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努力は人の為になる
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私の視界は、白に包まれていた。
天上、床、照明、衣服。全てが白で統一された。不思議な部屋。
私こと神楽彩芽は、冥府の医務室で横たわっていた。
あの闘いから、一体何日が経過したのだろう。長い眠りが体を鈍らせたのか、自分の物ではない様に重い。
「起きたのねえ、調子はどお?」
ベッドに沈む私に、鬼頭瑠美子が様子を聞いた。
確か瑠美子さんは、あの闘いに援軍として駆けつけてくれて……
「そうだ、ったあ……」
「動いちゃ駄目よお、回復の札を巻いてあるけど、まだ塞がった訳じゃないから」
そう言われて胸に意識を向けると、体に巻く物としては不適合すぎる、ざらざらとした感触が伝わってくる。この感覚は、以前にも使った回復の護符の感触だ。
「そうだ瑠美子さん、夜空ちゃんは!?」
私が血相を変えて尋ねると、瑠美子さんは暗い顔でうつむいた。
「え、なんですか、その反応……」
私が再度尋ねても、瑠美子さんは口を開けなかった。
「見ない方が、良いわ」
「……え?」
「今も意識は戻ってないし、いつ亡くなってもおかしくない状況らしいわ。そもそも救出時、内臓はほとんど潰れてたから、希望は薄いって」
重々しく告げられた現状が、私の耳を襲う。
私のせいだ。私が、あんな所でもたついていたから。
「それでも、見せて下さい」
私は自分への殺意に声を震わせながら、それでも彼女の元へ行かせる様に懇願する。
「……分かったわ、車いす持ってくるから」
これ以上止めても無駄だと判断したのか、瑠美子さんは大人しく車いすを引いて来てくれた。
慣れないながらもそれに座り、瑠美子さんに押してもらって移動する。
ここは医務室といっても、小さな病院程度の大きさはある。通常病床が10床と特別病床が6床。夜空ちゃんがいるのは、特別病床の方だ。
特別病床は衛生面に配慮して面会はガラスで仕切られた部屋越しに行い、病室には医師以外入れない。私達は面会者側の部屋に入り、ガラス越しにその先の光景を眺める。
ベッドに横たわる少女は、文様の付いた和紙を全身に巻き付けられ、その隙間からチューブがいくつも伸びている。そして顔には酸素マスクが付けられ、絶えず空気を流し込んでいる。出血も無く、傷口も何も見えない筈なのに、痛々しいと感じる光景だった。
私は思わず、車いすから立ち上がってガラス窓にもたれかかってしまう。
私は数日寝た程度で済んだのに、なんで彼女は、ここまで怪我を負ったのだろう。私が臆病だったせいで、彼女は今も、生死の境を彷徨っている。
「ごめんね……」
私はペタリと崩れ落ちながら、必死に彼女へ謝った。
教育係の意味を理解せず、彼女は才能があるから大丈夫だと胡坐をかいて踏ん反りがえっていた。私は、先輩失格だ。
「さあ、君の怪我も軽くないのよお、戻って寝なさいな」
瑠美子さんの手を借りて、車いすに乗る。そのまま面会室を出て、病室に戻ろうとした時だった。
白髪で碧眼の、どこかで見た雰囲気の少女が、走ってすれ違った。
少し珍しい容姿だったからか、一瞬振り返ってみると、彼女は夜空ちゃんの病室の前に立った。
「瑠美子さん、ちょっと」
車いすを引く瑠美子さんを制止して、彼女の事を眺めている。
「どうしたのお? あら、あの子って……」
私の視線を追った瑠美子さんは、彼女に面識がある様だった。
私達が彼女を見つめていると、彼女も私達に気が付いた様で歩み寄ってくる。
「あの、巫女酒夜空の知り合いですか?」
「はい、そうですけど。貴女は?」
私が聞くと、彼女は申し遅れましたとばかりに自己紹介をしてくれた。
「私は巫女酒真昼と言います。巫女酒夜空の姉です」
「え、ええ‼」
「ちょっと彩芽ちゃん、病院では静かにしてえ」
私は思わず大声をあげてしまった。そこにいた数人が訝しげな視線を向けるが、正直誰でもこうなると思う。
髪が彼女と対照的に真っ白で、瞳も彼女の反対に青い。近くでよく見れば面影を感じなくもないが、それでも流石に信じがたい。
「アハハ、似てないってよく言われるんですよ。こうも容姿が対照的だと、信じてもらえない事もありましたから」
真昼さんは苦笑いを浮かべながら言った。
やはり、この対照的な容姿に驚いたのは私だけではないらしい。
「それで、貴女方は?」
「ああ、私は鬼頭瑠美子、ここの責任者的な人ねえ」
「私は神楽彩芽です。その……妹さんの、教育係でした。」
私がボソリと言うと、真昼さんはハッとして表情を変えた。
彼女は怒りと困惑を織り交ぜた表情で、私を凝視している。
「場所を変えましょう」
雰囲気を察した瑠美子さんの提案で、三人だけで話せる場所に移動する。
場所は小さなミーティングルームの様な場所だが、私の様な車いす利用者も使いやすい様、テーブルや棚の場所を細かく工夫していた。
「それで、貴女は夜空の教育係だったんですよね?」
「……はい」
「それなら、危険だと感じた時に直ぐ撤退命令を下さなったのは何故ですか?」
「……」
「勿論、冥府の仕事がどういう物かは承知しているつもりです。でも貴女なら、危険と判断したら撤退する様指示が出来た筈ですよね?」
真昼さんは怒りを抑えながら、言葉の刃で切りかかる。
身内が重篤な状況の中、そうなった原因の一端である私に、今直ぐ殴り掛かりたいだろう。そうなっても止める気は無いし、文句も何も言わない。そうされて当然の事を、私はしてしまったから。
私は何も言わない。いや、何も言えない。彼女の言っている事は逆恨みに聞こえても、正確に的を射た発言は、どんどんと私に反論の余地を潰していく。
「―――ますか」
「え?」
小声で聞き辛かったが、今まで以上に怒りの籠った声を感じる。
「私が、死んで詫びろと言ったら、死ねますか」
その言葉は感情に身を任せた様で、それでも的確に私に牙を向けていた。
けれど、答えは決まっている。
「できません」
私は初めて、彼女の問いに答えられた。
そんな事はしたくないし、言われてもするつもりは無い。
「そんな覚悟だから、妹だって……」
「確かに、死ぬのが怖いのもあります。でも、それ以上に……」
真昼さんが軽蔑の眼差しを見せる中、言葉を付け足す。
「死んだら、それ以上のお詫びが出来ない」
私の回答に、今度は真昼さんが口を閉ざし、瑠美子さんは「貴女らしいわあ」と微笑んでいた。
私は、詫びるなら一生を賭けて償う。そう心に決めていた。
「そう、ですか……」
真昼さんは、私の見る目を変えてくれた。まるで、私に感心した様な。
彼女は俯き、何かを考えている様だった。そして考えを纏めたらしく、私と向き合って言った。
「私を、獄卒にして下さい」
「な……」
「貴女、本当にそんな事を……?」
私どころか、瑠美子さんも驚愕していた。
獄卒になるという事は、あの化け物達と闘うという事だ。生半可な強さでは足りない。人間相手の強さでは、まるで足りない位の力を要求される。
彼女に、それ程の才能があるのか? もし判断を見誤れば、夜空ちゃんの二の舞だ。いや、更に悪い結末だってあり得る。死んでしまうかもしれない。死なせてしまうかもしれない。
「君には危なすぎ……」
「それは、何で測ったんですか?」
真昼さんは、私を見定める様な眼で問う。
測る? 実力をか? それは……
「今の私じゃなくて、未来の私を測って下さい。私は、私達は、全く成長しない訳じゃありません。私達には『努力』という、最も強い武器があるんです」
そうか、間違えていたのは、私達の方だ。
『才能』にばかり囚われて、最も重要な『努力』を見ていなかった。夜空ちゃんにしたって、才能が前に出過ぎていただけで、あそこから更に上へ、強くなれるという事を考えていなかった。
「死なない事も、誰かを守る事も約束出来ません。けれど必ず、努力だけはする。そう約束します」
真昼さんの表情は、今までの誰よりも覚悟を持った表情だった。それはとても強く、そしてとても儚かった。妹に何も出来なかったと、悔いている様に見えた。
「……分かりました。私が責任を持って、貴女の命を預かります」
「そうね。この子は彩芽ちゃんに任せる。今度は、責務を果たしなさい。死ぬ気で、いいえ、死んででも」
瑠美子さんも、彼女を迎え入れる事を許してくれた。
「じゃあ、宜しくお願いします」
「ええ、こちらこそ」
私達は握手をして、仲間の契りを交わした。
「あ」
けれど私は、ある肝心な事を思い出して言った。
「私、いつ完治しますかね」
「まあ、3日あれば歩ける様にはなるかなあ」
そんな状態で、何を教えられるのだろうか。
天上、床、照明、衣服。全てが白で統一された。不思議な部屋。
私こと神楽彩芽は、冥府の医務室で横たわっていた。
あの闘いから、一体何日が経過したのだろう。長い眠りが体を鈍らせたのか、自分の物ではない様に重い。
「起きたのねえ、調子はどお?」
ベッドに沈む私に、鬼頭瑠美子が様子を聞いた。
確か瑠美子さんは、あの闘いに援軍として駆けつけてくれて……
「そうだ、ったあ……」
「動いちゃ駄目よお、回復の札を巻いてあるけど、まだ塞がった訳じゃないから」
そう言われて胸に意識を向けると、体に巻く物としては不適合すぎる、ざらざらとした感触が伝わってくる。この感覚は、以前にも使った回復の護符の感触だ。
「そうだ瑠美子さん、夜空ちゃんは!?」
私が血相を変えて尋ねると、瑠美子さんは暗い顔でうつむいた。
「え、なんですか、その反応……」
私が再度尋ねても、瑠美子さんは口を開けなかった。
「見ない方が、良いわ」
「……え?」
「今も意識は戻ってないし、いつ亡くなってもおかしくない状況らしいわ。そもそも救出時、内臓はほとんど潰れてたから、希望は薄いって」
重々しく告げられた現状が、私の耳を襲う。
私のせいだ。私が、あんな所でもたついていたから。
「それでも、見せて下さい」
私は自分への殺意に声を震わせながら、それでも彼女の元へ行かせる様に懇願する。
「……分かったわ、車いす持ってくるから」
これ以上止めても無駄だと判断したのか、瑠美子さんは大人しく車いすを引いて来てくれた。
慣れないながらもそれに座り、瑠美子さんに押してもらって移動する。
ここは医務室といっても、小さな病院程度の大きさはある。通常病床が10床と特別病床が6床。夜空ちゃんがいるのは、特別病床の方だ。
特別病床は衛生面に配慮して面会はガラスで仕切られた部屋越しに行い、病室には医師以外入れない。私達は面会者側の部屋に入り、ガラス越しにその先の光景を眺める。
ベッドに横たわる少女は、文様の付いた和紙を全身に巻き付けられ、その隙間からチューブがいくつも伸びている。そして顔には酸素マスクが付けられ、絶えず空気を流し込んでいる。出血も無く、傷口も何も見えない筈なのに、痛々しいと感じる光景だった。
私は思わず、車いすから立ち上がってガラス窓にもたれかかってしまう。
私は数日寝た程度で済んだのに、なんで彼女は、ここまで怪我を負ったのだろう。私が臆病だったせいで、彼女は今も、生死の境を彷徨っている。
「ごめんね……」
私はペタリと崩れ落ちながら、必死に彼女へ謝った。
教育係の意味を理解せず、彼女は才能があるから大丈夫だと胡坐をかいて踏ん反りがえっていた。私は、先輩失格だ。
「さあ、君の怪我も軽くないのよお、戻って寝なさいな」
瑠美子さんの手を借りて、車いすに乗る。そのまま面会室を出て、病室に戻ろうとした時だった。
白髪で碧眼の、どこかで見た雰囲気の少女が、走ってすれ違った。
少し珍しい容姿だったからか、一瞬振り返ってみると、彼女は夜空ちゃんの病室の前に立った。
「瑠美子さん、ちょっと」
車いすを引く瑠美子さんを制止して、彼女の事を眺めている。
「どうしたのお? あら、あの子って……」
私の視線を追った瑠美子さんは、彼女に面識がある様だった。
私達が彼女を見つめていると、彼女も私達に気が付いた様で歩み寄ってくる。
「あの、巫女酒夜空の知り合いですか?」
「はい、そうですけど。貴女は?」
私が聞くと、彼女は申し遅れましたとばかりに自己紹介をしてくれた。
「私は巫女酒真昼と言います。巫女酒夜空の姉です」
「え、ええ‼」
「ちょっと彩芽ちゃん、病院では静かにしてえ」
私は思わず大声をあげてしまった。そこにいた数人が訝しげな視線を向けるが、正直誰でもこうなると思う。
髪が彼女と対照的に真っ白で、瞳も彼女の反対に青い。近くでよく見れば面影を感じなくもないが、それでも流石に信じがたい。
「アハハ、似てないってよく言われるんですよ。こうも容姿が対照的だと、信じてもらえない事もありましたから」
真昼さんは苦笑いを浮かべながら言った。
やはり、この対照的な容姿に驚いたのは私だけではないらしい。
「それで、貴女方は?」
「ああ、私は鬼頭瑠美子、ここの責任者的な人ねえ」
「私は神楽彩芽です。その……妹さんの、教育係でした。」
私がボソリと言うと、真昼さんはハッとして表情を変えた。
彼女は怒りと困惑を織り交ぜた表情で、私を凝視している。
「場所を変えましょう」
雰囲気を察した瑠美子さんの提案で、三人だけで話せる場所に移動する。
場所は小さなミーティングルームの様な場所だが、私の様な車いす利用者も使いやすい様、テーブルや棚の場所を細かく工夫していた。
「それで、貴女は夜空の教育係だったんですよね?」
「……はい」
「それなら、危険だと感じた時に直ぐ撤退命令を下さなったのは何故ですか?」
「……」
「勿論、冥府の仕事がどういう物かは承知しているつもりです。でも貴女なら、危険と判断したら撤退する様指示が出来た筈ですよね?」
真昼さんは怒りを抑えながら、言葉の刃で切りかかる。
身内が重篤な状況の中、そうなった原因の一端である私に、今直ぐ殴り掛かりたいだろう。そうなっても止める気は無いし、文句も何も言わない。そうされて当然の事を、私はしてしまったから。
私は何も言わない。いや、何も言えない。彼女の言っている事は逆恨みに聞こえても、正確に的を射た発言は、どんどんと私に反論の余地を潰していく。
「―――ますか」
「え?」
小声で聞き辛かったが、今まで以上に怒りの籠った声を感じる。
「私が、死んで詫びろと言ったら、死ねますか」
その言葉は感情に身を任せた様で、それでも的確に私に牙を向けていた。
けれど、答えは決まっている。
「できません」
私は初めて、彼女の問いに答えられた。
そんな事はしたくないし、言われてもするつもりは無い。
「そんな覚悟だから、妹だって……」
「確かに、死ぬのが怖いのもあります。でも、それ以上に……」
真昼さんが軽蔑の眼差しを見せる中、言葉を付け足す。
「死んだら、それ以上のお詫びが出来ない」
私の回答に、今度は真昼さんが口を閉ざし、瑠美子さんは「貴女らしいわあ」と微笑んでいた。
私は、詫びるなら一生を賭けて償う。そう心に決めていた。
「そう、ですか……」
真昼さんは、私の見る目を変えてくれた。まるで、私に感心した様な。
彼女は俯き、何かを考えている様だった。そして考えを纏めたらしく、私と向き合って言った。
「私を、獄卒にして下さい」
「な……」
「貴女、本当にそんな事を……?」
私どころか、瑠美子さんも驚愕していた。
獄卒になるという事は、あの化け物達と闘うという事だ。生半可な強さでは足りない。人間相手の強さでは、まるで足りない位の力を要求される。
彼女に、それ程の才能があるのか? もし判断を見誤れば、夜空ちゃんの二の舞だ。いや、更に悪い結末だってあり得る。死んでしまうかもしれない。死なせてしまうかもしれない。
「君には危なすぎ……」
「それは、何で測ったんですか?」
真昼さんは、私を見定める様な眼で問う。
測る? 実力をか? それは……
「今の私じゃなくて、未来の私を測って下さい。私は、私達は、全く成長しない訳じゃありません。私達には『努力』という、最も強い武器があるんです」
そうか、間違えていたのは、私達の方だ。
『才能』にばかり囚われて、最も重要な『努力』を見ていなかった。夜空ちゃんにしたって、才能が前に出過ぎていただけで、あそこから更に上へ、強くなれるという事を考えていなかった。
「死なない事も、誰かを守る事も約束出来ません。けれど必ず、努力だけはする。そう約束します」
真昼さんの表情は、今までの誰よりも覚悟を持った表情だった。それはとても強く、そしてとても儚かった。妹に何も出来なかったと、悔いている様に見えた。
「……分かりました。私が責任を持って、貴女の命を預かります」
「そうね。この子は彩芽ちゃんに任せる。今度は、責務を果たしなさい。死ぬ気で、いいえ、死んででも」
瑠美子さんも、彼女を迎え入れる事を許してくれた。
「じゃあ、宜しくお願いします」
「ええ、こちらこそ」
私達は握手をして、仲間の契りを交わした。
「あ」
けれど私は、ある肝心な事を思い出して言った。
「私、いつ完治しますかね」
「まあ、3日あれば歩ける様にはなるかなあ」
そんな状態で、何を教えられるのだろうか。
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