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桃太郎、仲間を選ぶ
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桃太郎はすぐに国王の待つ、王の間へ通されました。
そこには目を血走らせた国王と心労で病んでいる国王妃、二人の娘の王女がいました。
「其方、名を何と言う?」
「桃太郎です」
「桃太郎、其方の職は?」
「剣士です」
「ステータスについては?」
「剣術、体術共に最大値、魔法特性も僅かにあります」
「加護については?」
「加護?」
「ステータス確認を」
国王は近くに控えていた魔術師に命令して桃太郎の加護を確認させました。
「……こ、これは!」
「何だ?」
「精霊の加護、聖獣の加護が付いております」
「なんと!?」
「加護とは何ですか?」
「加護は選ばれし者にしか付与されない特別なもの。それが二つも付いているなんて…。桃太郎殿は剣士より勇者になるべきお人だ」
「桃太郎、其方勇者になる気はあるか?」
「はい」
「なぜ最初から勇者を選ばなかった?」
「自分の命を懸けてまで他人を助けたいと思わなかったことと自分に何かあって家族に心配をかけたくなかったからです」
「それがなぜ今になって勇者に職変更しようと?」
「家族に危機が迫っているなら、その火の粉を払うのは自分の役目だと思ったからです」
「家族のためなら命を懸けると?」
「はい」
「命を落とすかもしれぬぞ?」
「死ななければいいだけですから」
「死なぬと申すか?」
「はい」
桃太郎は真っ直ぐ国王を見据えて答えます。
その目は嘘偽りのない意志を携えていました。
国王は桃太郎の真摯な言動を信じることにしました。
「桃太郎、其方の言葉を信じることにする」
「ありがとうございます」
「オーガ退治に向かってもらうにあたって、仲間を連れていくことを許す。誰か連れていきたい者はいるか?」
「お供ですか…」
「もし思い当たらないなら、この中から選ぶがよい」
国王は側近に指示して、分厚いファイルを桃太郎に渡します。
今から一時間の間で決めるよう言い渡され、国王の間からほど近い個室に押し込まれました。
自分の手よりも分厚いファイルの中から一時間で選出するなんて至難の業だと桃太郎は思いました。
(えぇい!めんどくさいっ!!)
ファイルを一度閉じ、適当に開いたページの者をお供として連れていくことにしました。
一匹目はフェンリル。
二匹目はフェニックス。
三匹目は猿。
その旨を国王に告げると、すぐに三匹が王城に呼ばれました。
「桃太郎とその一行、オーガ退治をしてくれ」
「この任務の成功の条件は何だ?」
「オーガの殲滅だ」
「人質とかいたりするのでありますか?」
「若い女が大勢連れ去られたと聞いている」
「人質は助けなくていいのですかウキ?」
「余裕があれば助けてくれ」
「了解ウキ」
「では、そろそろ向かいます」
「よろしく頼む」
桃太郎と三匹は静かにピーチ王国を出立したのでした。
そこには目を血走らせた国王と心労で病んでいる国王妃、二人の娘の王女がいました。
「其方、名を何と言う?」
「桃太郎です」
「桃太郎、其方の職は?」
「剣士です」
「ステータスについては?」
「剣術、体術共に最大値、魔法特性も僅かにあります」
「加護については?」
「加護?」
「ステータス確認を」
国王は近くに控えていた魔術師に命令して桃太郎の加護を確認させました。
「……こ、これは!」
「何だ?」
「精霊の加護、聖獣の加護が付いております」
「なんと!?」
「加護とは何ですか?」
「加護は選ばれし者にしか付与されない特別なもの。それが二つも付いているなんて…。桃太郎殿は剣士より勇者になるべきお人だ」
「桃太郎、其方勇者になる気はあるか?」
「はい」
「なぜ最初から勇者を選ばなかった?」
「自分の命を懸けてまで他人を助けたいと思わなかったことと自分に何かあって家族に心配をかけたくなかったからです」
「それがなぜ今になって勇者に職変更しようと?」
「家族に危機が迫っているなら、その火の粉を払うのは自分の役目だと思ったからです」
「家族のためなら命を懸けると?」
「はい」
「命を落とすかもしれぬぞ?」
「死ななければいいだけですから」
「死なぬと申すか?」
「はい」
桃太郎は真っ直ぐ国王を見据えて答えます。
その目は嘘偽りのない意志を携えていました。
国王は桃太郎の真摯な言動を信じることにしました。
「桃太郎、其方の言葉を信じることにする」
「ありがとうございます」
「オーガ退治に向かってもらうにあたって、仲間を連れていくことを許す。誰か連れていきたい者はいるか?」
「お供ですか…」
「もし思い当たらないなら、この中から選ぶがよい」
国王は側近に指示して、分厚いファイルを桃太郎に渡します。
今から一時間の間で決めるよう言い渡され、国王の間からほど近い個室に押し込まれました。
自分の手よりも分厚いファイルの中から一時間で選出するなんて至難の業だと桃太郎は思いました。
(えぇい!めんどくさいっ!!)
ファイルを一度閉じ、適当に開いたページの者をお供として連れていくことにしました。
一匹目はフェンリル。
二匹目はフェニックス。
三匹目は猿。
その旨を国王に告げると、すぐに三匹が王城に呼ばれました。
「桃太郎とその一行、オーガ退治をしてくれ」
「この任務の成功の条件は何だ?」
「オーガの殲滅だ」
「人質とかいたりするのでありますか?」
「若い女が大勢連れ去られたと聞いている」
「人質は助けなくていいのですかウキ?」
「余裕があれば助けてくれ」
「了解ウキ」
「では、そろそろ向かいます」
「よろしく頼む」
桃太郎と三匹は静かにピーチ王国を出立したのでした。
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