いばら姫

伊崎夢玖

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停学

十五話

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『ビラは校内にばら撒いたんだろうな』
『もちろんだ。あんな場所で奴らと出くわすとは思わなかった』
『いい写真だっただろう』
『これで久世の家も終わりだな』
『我々と同じ場所に落ちてくればいいんだ』
「皆々様、勢揃いでお集まりになって、いかがされたのですか?」
『久世っ!』
「あのビラを見た時からお前らの仕業なのはすぐ分かった。だからお礼参りさせてもらう」
『あんなスキャンダルを起こしたんだ。お前の家も取り潰しだ』
「残念ながら、お前らとは違うんだよ」
『どう違うのだ』
『生徒に手を出したのは違いないだろう』
「生徒に手は出していない。手を出したのはお前らの息子だろう」
『それじゃ、何故あの場所にいた』
「あの生徒に気晴らしをさせただけだ」
『嘘をつけっ!』
「嘘なもんか。あの生徒はお前らの息子の誰かの子供を孕んだ被害生徒だ。その生徒の精神的苦痛を和らげることも養護教諭の務めだからな」
『あの娘が…!』
「お前らのおかげで、またあの生徒が犠牲になることになった。どこまであの生徒を傷つければ気が済むんだ?何か恨みでもあるのか?」
『全部桜井が悪いんだ』
「どういうことだ?」
『あいつ、俺らが告ったのに振りやがった』
『誰とも付き合う気はねぇって…』
『一回でいいからヤラせてくれって言ったら断りやがった』
『だから薬盛ってヤラせてもらったんだ、思う存分な』
『ヤリマンって言われてるから一回くらいヤラせてくれてもいいのに…』
『処女じゃないんだし、減るもんでもないのにな』
『だから悪いのは俺らじゃなくて、桜井の方なんだ』
「お前らの言い分はよく分かった」
『久世、俺らが悪くないって分かってくれたんだな』
「んなわけねぇだろ、クズ野郎共」
『なんだと!?』
「桜井の体と心の傷はお前らが思う程軽いもんじゃねぇんだよ」
『だったらどうするって言うんだよ?』
『俺らを警察にでも突き出すってか?』
「そんなことはしない」
『だよな。証拠ねぇもん』
「証拠ならある。お前らには相応の罰を受けてもらうことにする」
『罰ってなんだよ』
「これだよ」
後ろから見るからに高そうな黒服を着て、オールバックにした強面の男たちが現れた。
「社会的抹殺。それがお前らに相応しい罰だと思って用意させてもらった」
『ふざけんなよ。こんなことがバレてみろよ。お前も社会から抹殺されるだろう』
「お前らと一緒にしてくれるなよ。俺がそんなミスをすると思ってるのか?」
『何故そこまでする必要がある?』
「お前らに教える義理はねぇよ。あとはよろしく」
『…………』
保は男たちに奴らの始末を頼むと、車に乗り込んだ。
事の行く末を自分の目で確認し、確実に始末できたことを見届ける。
親は殴られ、たぶん肋骨あたり折れてるだろうなぁ。
血反吐を吐いている奴がいるから内臓も傷ついているだろう。
子供の方は顔面がほとんど分からないくらいに腫れ上がっている。
歯も折れて誰が誰だか、全然区別がつかない。
奴らは桃を必要以上に傷つけた。
理由を聞いても到底納得できるものではない。
というか、今時の子供は告白して振られたから、セックスするのを断られたから、と言った単純な理由だけで違法薬物まで使って強姦するのか…。
あまりにひどすぎる…。
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