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11 学園の女王様
学園の女王様1
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一条麗華は、わたしの1つ年上の先輩であり、生徒会長も務める、容姿端麗で成績もトップクラスという、愛華学園においても周りから一目置かれる存在だった。高身長で、細身ですらりとしたスタイルに、切長でややつり上がった大きな瞳、通った鼻筋に天然のルージュ色を帯びて潤った唇は、まるで絵画の中から飛び出てきたかのような雰囲気を醸し出している。落ち着いた性格で凛とした佇まいは、他人にそう簡単に話しかけるのを躊躇わせるような高潔さだ。
さらに、彼女が理事長の一人娘であるということも、彼女が周りから一目置かれる存在であると認識される一因だった。ただ、彼女が自分から父親の権力を傘に着るようなことはない。麗華の人望は、すべて彼女自身の才覚からもたらされるものだった。
勇気を出し、彼女に言い寄ろうとする男もいない訳ではなかったが、これまで麗華が誰かと付き合ったという話は皆無だった。何故なら、彼女は理由こそ分からないものの男嫌いであることは有名で、彼女自身、男性には興味ないことを公言してもいた。
そんな彼女も、性的なこと自体に興味がないわけではなかった。ただ、彼女の性欲の対象は、同性に向けられていた。つまり麗華はレズビアンだったのだ。
彼女が会長を務める、生徒会のメンバーが全員女子であることは、単なる偶然ではなかった。麗華は密かに、自分が気に入った可愛い女の子を口説き、生徒会のメンバーに加えていた。言わば、生徒会を自分の性愛の為の花園のようにして、活動していたのだ。
その事は、公には知られていない。麗華が自分の欲望のために生徒会を隠れ蓑にしているとしても、その活動ぶりは校内外を問わず優秀だった。頭脳も明晰な麗華は、校内の行事を企画し、リーダーシップを発揮して行事を成功に導いていた。様々な慈善事業にも参加し、成果を上げていた。そのため、優れた活動ぶりを見せる生徒会に、文句を言う教師や生徒は1人もいなかったし、彼女の密かな欲望に気づく者もいなかったのだ。
そんな彼女に、目をつけられたのが、他ならぬわたしだったのだ。
気づかないところで『最近、編入学してきた生徒で、ものすごく可愛い女子がいる』と、校内で噂が立っていたわたしが、麗華の目に留まるのは時間の問題だったのだろう。子役女優としてそれなりに売れていたくらいだし、大勢の裏ファンクラブの会員がつくくらいだから、ルックスは申し分なかった。元々華奢な体格ではあったが、最近では胸も膨らんで、Eカップにまでたわわに実っている。最近編入学してきたようで、まだ友人は少ないようだが、授業態度は真面目で、優しく穏やかな物腰で教師や生徒たちからの評判も良い。
「おはよう、霞原さん」
「あ・・・おはようございます、会長」
初めて声をかけてきたのは、麗華からだった。
生徒会は、毎朝ではないが、時々生徒玄関前で登校してくる生徒たちに挨拶をしている。これも、生徒会の活動のひとつなのだろう。
当然、わたしも普段から挨拶を返している。けれど、いきなり名前まで呼ばれたのは初めてのことだったので、少し驚いた顔をして、麗華の顔を見つめた。
麗華は、目を少し細めて穏やかに微笑み、わたしの顔を見つめ返してくる。
「会長だなんて。麗華、でいいわよ。気軽に呼んでちょうだい、霞原さん」
透き通った声で優しく語りかけてくる。麗華の上品さが自然に滲み出てくるような、話し口調だった。
「ありがとうございます。じゃあ、麗華先輩・・・わたしのことも、有梨香、って呼んで下さい」
「あら本当?嬉しいわ、有梨香さん。仲良くしましょうね」
わたしも頷くと、可憐な美貌に微笑みを浮かべて返した。
それからわたしと麗華は、校内で偶然会った時など、僅かずつではあるが、度々会話するようになっていった。
さらに、彼女が理事長の一人娘であるということも、彼女が周りから一目置かれる存在であると認識される一因だった。ただ、彼女が自分から父親の権力を傘に着るようなことはない。麗華の人望は、すべて彼女自身の才覚からもたらされるものだった。
勇気を出し、彼女に言い寄ろうとする男もいない訳ではなかったが、これまで麗華が誰かと付き合ったという話は皆無だった。何故なら、彼女は理由こそ分からないものの男嫌いであることは有名で、彼女自身、男性には興味ないことを公言してもいた。
そんな彼女も、性的なこと自体に興味がないわけではなかった。ただ、彼女の性欲の対象は、同性に向けられていた。つまり麗華はレズビアンだったのだ。
彼女が会長を務める、生徒会のメンバーが全員女子であることは、単なる偶然ではなかった。麗華は密かに、自分が気に入った可愛い女の子を口説き、生徒会のメンバーに加えていた。言わば、生徒会を自分の性愛の為の花園のようにして、活動していたのだ。
その事は、公には知られていない。麗華が自分の欲望のために生徒会を隠れ蓑にしているとしても、その活動ぶりは校内外を問わず優秀だった。頭脳も明晰な麗華は、校内の行事を企画し、リーダーシップを発揮して行事を成功に導いていた。様々な慈善事業にも参加し、成果を上げていた。そのため、優れた活動ぶりを見せる生徒会に、文句を言う教師や生徒は1人もいなかったし、彼女の密かな欲望に気づく者もいなかったのだ。
そんな彼女に、目をつけられたのが、他ならぬわたしだったのだ。
気づかないところで『最近、編入学してきた生徒で、ものすごく可愛い女子がいる』と、校内で噂が立っていたわたしが、麗華の目に留まるのは時間の問題だったのだろう。子役女優としてそれなりに売れていたくらいだし、大勢の裏ファンクラブの会員がつくくらいだから、ルックスは申し分なかった。元々華奢な体格ではあったが、最近では胸も膨らんで、Eカップにまでたわわに実っている。最近編入学してきたようで、まだ友人は少ないようだが、授業態度は真面目で、優しく穏やかな物腰で教師や生徒たちからの評判も良い。
「おはよう、霞原さん」
「あ・・・おはようございます、会長」
初めて声をかけてきたのは、麗華からだった。
生徒会は、毎朝ではないが、時々生徒玄関前で登校してくる生徒たちに挨拶をしている。これも、生徒会の活動のひとつなのだろう。
当然、わたしも普段から挨拶を返している。けれど、いきなり名前まで呼ばれたのは初めてのことだったので、少し驚いた顔をして、麗華の顔を見つめた。
麗華は、目を少し細めて穏やかに微笑み、わたしの顔を見つめ返してくる。
「会長だなんて。麗華、でいいわよ。気軽に呼んでちょうだい、霞原さん」
透き通った声で優しく語りかけてくる。麗華の上品さが自然に滲み出てくるような、話し口調だった。
「ありがとうございます。じゃあ、麗華先輩・・・わたしのことも、有梨香、って呼んで下さい」
「あら本当?嬉しいわ、有梨香さん。仲良くしましょうね」
わたしも頷くと、可憐な美貌に微笑みを浮かべて返した。
それからわたしと麗華は、校内で偶然会った時など、僅かずつではあるが、度々会話するようになっていった。
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