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第3章
070.麻薬のような香り
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「――――あら、そろそろ時間ね」
アイさんの恐怖症悪化の原因はあれやこれやと取っ掛かりになりそうなものを言い合ったものの、明確な結論が出ないことで棚上げし、ただのお茶会になってしまってから1時間。
すっかり弛んだ雰囲気の中クッキーを囲みながら談笑しているとふと時計に目をやったエレナが声を上げた。
「あ、ホントだ」
その言葉に反応したアイさんも揃って腰を上げはじめる。
もしかして、何か用事でもあったのだろうか
「二人揃ってなにかあるの?」
「ええ。これから仕事でCM撮影があるのよ。残念ながらお茶会はここまでだわ」
そっか仕事か。
突然の終了に驚いたが、仕事なら仕方ない。こう何度も関わっていると普通の少女だと勘違いしてしまいそうになるけど、彼女たちは多忙の大人気アイドルなのだ。俺とは住む世界が違う。
「そっか。なんだか俺もあまり役に立てなかったかな?ごめんね力になれなくて」
「そんなこと――――」
「そんなことありませんよっ!!」
恐怖症悪化への原因究明に貢献できなかった。
そんな申し訳無さから空笑いすると、真っ先にアイさんが駆け寄ってきた。
「アイさん……」
「アイ……?」
「私からしたら、こうしてお茶しに来てくださるだけで本当にありがたいです!だから力になれないなんて、そんな事ありませんっ!」
ギュッと俺と目をあわせて手を包みこんでくれるアイさん。
その様子に言葉を遮られたエレナも目を丸くしている。
数秒、静寂が場を支配した。
アイさんの駆け寄りに一同が面食らい、ジッとなにもできずにいる。そんな中、静寂を打ち破ったのは構築した本人でもある彼女さんだった。
「……えっ!あっ!すみません突然変なこと言って!」
突然我に返ったかのようにパッと手を離して1歩2歩後ずさるアイさん。
ふと見た俺の手には彼女の柔らかさがまだ残っていた。暖かくて優しい、そして同時に何かが引っかかるような感覚。これは……
「その、私としては慎也さんならいつでも来てくださって構いませんよ。それだけで大きな力になりますから」
そう、言い直すようにはにかんで見せる時にはいつもの様子に戻っていた。
先程の焦りは嘘だったかのように微塵も感じさせない天使のような微笑み。そんな彼女を見て俺も思わず頬が緩む。
「――――な~に鼻の下伸ばしてるのよ!」
「わっ!?えっ!?エレナ!?」
まさに見惚れるほどのエンジェルスマイル。
アイドルが俺だけに見せてくれる笑顔に心奪われていると、突如として背中にかかる圧力と、怒りを滲ませた"圧"に気がついた。
それがエレナが後ろのソファーに立ってこちらに寄りかかって来ていることが原因だと気づくには、さほど時間はかからなかった。肩からのぞかせる彼女の眉がつり上がっているのが見える。
「ちょっと慎也、これから私達はCM撮影なのよ。変な空気作ってどうするのよ」
「別に変な空気なんか……」
「ウソ、作ってたわよ。まったく、この愚弟ってば放っておいたらすぐアイにデレデレしちゃうんだから」
2つの意味で事実無根である。
弟はもちろんのこと、変な空気にはなり得ないだろう。アイさんからしたら俺はただの1ファンだ。デレデレは・・・見逃してほしい。
「ほらアイも、いつまでも慎也に構ってないで早く準備を…………アイ?」
「あれ?アイさん?」
言い聞かせるようにエレナがアイさんに促すと同時に揃って顔を上げると、そこには彼女の姿が見えなくなっていた。
広いリビング。見えない姿。もしかしたら既に準備を終えて玄関に向かっているかもしれない。そんな考えが頭の隅をよぎったその時、突如として俺の世界は闇に覆われる。
「わっ!」
「ふふっ、だ~れだっ!」
突然、眼の前がまっくらになった。
背後からエレナではない楽しげな声が聞こえてくる。
なんだかデジャヴを感じる出来事だ。あの時はエレナが後ろからやっていたから背丈と腕の角度ですぐに判明できた。しかし今回は伸びている腕が俺のどこにも触れられていない。
ならば誰か。そんなの決まっている。消去法だ。
「アイさん?」
「ふふっ、正解です。驚きましたか?」
その言葉とともにエレナとは逆側の肩からひょっこり顔を出したのはアイさんだった。
無邪気な子どものように屈託のない笑顔をするアイさん。恐怖症なんて欠片も感じさせない綺麗な顔が直ぐ側にあり、思わず心臓が飛び出るかと思った。
その上背中に感じる柔らかくて大きなもの。これはもしかして…………
「ちょっとアイ!何慎也に近づいてるのよ!」
「エレナだって。同じことしてるじゃない」
「わ……私はほら、その、姉特権よ!」
「なら私は同い年特権だねっ!!」
すぐ近くにある顔。それによる心臓の高鳴り。
全てを吹き飛ばしたのは逆サイドのエレナだった。
俺を挟んでやり取りされるミニ喧嘩……喧嘩?
「あの、二人とも……そういうのは俺の居ないところで……」
「あら慎也、アイドル二人にくっつかれて嫌なの?離れてほしいの?」
「えっ……慎也さん、嫌なんですか…………?」
なにこれ。何かの拷問だろうか。
エレナの煽るような口調にアイさんの辛そうな声。そのどちらもが俺の答えに窮するものだった。
更に女の子の香り、とでもいうのだろうか。髪から漂ってくる香りがどうにも俺の思考を鈍らせる。
エレナはシャンプーか柔軟剤でも変えたのだろうか。ふわりと香ってきた彼女の香りは以前借りたものと違い、ほんのり甘みの感じる爽やかなものだった。
アイさんも柑橘系の心地の良さが、まるで麻薬のように俺の脳内を刺激する。
二人のいつまでも嗅いでいられる香りについ顔を近づけそうになるも、すぐさま鋼の理性を発揮させて無意識の行動を締め付ける。
「ふ、二人とも、時間不味いんでしょ。リオだって呼ばなきゃならないし……」
「あら、リオはもう現場に行ってるわよ」
「えっ?」
「雑誌の取材。リーダー特権ですって。」
つまりこの状態においてリオの助けは借りれないと。
いや借りたところで、ということもあるのだが。どちらかといえば悪化しそうだし、泊まりの日の件からどうにも気まずさを感じる。どんな顔して会ったらいいかわからない。
ホッとしたような残念のような。そんな複雑な感情に苛まれていると、不意にアイさんが「あっ」と声を上げる。
「エレナ、私いい考えがあるの。聞いてくれる?」
「あらアイ、どうしたの?是非聞かせてもらえる?」
「慎也さんも撮影に連れて行くっていうのはどうかな?」
なにおぅ!?
突然のアイさんの提案に思わず耳を疑った。行ったらリオに会うわけで、何を話せばいいんだ!?
「えと、俺はちょっと……」
もちろん直接理由を説明するわけにはいかず。
適当にボカシながらエレナの方に目を向けると、彼女の口角が見事に上がっているのを見て俺は察してしまった。
「いい考えね。慎也も来なさい」
「まじか……」
「もちろん今この状態で、背負ってね!!」
「まじか!?!?」
まてまてまて!!
行くのは百歩譲って良しとしても背負って!?ムリでしょ!?
……って!
二人揃って肩に手を添えない!!
「ほら、行きなさい!怪獣シンヤー!」
「お願いします!シンヤーさん!!」
「無茶だって!!」
「やってみないとわからないじゃない!ほら、ゴー!!」
楽しげに背中に乗って前へ進むよう促してくる二人。
そして案の定と言うべきか。
30秒後、カーペットに向かって倒れ込む俺の姿がそこにあるのであった。
もちろん起き上がってからも解放されることはなく、普通に歩いてではあるが、連れて行かれる異星人のようにドナドナされるのであった。
アイさんの恐怖症悪化の原因はあれやこれやと取っ掛かりになりそうなものを言い合ったものの、明確な結論が出ないことで棚上げし、ただのお茶会になってしまってから1時間。
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「ええ。これから仕事でCM撮影があるのよ。残念ながらお茶会はここまでだわ」
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「そっか。なんだか俺もあまり役に立てなかったかな?ごめんね力になれなくて」
「そんなこと――――」
「そんなことありませんよっ!!」
恐怖症悪化への原因究明に貢献できなかった。
そんな申し訳無さから空笑いすると、真っ先にアイさんが駆け寄ってきた。
「アイさん……」
「アイ……?」
「私からしたら、こうしてお茶しに来てくださるだけで本当にありがたいです!だから力になれないなんて、そんな事ありませんっ!」
ギュッと俺と目をあわせて手を包みこんでくれるアイさん。
その様子に言葉を遮られたエレナも目を丸くしている。
数秒、静寂が場を支配した。
アイさんの駆け寄りに一同が面食らい、ジッとなにもできずにいる。そんな中、静寂を打ち破ったのは構築した本人でもある彼女さんだった。
「……えっ!あっ!すみません突然変なこと言って!」
突然我に返ったかのようにパッと手を離して1歩2歩後ずさるアイさん。
ふと見た俺の手には彼女の柔らかさがまだ残っていた。暖かくて優しい、そして同時に何かが引っかかるような感覚。これは……
「その、私としては慎也さんならいつでも来てくださって構いませんよ。それだけで大きな力になりますから」
そう、言い直すようにはにかんで見せる時にはいつもの様子に戻っていた。
先程の焦りは嘘だったかのように微塵も感じさせない天使のような微笑み。そんな彼女を見て俺も思わず頬が緩む。
「――――な~に鼻の下伸ばしてるのよ!」
「わっ!?えっ!?エレナ!?」
まさに見惚れるほどのエンジェルスマイル。
アイドルが俺だけに見せてくれる笑顔に心奪われていると、突如として背中にかかる圧力と、怒りを滲ませた"圧"に気がついた。
それがエレナが後ろのソファーに立ってこちらに寄りかかって来ていることが原因だと気づくには、さほど時間はかからなかった。肩からのぞかせる彼女の眉がつり上がっているのが見える。
「ちょっと慎也、これから私達はCM撮影なのよ。変な空気作ってどうするのよ」
「別に変な空気なんか……」
「ウソ、作ってたわよ。まったく、この愚弟ってば放っておいたらすぐアイにデレデレしちゃうんだから」
2つの意味で事実無根である。
弟はもちろんのこと、変な空気にはなり得ないだろう。アイさんからしたら俺はただの1ファンだ。デレデレは・・・見逃してほしい。
「ほらアイも、いつまでも慎也に構ってないで早く準備を…………アイ?」
「あれ?アイさん?」
言い聞かせるようにエレナがアイさんに促すと同時に揃って顔を上げると、そこには彼女の姿が見えなくなっていた。
広いリビング。見えない姿。もしかしたら既に準備を終えて玄関に向かっているかもしれない。そんな考えが頭の隅をよぎったその時、突如として俺の世界は闇に覆われる。
「わっ!」
「ふふっ、だ~れだっ!」
突然、眼の前がまっくらになった。
背後からエレナではない楽しげな声が聞こえてくる。
なんだかデジャヴを感じる出来事だ。あの時はエレナが後ろからやっていたから背丈と腕の角度ですぐに判明できた。しかし今回は伸びている腕が俺のどこにも触れられていない。
ならば誰か。そんなの決まっている。消去法だ。
「アイさん?」
「ふふっ、正解です。驚きましたか?」
その言葉とともにエレナとは逆側の肩からひょっこり顔を出したのはアイさんだった。
無邪気な子どものように屈託のない笑顔をするアイさん。恐怖症なんて欠片も感じさせない綺麗な顔が直ぐ側にあり、思わず心臓が飛び出るかと思った。
その上背中に感じる柔らかくて大きなもの。これはもしかして…………
「ちょっとアイ!何慎也に近づいてるのよ!」
「エレナだって。同じことしてるじゃない」
「わ……私はほら、その、姉特権よ!」
「なら私は同い年特権だねっ!!」
すぐ近くにある顔。それによる心臓の高鳴り。
全てを吹き飛ばしたのは逆サイドのエレナだった。
俺を挟んでやり取りされるミニ喧嘩……喧嘩?
「あの、二人とも……そういうのは俺の居ないところで……」
「あら慎也、アイドル二人にくっつかれて嫌なの?離れてほしいの?」
「えっ……慎也さん、嫌なんですか…………?」
なにこれ。何かの拷問だろうか。
エレナの煽るような口調にアイさんの辛そうな声。そのどちらもが俺の答えに窮するものだった。
更に女の子の香り、とでもいうのだろうか。髪から漂ってくる香りがどうにも俺の思考を鈍らせる。
エレナはシャンプーか柔軟剤でも変えたのだろうか。ふわりと香ってきた彼女の香りは以前借りたものと違い、ほんのり甘みの感じる爽やかなものだった。
アイさんも柑橘系の心地の良さが、まるで麻薬のように俺の脳内を刺激する。
二人のいつまでも嗅いでいられる香りについ顔を近づけそうになるも、すぐさま鋼の理性を発揮させて無意識の行動を締め付ける。
「ふ、二人とも、時間不味いんでしょ。リオだって呼ばなきゃならないし……」
「あら、リオはもう現場に行ってるわよ」
「えっ?」
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つまりこの状態においてリオの助けは借りれないと。
いや借りたところで、ということもあるのだが。どちらかといえば悪化しそうだし、泊まりの日の件からどうにも気まずさを感じる。どんな顔して会ったらいいかわからない。
ホッとしたような残念のような。そんな複雑な感情に苛まれていると、不意にアイさんが「あっ」と声を上げる。
「エレナ、私いい考えがあるの。聞いてくれる?」
「あらアイ、どうしたの?是非聞かせてもらえる?」
「慎也さんも撮影に連れて行くっていうのはどうかな?」
なにおぅ!?
突然のアイさんの提案に思わず耳を疑った。行ったらリオに会うわけで、何を話せばいいんだ!?
「えと、俺はちょっと……」
もちろん直接理由を説明するわけにはいかず。
適当にボカシながらエレナの方に目を向けると、彼女の口角が見事に上がっているのを見て俺は察してしまった。
「いい考えね。慎也も来なさい」
「まじか……」
「もちろん今この状態で、背負ってね!!」
「まじか!?!?」
まてまてまて!!
行くのは百歩譲って良しとしても背負って!?ムリでしょ!?
……って!
二人揃って肩に手を添えない!!
「ほら、行きなさい!怪獣シンヤー!」
「お願いします!シンヤーさん!!」
「無茶だって!!」
「やってみないとわからないじゃない!ほら、ゴー!!」
楽しげに背中に乗って前へ進むよう促してくる二人。
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