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片割れは傍らに在り(上)
第一話
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深夜の閑静な田舎町。
田園風景が広がる真ん中には車がすれ違うのもやっとな道路がある。
その狭い道路を一台の白い乗用車が猛スピードで走っている。
その後ろからはパトカーのサイレンが鳴り響いている。
慌てる様子の運転手が握るハンドルは焦りから脇道へと逸れ、さりげなく建っていた祠に追突し、中にある地蔵ごと破壊されてしまった。
パトカーもやって来て辺りは騒然とする。
「至急応援を要請」
事故を起こした現場に警官は無線で応援を呼んだ。
そのすぐ近くでは無惨にも壊されてしまった地蔵は黒い妖気を放っていた。
妖気は大きな塊のようになるとそれは人の形へと変化し、その中から這い出るように十二~三歳くらいの白いワンピースを来た少女が現れた。
すると警官がその少女に気付いて駆け寄ってきた。
「君大丈夫?
怪我は無い?」
警官は少女が暴走した車に巻き込まれたと思い怪我の有無や、 一人でここにいたのかなど聞くが、少女が答えることは無かった。
しかし警官の方をじっと見ていた。
「取り敢えずあっちに行こうか」
警官は安全な場所へ少女を移動させようとしたのだが、少女は動かない。
代わりに少女は警官の胸へ手を伸ばした。
「……?」
戸惑う警官は突如、ドンと衝撃を受けた。
見ると少女の腕が警官の胸を貫いていた。
「……っ」
警官を貫いた少女の顔はうっすらと笑みを浮かべていた。
そしてその腕を引き抜くと警官は倒れ、少女の手には心の臓が握られていた。
その真っ赤に染まった心の臓を、少女は口へと運ぶ。
雲に隠れていた月が顔を出し少女を照らす。
その影が道路へと映し出されると、鋭い牙を覗かせ、心の臓に突き立てられる。
次の瞬間、再び月は雲に隠れてしまった。
その不穏な様子に気付いたもう一人の警官の男性が少女の方へと近付いてくる。
目に飛び込んで来たものに警官は目を見開いた。
そして___
「うわぁぁぁぁ」
閑静な田園の風景に悲鳴が響き渡った__
田園風景が広がる真ん中には車がすれ違うのもやっとな道路がある。
その狭い道路を一台の白い乗用車が猛スピードで走っている。
その後ろからはパトカーのサイレンが鳴り響いている。
慌てる様子の運転手が握るハンドルは焦りから脇道へと逸れ、さりげなく建っていた祠に追突し、中にある地蔵ごと破壊されてしまった。
パトカーもやって来て辺りは騒然とする。
「至急応援を要請」
事故を起こした現場に警官は無線で応援を呼んだ。
そのすぐ近くでは無惨にも壊されてしまった地蔵は黒い妖気を放っていた。
妖気は大きな塊のようになるとそれは人の形へと変化し、その中から這い出るように十二~三歳くらいの白いワンピースを来た少女が現れた。
すると警官がその少女に気付いて駆け寄ってきた。
「君大丈夫?
怪我は無い?」
警官は少女が暴走した車に巻き込まれたと思い怪我の有無や、 一人でここにいたのかなど聞くが、少女が答えることは無かった。
しかし警官の方をじっと見ていた。
「取り敢えずあっちに行こうか」
警官は安全な場所へ少女を移動させようとしたのだが、少女は動かない。
代わりに少女は警官の胸へ手を伸ばした。
「……?」
戸惑う警官は突如、ドンと衝撃を受けた。
見ると少女の腕が警官の胸を貫いていた。
「……っ」
警官を貫いた少女の顔はうっすらと笑みを浮かべていた。
そしてその腕を引き抜くと警官は倒れ、少女の手には心の臓が握られていた。
その真っ赤に染まった心の臓を、少女は口へと運ぶ。
雲に隠れていた月が顔を出し少女を照らす。
その影が道路へと映し出されると、鋭い牙を覗かせ、心の臓に突き立てられる。
次の瞬間、再び月は雲に隠れてしまった。
その不穏な様子に気付いたもう一人の警官の男性が少女の方へと近付いてくる。
目に飛び込んで来たものに警官は目を見開いた。
そして___
「うわぁぁぁぁ」
閑静な田園の風景に悲鳴が響き渡った__
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