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かっ飛びアレクサンドライト まぜまぜイエロー・ダイヤ オン コース3 ディンダーデン

かっ飛びアレクサンドライト まぜまぜイエロー・ダイヤ オン コース3 ディンダーデン 2

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 ディンダーデンが俺に言う。
「…俺の馬に乗れ」
ディングレー様、ちょっと惚けて言う。
「お気に入りなんだな」

俺、ディングレー様♡とも、いっぱいする約束で消えたから…。
正直、二人の間で困った。

「…お前も、気にいってんのか?」
ディンダーデンが言うと。
ディングレー様、王族なのに。
顔をフイ。と背けて言う。
「先は譲る」
ディンダーデン、ぼそっと言う。
「後で寄越せと?」
ディングレー様、ちょっと怒る。
「ずっと、一人占めか?!」
ディンダーデン、頷きながら言う。
「…そういう事なら、分け合ってもいい」
ディングレー様、顔背けて言う。
「…それは俺が、嫌だ」
ディンダーデン、ディングレー様(の股間)を、覗き込む。
「…自分の持ち物に、自信が無いとかか?」

ギュンターが呆れてディンダーデンに言う。
「…ディングレーだぞ?
自信が、無い訳無い。
だがこいつ、一応王族だから。
秘密主義だ」

ディンダーデン、ディングレー様を見る。
「…要するに、恥ずかしいのか?」
ディングレー様、とうとう沸騰する。
「お前と一緒が、嫌だ!」

けどギュンターが、ディングレー様に振り向く。
「結構、楽しいぞ?」
ディングレー様、真顔で問う。
「…どんな風に?」
「…ディンダーデンはヘンタイ入ってるから。
大抵される相手はエロエロになって喘ぎまくり、こっちは煽られるから、どんどん盛り上がる」
ディングレー様。
ギュンターをじっ…と見る。
「途中から割って入っても、こいつ(ディンダーデン)、殴りかからないか?」
ギュンター、ディングレー様をじっ。と見返す。
「俺は、殴られたこと無いが…」
ディングレー様、即言い返す。
「…俺は空気が読めないと、よく言われる」
「…王族だったな…」
ギュンターが、そう言って顔を背ける。
ディンダーデンも言う。
「王族って究極の、我が儘許され男だからな」
ディングレー様、とうとう頭から湯気立てて怒鳴った。
「究極の、俺様男に言われたくない!」

ギュンター、二人を見て言った。
「…確かに、二人とも自分の我を通すのが当たり前で、引く事をしないな」

けどギュンターがそう言うと。
ディンダーデンもディングレー様も、ギュンターを呆れて見た。
ディングレー様、小声で言う。
「…お前もだろう?」
ディンダーデンも、腕組みして同意する。
「自分の意見が通らないと、直ぐ殴る」

ギュンター、すんごく怒って。
言い返したそうに、歯ぎしりしてたけど。
結局、言い返さなかった。
(言い返せなかった?)

俺、三人がだかだか歩き始めて。
どうしていいか一瞬惚け…。
けど扉を開けて出て行こうとしたギュンターが振り向き
「早く来い!」
って怒鳴るから。
慌てて三人の、後を追った。

おっきな小屋の…厩?
お馬さんだらけ。

ディンダーデンは、艶やかに黒光りする、黒馬に乗る。
そして俺に振り向き
「乗れ」
と言う。
俺、ディンダーデンに青の流し目で見られると…お尻の奥が、疼いちゃって困った。
けど。
ギュンターが、手前の焦げ茶に白の斑点のある、ちょっと優しそうな馬に乗って、ジロって見るから。
慌ててディンダーデンの、馬の横に行く。
手を差し出してくれるから。
ディンダーデンの手を握って、馬に跨がり、ディンダーデンの腰に腕を回す。
ディンダーデン、チラ。と視線を俺に向ける。
なんか…嬉しそうに微笑んでくれるから。
俺も嬉しくなった。

ディンダーデンの黒馬に乗って、小屋を出ると。
ディングレー様、黒光りする…気位の高そうな…立派な黒馬に乗ってる…。

ディンダーデンの馬と顔合わすと。
ディングレー様の馬が、ヒン!
って言って顔を背け。
ディンダーデンの馬も、フイ。
と顔を背けた。

「(…どっちも黒馬なのに。
乗り手の仲があんまり良くないと。
馬もそうなのかな?)」
つい、凄く格好いい黒馬の首を回してるディングレー様を見る。

「(やっぱりディングレー様♡も、格好いい♡
あの後ろにも、正直乗りたい♡)」
そう思った途端、ディンダーデンと…ディンダーデンのお馬さんの黒く長い顔が、同時に俺に、振り向いた。

ギュンターが馬のお腹に足を打ち付け。
一気に駆け出す。
ディングレー様、無言で直ぐ、手綱を持ち上げ、後に続く。
ディンダーデンの馬は、張り合う気満々で、先を走るギュンターの馬を追う。

三騎一気に駆け出す様子って迫力で。
俺、落ちまいと必死に、ディンダーデンにしがみついた。

ギュンターはしなやかで。
ディングレー様は、余裕。
ディンダーデンは軽やかで楽しげ。

うーん。俺が後ろに、乗ってるせい?

どどどどどっ!
って駆けて行くんだけど。
どこ行くんだろう…?

つい、ディンダーデンに
「どこへ行くの?!」
って叫んで聞いてみた。
ディンダーデン、俺にちょっと振り向いた後。
「…………………………ギュンター!
行き先、解ってるんだろうな?!」
って叫んでる。

ギュンター、振り向く。
「………………ディングレーんとこの、別宅だろう?!」
ディングレー様、憮然としてる。
「俺は、聞いてないぞ?!」

俺、少しも速度落とさず走り続けながら、言うセリフ?!
って思い。
…先行き、ものすごく、不安になった。

ディンダーデンが、嬉しげに言う。
「俺の別宅でもいいぞ?!
楽しい器具も装備も、いっぱいある!」
叫ぶと、とっても嬉しそうに振り向いて、俺を見る。
「(…つまり、器具や装備って………。
えっち系の?!)」

ギュンターが、怒鳴り返す。
「安全性は?!
簡単に、侵入されないか?!」

ディンダーデン、沈黙の後呟く。
「…誰でも出入り自由だ」

ディングレー様が、残念そうに俯いて。
ギュンターが叫んでる。
「却下!」

ディンダーデン、怒鳴り返す。
「だって、侵入された方が、思い切り剣振れて、楽しいだろう?!」
ギュンターが振り向いて怒鳴り返す。
「ちゃんと、守りきれるんだろうな?!
…どうせお前!
別宅ついたら、エロい事するしか頭に無いんだろう?!
最中に侵入されても、大丈夫なんだな?!」

俺。
ついしがみついてるディンダーデンの背中が沈黙してて。
顔を下げてしまった…。

「俺!
もし掴まったら、どうなるの?!」

そう叫ぶと。
三人共が振り向く。

ディングレー様が、ギュンターに言ってる。
「…ノルンディルなら、アーシュラスに渡す前に、絶対味見するよな?」
ギュンター、ディングレー様を見る。
「…絶対、するな…」
ディンダーデンも怒鳴ってる。
「ノルンディル一人ならまだいいが!
俺達と喧嘩出来るって、喜んでレッツァディンとかが出て来たら!
絶対二人してヤるな!」
「その人、上手い?!」
俺が叫ぶと。
ディングレー様が振り向く。
「レッツァディンは一応俺と同じ、黒髪の一族の王族だが!
とにもかくにも、乱暴だ!」

俺…それ聞いて、悲しくなった。
ノルンディルだけでもいけすかないのに。
その上乱暴な…王族なんかに掘られたくないっ!
「絶対!
掴まりたくない!」
「頑張れ!」
ギュンターに怒鳴られて。
俺、凄く困った。
「(…掴まらないよう、頑張るの?!
万一掴まったら…そこで、頑張るの?!
ってか、ナニを頑張るの??????)」

困惑してると。
ディンダーデンが俺に流し目くべて微笑浮かべ、振り向く。
「俺が、守ってやるから心配するな」
俺、思わず頷く。
そして嬉しくって。
ディンダーデンの背中に顔を寄せて、抱きついた。

けどふと疑問。
「結局、どこに行くことになったの?!」
叫ぶと。
ギュンターは振り向き。
ディングレー様も二人の顔を見。
ディンダーデンも…前の二人の様子を見てる。

「…あんたんとこだろう?!」
ギュンターが、ディングレー様に言う。
ディングレー様、振り向いて言う。
「…ディンダーデンの、別宅だろう?!」

ディンダーデンは。
「どっちなんだ…」

俺、再び。
………先行き思いっきり、不安なんですけど。
行き先決まってないのに、馬はかっ飛んでるし。

ディンダーデンが、言う。
「俺の別宅に寄って、楽しい装備積んで。
警備厳重な、ディングレーんとこ行って。
邪魔入れず、思い切り楽しもうぜ!」

前の二人が頷いて、少し速度を落とす。
ディンダーデンの馬が先頭に躍り出ると。
一気に速度を上げて、駆け続ける。

俺、必死でディンダーデンにしがみついてないと、落ちそう…。

振り向くと。
ディングレー様。
そしてギュンターも。
凄い速度でディンダーデンの、馬の後に続いてた。

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