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行ってみたいな!あちこちへ
49 料理屋さんの裏メニュー
しおりを挟む王宮を辞して家に戻り、麻婆豆腐を料理屋さんに試食してもらう約束を思い出す。
この前と同じメニューで良いと2人が言ったので、昼食用と試食用を作って、食べてから試食分を持って行く。お昼時の忙しい時間はもう終わったかな?
みんな予定がないので一緒に行く。
「ごめんくださーい」
「なんだそりゃあ」
あれ?ダリュマさんのお父さんに通じなかった。会って下さい、くらいの感じかなぁ?
それはともかく。
「お豆腐やさんから料理屋さんにも絶対試食させろと言われた豆腐料理を持ってきました。」
「ほほう。」
お昼はもう食べちゃったかな?
「おい!賄い作るのはちょっと待て!」
試食してくれるらしい。
これです、と出して麻婆豆腐と肉豆腐を温め、白和えは冷たいまま食べます、と説明した。
味の薄い順に勧める。
白和え。
ぱく。もぐもぐ…
肉豆腐。
ぱく!もぐもぐもぐ…
麻婆豆腐。
ばくっ!!もぐごくん!
ぱくぱくもぐもぐ、3人で食べると試食サイズなので一瞬で空になった。
「おかわり!!」
「はい!」
材料と下準備と調理方法を説明しながら作った。作り終わったら勝手に淹れて良いと言われたのでティスがお茶を淹れ、お茶飲みながら食べ終わるのを待った。
「…で、あの親父はなんと?」
「料理屋さんに教えて店でいつでも食べられるようにメニューに加えさせろ、と。」
「うぅむ…」
腕組みして考えてる。ここ、日本料理屋さんだもんね。肉豆腐と白和えはまだしも、麻婆豆腐は中華料理だし…
「白和えは聞いた事はあったんだが、以前は豆腐屋がなくてうちで作ってたから手間がかかる、と後回しにしていて作る前に客人が死んじまってな…肉豆腐は知らん。そしてこの麻婆豆腐は日本料理じゃねぇな?」
「中華料理です。でも今は日本で家庭料理の定番になってるんですよ。」
「調味料をどうするかだが…」
「それなら商業ギルドに少しだけ仕入れをお願いしてるので、様子を見ながらそこに注文する事もできますよ!」
それに、裏メニューにしたらどうだろう?
「メニューに載せずに知っている人だけが注文できる裏メニューと言うのがありまして…」
と、知る人ぞ知るメニューとして出すと特別な感じがして良いんじゃないかと勧めてみたらそれだ!って乗ってきた。
楽しい。
辛さの違うのを作ったり、ラー油を添えてお客さんが好みの辛さにするのも勧めた。
食べるラー油が作れたら良かったな。
厚揚げを買って帰ろう。
食べ方を聞かれたので今日は炙ってネギと生姜醤油で食べます、って言ったらなるほど!だって。ここでは味噌田楽にしているそうだ。それも美味しいよね!
ずっと良い子にしてたチビだけど飽きたみたい。外に飛び出した。
「チビー!」
チビを追って店を出たけど、見当たらない。魔力の糸を辿るとまっすぐ上空に向かっている。おーい!
少し待ってみたけど降りてこないので、繋がっているから大丈夫だろうと家に向かった。
途中、豆腐屋さんに麻婆豆腐は裏メニューになった事を伝えるとでかした!と良い笑顔で労ってくれた。
家に着いて玄関前でチビを呼ぶと、今度は戻って来た。鳥の羽が付いているので鳥と遊んで来たのだろうか?
…食べてないよね?
友達の飼い猫が隠していた大量の茶色い羽を思い出してドキドキ…
夕飯は新じゃがの肉じゃが!…もどき。しらたきがないからもどき。あと肉も鹿肉。
そう言えば大豆はあるのに枝豆がない。途中で食べたりはしないのかな?ストゥもティスも見た事も食べた事もないそうだ。今度、大豆農家を訪ねてみよう。
…採れたては格別だと言うし、絶対行く!!
…夕飯のメニュー考えてる途中だった。
肉じゃががあるから和風ステーキとインゲンの胡麻和え、ラディッシュとひじきのサラダ、青菜の漬物、厚揚げ。
これくらいで良いかな?
先にお風呂に誘われたので肉じゃがもどきと胡麻和えとサラダを先に作っておいて入った。
さっぱりしたところでミディアムレアにステーキを焼いて、厚揚げをさっと炙っておろし生姜とネギをのせる。ステーキソースはニンニクを漬け込んだ醤油。美味しいよね!
半分くらい食べたところでストゥがお酒を出した。ビールと果実酒。今日はこれで練習(?)だって。
梅酒みたいな果実酒だから和食に合う。
そう言えば日中の気温も上がっている。湿気が少ないので気持ちが良いけど、夏になったらどうなんだろう?海とか滝とか湖とか行きたいな。
「ねぇ、夏になったら海とか滝とかで泳いだりする?」
「しますよ。ワイバーンの巣のさらに東に行くと直接海に落ちる滝があるはずです。行く途中に通った森の、確か東側に苔むしたかなりの巨木があって、その周りに沢山の湧き水があるとか聞いた事もあります。」
そこって木霊がいる森?
「水遊びがしたくなったのか?」
「うん!だって暑くなって来たでしょ?」
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