R18、アブナイ異世界ライフ

くるくる

文字の大きさ
73 / 113

69.ルーカスとチビソニア(ルーカス視点)

しおりを挟む

 レドが会合へ出掛け、今夜はチビソニアと2人での夕食なので子供向けのメニューにした。

  オムライスにハンバーグ、ポテトフライ、スープ、など。

  ソニアは目の前に並んだ食事を見て、おこさまランチみたい・・・と呟いた。何でも元いた異世界では、レストランなどにこういう子供向けのメニューがあったのだとか。ここではレストランといえば高級店で大人が行く場所。大抵は子供お断りだ。彼女がたまに話してくれる異世界の話はとても興味深く、面白かった。

  食後のデザートにアイスを出すと、大きな目を更に大きくして喜ぶ。ソニアは甘いものが好きだがたまにしか食べない。どうやら太るのを警戒しているようだが、彼女は華奢だ。私はもう少し肉をつけても良いと思うが勿論言わない。

  私の膝の上でスプーンを握り、アイスを自分で少しずつ口へ運ぶ。余程美味しいのか、うさ耳をゆらゆらと揺らし、しっぽも小さくふりふりしている。

  ・・・可愛い。

  たまに目測を誤って上手く入らず、口のまわりが汚れるのを気にしている。

 「ソニア、ほら。拭いてあげますからこちらを向いて下さい」
 「ん…」
 「……はい、良いですよ」
 「ありがと」
 「いいえ。アイス、美味しいですか?」
 「んっ、おいし」

  ああ・・・このカタコトな感じが素晴らしく可愛いです。

 「ごちそさまれした。…ルーカス、コーヒー…らめ?」
 「コーヒーはダメです。あなたはいつもブラックでしょう?子供には飲めませんよ」
 「む~…」

  ぷくっと頬を膨らませるソニア。

 「ふふ…そんなに可愛い顔してもコーヒーはダメですよ。明日の朝、ミルクたっぷりのカフェオレを淹れてあげますから、それまで待ってください」
 「ほんと!?ありがと!」

  満面の笑みとぴょこぴょこ跳ねるうさ耳が嬉しさを現している。彼女はコーヒーがとても好きで飲まない日は無いが、小さくなってから丸一日以上飲んでない。結構我慢していると思う。

 「さて、お風呂に入りましょうか」
 「うん」




  入浴後、白地にカラフルなドット柄のタンクトップとショートパンツを着せる。バスルームの扉を開けると、ありがと、と一言言ってから先に出た。ベッドルームへ歩くソニアの後ろからついていく。

  今まで抱っこばかりしていたがさっき発見したのだ。歩くリズムでうさ耳がみょんみょんと揺れ、同時にしっぽもぴこぴこ上下するとんでもなく可愛らしい後ろ姿を!

  ベッドルームで風呂上がりの水分補給していると、ソニアが私をじっと見てから言った。

 「…ルーカス、こどもすきなの?」

  おや、見られている事に気が付いていましたか。でも子供好きとは若干違う。

 「ちょっと違いますね。私はソニアだから子供の姿でも好きなんですよ」

  ソニアは私の言葉を聞いて目をパチクリさせてから照れくさそうに笑う。抱きしめたいのを我慢して頭を撫でると、うさ耳がぴくぴく動いて広った。

  彼女はベッドに横になるとすぐ眠りに落ちるが、昨夜の事があるので今夜は傍にいる。

  大人3人で眠っても余裕の広さのベッドに、チビの体を丸めてますます小さくなって静かな寝息を立てるソニアにそっとキスした。




  日付が変わった頃、レドが帰ってきた。

  ベッドルームへ来るとまずソニアの顔を覗き込み、頬にキスする。

 「早かったですね。飲みには行かなかったんですか?」
 「ああ、何となく落ち着かなくてな」

  そう言ってもう一度キスしてからシャワーを浴びに部屋を出て行った。




  いつものように眠っているソニアを挟んで座る。だが何故かレドも私もワインを飲む気にはなれず、あどけない顔を眺めていた。

 「当たり前なんですけど…中身はいつものソニアなんですね」
 「フフッ、そうだな。今日、膝に乗せたら仕事中だと注意された」
 「私も、後ろから見つめてたら子供好きかと聞かれましたよ。気付かれていないと思っていたんですがね」
 「ああ、ソニアはそういうの割と敏感だな」
 「ええ…何だか少し安心しました。小さなソニアも可愛いですし、ちゃんと戻ると分かっていても…」
 「…情けないが同感だ」

  私たちでさえこう思うのだ。ソニア本人はもっと不安だろうが、顔には出さない。魔人で28才といえば最近まで子供だった、という印象だが彼女は精神的にとても大人だ。そこが素晴らしい所であり、同時に心配でもあった。











 その日の深夜、ルイの部屋にはビスタが来て一緒に飲んでいた。

 「え~!ズルイですルイさんだけ!オレも見たいっす、チビな姐御!」

  ルイがチビソニアを見たと聞いて悔しがるビスタ。

 「もの凄く可愛かったよ…。ボスの後ろに隠れてさ、顔くらい出せって言われてホントに顔だけ出してルイしゃん、って、こう…舌ったらずでさ、小さくて白いうさ耳がキョロキョロしてて、ちっちゃい手でボスの服をキュッ、て握ってて、首を傾げる仕草がまた何とも言えない可愛らしさで………何?」

  ベラベラとその時の様子を語るルイを、ビスタが若干白い眼で見る。

 「姐御なんですから可愛いのは当然ですけど…ルイさん…もしかしてロリコン…?」
 「ち、違うよ!そのくらい可愛かった、って事だよ!ビスタだって一度会えば僕の気持ちが分かるさ」
 「それですよ」
 「どれだよ」
 「オレも会ってみたいです!直談判したら会わせてくれますかね?」
 「…どうかな…ルーカスさんから話を聞いた限りだと…必要以上には人に会わせない感じだったよ」
 「え~!ズルイですルイさんだけ!オレも見たいっす、チビな姐御!」
 「もの凄く可愛かったよ」

  振り出しに戻る2人。ビスタはチビソニアに会えるでしょうか?

  ・・・おそらくムリですよ。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

処理中です...