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第三章 暴風のコロッセオ

第158話 それぞれの適性値

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「はぁ~い、注目、注目~!」

 マチルダ先生が、映像盤に測定値の速報を出して行く。ホムの名前が一番に表示されると、クラスメイトたちから祝福の拍手が沸き起こった。

 ホムは僕が錬成時に骨格強度強化、筋力強化、動体視力強化、反射神経強化を全て最大化マキシマイズとし、柔軟性、細胞活性、自然治癒力、エーテル適応値、機兵適応力、空間認識力を向上させてあるのだ。

 この機兵適応力が、レギオンとの適性を最大化させ、100という適性値を出すことは想定されていたので、きちんと結果が伴ったことで僕の錬成が正しく作用していることに安堵を覚えた。

 ホムに次いでファラの名前が浮かぶ。機兵適性値は、アイザックが叫んでいたとおり、適性値98だ。その次に95の僕の名前が浮かぶと、ヴァナベルが素っ頓狂な声を上げた。

「はぁ!? リーフに負けただぁ!?」
「まあ、僕のは自分のための専用機だからね。もし同じ機体で測ったなら違う結果になったと思うよ」

 ヴァナベルは93、リリルルが90、ヌメリンが88、アルフェも健闘して81だ。F組で80を越えたのは8名で、適性値順でいくと、ホムとファラ、僕のメンバーで武侠宴舞ゼルステラ・カナルフォード杯の参加申請を行うことになりそうだ。

「……しかし、100ってのはすげぇな。ホム、お前もなんか機体を作ってもらったりしてんのか?」
「いえ、わたくしは、マスターにそのように造っていただきましたので」
「へ?」

 ヴァナベルはホムの応えがいまひとつ理解できなかったらしく、きょとんと目を丸くしている。

「にゃはっ! ホムンクルスだから、自分の方を合わせたってわけか。すごいな、ホム、リーフ!」
「ファラ様の98も、ほぼ満点です。素晴らしいと思います」
「ありがと。実は結構自信あったんだよ」

 苦笑を浮かべながらファラは猫耳族の耳を掻き、それから改まってタヌタヌ先生の方に向き直った。

「ところでさ、タヌタヌ先生。あたし、やってみたいことがあるんだ」
「意欲的なのは良いことだぞ。なんだ?」

 タヌタヌ先生が、ファラの発言に興味深げに問い返す。

「100と98の模擬戦なんて、今から出来たりする?」

 ファラはそう言って、ホムと目を合わせた。思いがけない発言だったが、ホムも驚いているというよりは喜んでいるような表情だ。

「はっはっは、やる気だな、ファラ! わしも見てみたいと思っていたところだぞ!」
「さっすが、タヌタヌ先生! ノリがちげぇな!」

 タヌタヌ先生の承諾に、ヴァナベルが興奮した様子で拳を握っている。

「すごいねぇ、ファラちゃんも、ホムちゃんも」

 アルフェも二人の戦いに興味津々と言った様子だ。他の生徒たちも賛成とばかりに拍手を送り、二人をレギオンの前に促した。

 ホムとファラでレギオンを使った模擬戦か、かなり面白いことになりそうだな。ホムは機兵を動かすこと自体が初めてだが、どんな戦いを見せてくれるのか僕も楽しみだ。
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