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受験
第三十七話
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二月十四日。
世の中はバレンタインデー。
だけど、受験生には関係ない。
もちろん桃にもである。
保は最初から桃からチョコを貰えるとは思っていなかった。
(今は受験が大事だからな)
しかし、朝早く桃が登校してきて、保健室にいる保の元へ走ってきた。
「先生、これあげる」
桃の顔は真っ赤で、茹蛸のようだった。
「ん?ありがとう」
「今日何の日か分かってる?」
「世間ではバレンタインデーだな」
「そう。本当はあげる予定なかったんだけど、この間のプリンのお礼だから。深い意味はないからね。勘違いしないでよね。それじゃ、あたし隣の部屋で勉強してるっ!」
桃は捲し立てるように言うと、急いで隣の部屋へ駆けて行った。
保健室に一人残された保は桃から貰った包みを開けた。
中にはコーヒーセットが入っていた。
保が甘い物が苦手と言った一言を桃は覚えていたのである。
(俺が甘いの苦手って言ったの覚えてたのかよ…すげぇ嬉しすぎる)
よく見ると手紙も添えられていた。
先生へ。
面と向かって言うのは恥ずかしいから手紙にしました。
この間のお見舞い、ありがとうございました。すごく嬉しかったです。
プリンも果物もすごくおいしかった。
これは少ないけど、あの時のお礼のつもりです。受け取ってもらえると嬉しいです。
いらなかったら捨ててもらって構いません。
あと少しで二次試験。もう少し迷惑かけるけど、よろしくお願いします。
桜井桃
桃のかわいらしい字で丁寧に書かれていた。
(手紙にプレゼント…神様ありがとうっ!最高のバレンタインデーだ)
保は真っ赤な顔をして、早速貰ったコーヒーを飲んだ。
いつも飲んでいるコーヒーは保が個人的に気に入っていて、とてもおいしい代物である。
しかし、それを上回るくらい桃からもらったコーヒーの味の方がおいしく感じられた。
世の中はバレンタインデー。
だけど、受験生には関係ない。
もちろん桃にもである。
保は最初から桃からチョコを貰えるとは思っていなかった。
(今は受験が大事だからな)
しかし、朝早く桃が登校してきて、保健室にいる保の元へ走ってきた。
「先生、これあげる」
桃の顔は真っ赤で、茹蛸のようだった。
「ん?ありがとう」
「今日何の日か分かってる?」
「世間ではバレンタインデーだな」
「そう。本当はあげる予定なかったんだけど、この間のプリンのお礼だから。深い意味はないからね。勘違いしないでよね。それじゃ、あたし隣の部屋で勉強してるっ!」
桃は捲し立てるように言うと、急いで隣の部屋へ駆けて行った。
保健室に一人残された保は桃から貰った包みを開けた。
中にはコーヒーセットが入っていた。
保が甘い物が苦手と言った一言を桃は覚えていたのである。
(俺が甘いの苦手って言ったの覚えてたのかよ…すげぇ嬉しすぎる)
よく見ると手紙も添えられていた。
先生へ。
面と向かって言うのは恥ずかしいから手紙にしました。
この間のお見舞い、ありがとうございました。すごく嬉しかったです。
プリンも果物もすごくおいしかった。
これは少ないけど、あの時のお礼のつもりです。受け取ってもらえると嬉しいです。
いらなかったら捨ててもらって構いません。
あと少しで二次試験。もう少し迷惑かけるけど、よろしくお願いします。
桜井桃
桃のかわいらしい字で丁寧に書かれていた。
(手紙にプレゼント…神様ありがとうっ!最高のバレンタインデーだ)
保は真っ赤な顔をして、早速貰ったコーヒーを飲んだ。
いつも飲んでいるコーヒーは保が個人的に気に入っていて、とてもおいしい代物である。
しかし、それを上回るくらい桃からもらったコーヒーの味の方がおいしく感じられた。
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