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49.戦いの光景
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翌朝、支度を済ませたわたしたちは街長さんと話してから目的地へ向かった。
昨日の山の麓に到着し、周りを見回って異常が無いか確認してから最終打ち合わせに入る。最後に1人1つずつ小さな魔石がついた腕輪を手渡された。
これは魔力に反応し、連動して光るようになっている。シェストや盗賊が現れたらこれで報せ、誰が現れたかなど回数で示す事になっているのだ。距離が何キロもあれば無理だが、ここで見渡せる範囲なら充分機能する。スマホとかが無くて連絡手段が限られているこの世界では便利な代物である。
それぞれ持ち場へ移動し、待機する。わたしはレドとルイと一緒にいた。明るいうちはたまに魔眼でチェックし、夕方に一度魔力補充を受ける。
・・・レドから。
補充方法は聞かないで下さい。これが一番手っ取り早いと言われても人前でするには凄く恥ずかしいやり方なんです。
◇
待機し始めてかなりの時間が経過した。もうすぐ0時を回る。慣れている皆は平気そうだが、わたしは暗くなるにつれて少し恐怖を感じた。
少しだけ休み、再度魔眼を開いて視る。
と
山の上から凄い勢いで走る人影。聞いた人相そっくりの人物。
「来た!」
「誰だ。何人いる」
「シェスト1人しかいない。他はまだ…あッ、来た!…盗賊…デッカーと…他に1人来る。追いつかれそう!」
レドが腕輪で信号を送る。
「今平地に入った!」
「皆は動いたな?」
素早く移動する皆を見つけて伝える。
「うん、予定通り動いてる」
「ここまでくれば皆も見える。俺も移動する。ルイ、ソニアを頼む」
「はい」
「…レド、気をつけて」
思わず声をかける。
「心配するな」
レドはそう言って一瞬だけ振り返ると、音も無く滑るように走り出した。
「ソニアちゃん、後ろへ下がろう」
「はい」
わたしはルイさんに促されて2人で後ろに下がり、残りの盗賊が来るのを視続けた。
◇
「はぁ、はぁ、は、ウウッ!」
馬が倒れてからずっと走り続けて来たシェストは、足が縺れてとうとう地面に倒れこんでしまった。
「ク、クソッ!こんな、ところで…」
何とか立ち上がろうとするが遂に追いつかれた。
「ハァ、ハ、へへへ…追いかけっこは終わりか?なら…死ねぇ!!――――ッ!?何だ!?」
殴りかかろうとしたデッカーが危機を察知して大きく飛び退く。もう1人の青髪の魔人も、後ろで息を切らしながら身構える。
「よお…久し振りだな、デッカー」
低く響く声と強大な威圧に愕然となるデッカー。青髪の魔人は早くも小刻みに震えている。
デッカーとシェストの間に入ったのは勿論・・・
「レド、モンド…何でお前がここにいる!!」
背後にいるシェストの顔も驚愕に染まり、声も出ない。
「貴様らに言う必要は無い。…デッカー、貴様は肉弾戦が好みだったよな?俺が相手になってやる。…こいよ」
そう言って不敵な笑みを浮かべ、手を僅かに動かして周囲に合図を送る。すると2つの人影が闇の中から滑り出てシェストを気絶させて抱え、サッと退がった。
「グッ…ウ…」
シェストと同じく途中から走り続け、体力も魔力も消耗していて危機察知が遅れた。いつもならもっと早く気が付いてどうにか出来たはずなのに・・・。デッカーの頭にはもうシェストの事など無かった。冷や汗を浮かべて目の前に立ちはだかるレドモンドを睨みつけている。
力の差は歴然としていた。数々の戦いをくぐり抜けた強者ほど、相手の力量を見極める眼を持っている。
だが。
盗賊頭の腹心のひとりとして小隊を任されたデッカーにも意地があった。傷の一つもつけられないのでは名が廃る。
「…どうした?怖気付いたか?」
その馬鹿にするような口調とニヤついた顔に怒りが湧き上がり、頭に血がのぼる。
「…何だとゴラァ!!ウオオォォ!!」
デッカーは大きな拳を振り上げ、渾身の力を込めた一発をレドモンドに叩き込み・・・眼を見開く。拳は当たるどころか擦りもせずにレドモンドの片手に抑えられたのだ。
「…終わりだ。デッカー」
その声色は、悪魔の囁きのように恐ろしい。レドモンドが手に力を入れた。
グシャッ!!
「うがあぁぁ!!」
気味の悪い音と共に骨が砕けて拳が潰れ、血が飛び散って悲痛な叫びを上げる。それでもレドモンドは顔色ひとつ変えず、分厚い腹に蹴りを入れる。
ドシュッ!
「ぐごぉぉ!!」
ビチャッ!
「ヒィィッ!!」
足が食い込んで内臓をやられ、体をくの字に曲げながら血を吐く。それを目の当たりにした青髪の魔人が悲鳴を上げて逃げ出そうとした。するとまたもや周囲の闇から2つの人影が飛び出て行く手を阻む。その人影にレドモンドが声を掛けた。
「そいつはお前らに任せた」
「「ハッ!」」
簡潔な返事が返った次の瞬間、青髪の魔人は2人の攻撃を受けて声もなく崩れ落ちる。と同時に、デッカーがまた血を吐いた。
「ガハァッ!」
「ッ!」
「…ハ…ハ…ざま…み…ろ…」
その言葉を最後にデッカーは地面に倒れ込み、動かなくなった。
「…クソッ!おい!青髪は!?」
「…申し訳ありません。こいつも駄目です」
「やられた…」
デッカーと青髪を移動して調べる。毒を飲んだ様子は無かった。
「ボス、ここに見たことのない印があります」
「どこだ」
デッカーの胸、ちょうど心臓の箇所に黒い奇妙な形の印があった。青髪にもおなじ箇所に印。
「これを細かく描いておけ」
「ハッ!」
ビシッと礼をした部下にそこを任せ、レドモンドはソニアの居る場所へ戻った。
◇
レドの圧倒的な強さを視ていた。
ルイさんは見ないほうが・・・と言ってくれたが、わたしはレドの戦いを見ておきたかった。自分の全てを受け入れてくれた彼の全てを、わたしも受け入れたかった。
目を覆いたくなるような光景。でも。そんな光景が広がる場所に、わたしを連れてきてくれた。これはまだまだレドの力の一端に過ぎないんだろうけど、それでも。
わたしは瞬く間に終わってしまった戦いの光景を、記憶の奥へと仕舞い込んだ。
レドが戻って来た。
「毒でも飲んだんですか?」
ルイさんがレドに聞く。少しだけ沈んだ顔をしていた彼は、気を切り替えて口を開いた。
「いや、心臓の箇所に黒い印があった。どこかで見た気がするんだが思い出せない。記録はさせたから後でルイも見てくれ」
「はい、分かりました」
「残りの奴らもそろそろ来るだろう。頼んだぞ」
「はい」
頷いたルイさんが少し後ろに下がると、レドはわたしの傍へ来る。
「…魔力は大丈夫か?キツかったらちゃんと言え」
「…うん、でもまだ大丈夫だよ」
わたしが戦いを見ていた事を彼も知っている。でも今は話す時じゃない。だから、しっかりと漆黒の瞳を見つめながら答えた。
「そうか…ならもう少し頑張ってくれ」
「はい!」
わたしたちは残りの盗賊が来るのを待った。
昨日の山の麓に到着し、周りを見回って異常が無いか確認してから最終打ち合わせに入る。最後に1人1つずつ小さな魔石がついた腕輪を手渡された。
これは魔力に反応し、連動して光るようになっている。シェストや盗賊が現れたらこれで報せ、誰が現れたかなど回数で示す事になっているのだ。距離が何キロもあれば無理だが、ここで見渡せる範囲なら充分機能する。スマホとかが無くて連絡手段が限られているこの世界では便利な代物である。
それぞれ持ち場へ移動し、待機する。わたしはレドとルイと一緒にいた。明るいうちはたまに魔眼でチェックし、夕方に一度魔力補充を受ける。
・・・レドから。
補充方法は聞かないで下さい。これが一番手っ取り早いと言われても人前でするには凄く恥ずかしいやり方なんです。
◇
待機し始めてかなりの時間が経過した。もうすぐ0時を回る。慣れている皆は平気そうだが、わたしは暗くなるにつれて少し恐怖を感じた。
少しだけ休み、再度魔眼を開いて視る。
と
山の上から凄い勢いで走る人影。聞いた人相そっくりの人物。
「来た!」
「誰だ。何人いる」
「シェスト1人しかいない。他はまだ…あッ、来た!…盗賊…デッカーと…他に1人来る。追いつかれそう!」
レドが腕輪で信号を送る。
「今平地に入った!」
「皆は動いたな?」
素早く移動する皆を見つけて伝える。
「うん、予定通り動いてる」
「ここまでくれば皆も見える。俺も移動する。ルイ、ソニアを頼む」
「はい」
「…レド、気をつけて」
思わず声をかける。
「心配するな」
レドはそう言って一瞬だけ振り返ると、音も無く滑るように走り出した。
「ソニアちゃん、後ろへ下がろう」
「はい」
わたしはルイさんに促されて2人で後ろに下がり、残りの盗賊が来るのを視続けた。
◇
「はぁ、はぁ、は、ウウッ!」
馬が倒れてからずっと走り続けて来たシェストは、足が縺れてとうとう地面に倒れこんでしまった。
「ク、クソッ!こんな、ところで…」
何とか立ち上がろうとするが遂に追いつかれた。
「ハァ、ハ、へへへ…追いかけっこは終わりか?なら…死ねぇ!!――――ッ!?何だ!?」
殴りかかろうとしたデッカーが危機を察知して大きく飛び退く。もう1人の青髪の魔人も、後ろで息を切らしながら身構える。
「よお…久し振りだな、デッカー」
低く響く声と強大な威圧に愕然となるデッカー。青髪の魔人は早くも小刻みに震えている。
デッカーとシェストの間に入ったのは勿論・・・
「レド、モンド…何でお前がここにいる!!」
背後にいるシェストの顔も驚愕に染まり、声も出ない。
「貴様らに言う必要は無い。…デッカー、貴様は肉弾戦が好みだったよな?俺が相手になってやる。…こいよ」
そう言って不敵な笑みを浮かべ、手を僅かに動かして周囲に合図を送る。すると2つの人影が闇の中から滑り出てシェストを気絶させて抱え、サッと退がった。
「グッ…ウ…」
シェストと同じく途中から走り続け、体力も魔力も消耗していて危機察知が遅れた。いつもならもっと早く気が付いてどうにか出来たはずなのに・・・。デッカーの頭にはもうシェストの事など無かった。冷や汗を浮かべて目の前に立ちはだかるレドモンドを睨みつけている。
力の差は歴然としていた。数々の戦いをくぐり抜けた強者ほど、相手の力量を見極める眼を持っている。
だが。
盗賊頭の腹心のひとりとして小隊を任されたデッカーにも意地があった。傷の一つもつけられないのでは名が廃る。
「…どうした?怖気付いたか?」
その馬鹿にするような口調とニヤついた顔に怒りが湧き上がり、頭に血がのぼる。
「…何だとゴラァ!!ウオオォォ!!」
デッカーは大きな拳を振り上げ、渾身の力を込めた一発をレドモンドに叩き込み・・・眼を見開く。拳は当たるどころか擦りもせずにレドモンドの片手に抑えられたのだ。
「…終わりだ。デッカー」
その声色は、悪魔の囁きのように恐ろしい。レドモンドが手に力を入れた。
グシャッ!!
「うがあぁぁ!!」
気味の悪い音と共に骨が砕けて拳が潰れ、血が飛び散って悲痛な叫びを上げる。それでもレドモンドは顔色ひとつ変えず、分厚い腹に蹴りを入れる。
ドシュッ!
「ぐごぉぉ!!」
ビチャッ!
「ヒィィッ!!」
足が食い込んで内臓をやられ、体をくの字に曲げながら血を吐く。それを目の当たりにした青髪の魔人が悲鳴を上げて逃げ出そうとした。するとまたもや周囲の闇から2つの人影が飛び出て行く手を阻む。その人影にレドモンドが声を掛けた。
「そいつはお前らに任せた」
「「ハッ!」」
簡潔な返事が返った次の瞬間、青髪の魔人は2人の攻撃を受けて声もなく崩れ落ちる。と同時に、デッカーがまた血を吐いた。
「ガハァッ!」
「ッ!」
「…ハ…ハ…ざま…み…ろ…」
その言葉を最後にデッカーは地面に倒れ込み、動かなくなった。
「…クソッ!おい!青髪は!?」
「…申し訳ありません。こいつも駄目です」
「やられた…」
デッカーと青髪を移動して調べる。毒を飲んだ様子は無かった。
「ボス、ここに見たことのない印があります」
「どこだ」
デッカーの胸、ちょうど心臓の箇所に黒い奇妙な形の印があった。青髪にもおなじ箇所に印。
「これを細かく描いておけ」
「ハッ!」
ビシッと礼をした部下にそこを任せ、レドモンドはソニアの居る場所へ戻った。
◇
レドの圧倒的な強さを視ていた。
ルイさんは見ないほうが・・・と言ってくれたが、わたしはレドの戦いを見ておきたかった。自分の全てを受け入れてくれた彼の全てを、わたしも受け入れたかった。
目を覆いたくなるような光景。でも。そんな光景が広がる場所に、わたしを連れてきてくれた。これはまだまだレドの力の一端に過ぎないんだろうけど、それでも。
わたしは瞬く間に終わってしまった戦いの光景を、記憶の奥へと仕舞い込んだ。
レドが戻って来た。
「毒でも飲んだんですか?」
ルイさんがレドに聞く。少しだけ沈んだ顔をしていた彼は、気を切り替えて口を開いた。
「いや、心臓の箇所に黒い印があった。どこかで見た気がするんだが思い出せない。記録はさせたから後でルイも見てくれ」
「はい、分かりました」
「残りの奴らもそろそろ来るだろう。頼んだぞ」
「はい」
頷いたルイさんが少し後ろに下がると、レドはわたしの傍へ来る。
「…魔力は大丈夫か?キツかったらちゃんと言え」
「…うん、でもまだ大丈夫だよ」
わたしが戦いを見ていた事を彼も知っている。でも今は話す時じゃない。だから、しっかりと漆黒の瞳を見つめながら答えた。
「そうか…ならもう少し頑張ってくれ」
「はい!」
わたしたちは残りの盗賊が来るのを待った。
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