付いていたイワンは遊園地で次々と乗り物を乗り換えるうちに、僕から離れて夫妻に近づいていた。

本人は無意識だったのだろう。

たまにハッとした表情をして、僕の背後に隠れていた。

夫妻はそんなイワンを微笑ましそうに見ていた。


夫妻と別れる時、イワンは言った。


またね、と。








ジェイが厳しい表情をしている。

一目で、何かがあったのだとわかった。



「高宮樹里が、自殺しようとしたそうです」



聞いた途端、視界がグラリと揺れる。

倒れそうになった僕をジェイが支えてくれた。


「幸い命に別状はないようですが、また同じ事を繰り返す可能性があるそうです」


僕は辛うじて頷いた。




樹里は自殺を仄めかしていた。

あれは冗談じゃなかったのか。

樹里が死んでいたかもしれないという恐怖と、樹里の本気に対する恐怖が入り混じり、わけがわからなくなる。



「……僕が死んだら死ぬって言ってた、でも、僕は、生きてるのに、どうして」


「死んだようなものなんですよ。高宮家から自由になったアンリは、彼の手の届かないところにいる」


「でも、これじゃあ、まるで、僕のせいで死ぬみたいだ」


「冷たいかもしれませんが、高宮家と彼自身の問題です。彼とアンリが共に過ごした時間は多くない。要因は他にもあるはずです」


そうだ。

僕らは兄弟だけど、一緒に育ったわけではなかった。

その上で、樹里には僕を恨む理由があった。

でも、死ぬ理由になんてされたくない。



もしかして、これは、復讐だったのか。



樹里は言った。

自分が死ねば、次は……。




「……僕は、どうしたらいいと思う?」


「アンリはもう自由だ。高宮家に縛られる必要はない。私はアンリにずっとここにいてもらいたいと思っています。ここで、私を支えてもらいたいです」


ジェイは、言って欲しかった言葉をくれた。


「だけど、私にアンリを縛る権利もない」


僕は引き止めて欲しいのに、行かなきゃとも思っていた。

ジェイの言葉は、そんな僕の背中を押していた。
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