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第四十九話 助け
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「クラリス、いるのか!?」
「アイザック!?」
アイザックの声が聞こえてそちらを見ると、焦った様子のアイザックが私のところへ走ってくる。
「何で一人でこんなとこにいるんだ!!」
開口一番怒鳴りつけられて、思わずこんな状況だというのに面食らう。
「それを言うならこっちのセリフだし! 私はアイザックがここにいるって聞いたからだけど!?」
「何だと……? まぁいい、その話はあとだ。というか、なぜこんなとこにオーガがいるんだ」
「知らないわよ! ここに来たらなぜかいたのよ!」
「本当にクラリスは次から次へと……」
「えぇ!? これって私のせいなの?」
理不尽なことを言われて不本意ではあるが、とりあえず眼前のピンチをどうにかしなければならない。
アイザックが来てくれたからと言って、彼は魔力を上手く使いこなせないため、戦力になるかどうかは微妙で、正直言って未だにピンチのままだ。
私も魔力はほぼゼロだし、策もないため、アイザックが来てくれたことは嬉しいけれど、このピンチを脱するためにはどうしたらいいのかわからなかった。
「クラリス、走れるか?」
「ごめん、ちょっと無理かも……」
「わかった。俺が抱えるからしっかり掴まっておけ」
「え? なんて? ちょ、うわっ!!」
前置きなしでアイザックに抱え上げられ、慌てて彼の首に縋りつく。
「アイザック!?」
「すまない、走るぞ」
「走るって、私を抱えたまま!? うっわぁ!!」
言うやいなや、いわゆるお姫様抱っこの状態で抱えられる。それなのに、びっくりするくらい速く走るアイザック。
そんなに重いほうではないと思いつつも、抱えられるのはさすがに気が引ける。
だが、さすがに今はそんなことを言っている状況ではないのでされるがままにされていた。
「このまま外に出るぞ」
「このまま!? で、でもオーガが追ってきてるし、ヤツが外に出たら……!」
「それならそのとき考えればいい! NMAには優秀な先生がたくさんいるし、俺達が対処するよりかはいいだろう?」
「まぁ、確かにそうかもしれないけど……」
「げげ、げげぇ……っ、ま、待デぇええええ!!」
ドッドッドッド……
まだこんなに走れたのか、というほどのスピードで追いかけてくるオーガ。
全身焼け焦げた姿で追いかけてくるのはあまりに不気味で夢に出てきそうなほどである。
私は恐怖を堪えながら、追従してくるオーガをなけなしの魔力で雷の魔法や風の魔法などを打ち、魔力がすっからかんになるまで足止めすることだけを努めた。
「アイザック!?」
アイザックの声が聞こえてそちらを見ると、焦った様子のアイザックが私のところへ走ってくる。
「何で一人でこんなとこにいるんだ!!」
開口一番怒鳴りつけられて、思わずこんな状況だというのに面食らう。
「それを言うならこっちのセリフだし! 私はアイザックがここにいるって聞いたからだけど!?」
「何だと……? まぁいい、その話はあとだ。というか、なぜこんなとこにオーガがいるんだ」
「知らないわよ! ここに来たらなぜかいたのよ!」
「本当にクラリスは次から次へと……」
「えぇ!? これって私のせいなの?」
理不尽なことを言われて不本意ではあるが、とりあえず眼前のピンチをどうにかしなければならない。
アイザックが来てくれたからと言って、彼は魔力を上手く使いこなせないため、戦力になるかどうかは微妙で、正直言って未だにピンチのままだ。
私も魔力はほぼゼロだし、策もないため、アイザックが来てくれたことは嬉しいけれど、このピンチを脱するためにはどうしたらいいのかわからなかった。
「クラリス、走れるか?」
「ごめん、ちょっと無理かも……」
「わかった。俺が抱えるからしっかり掴まっておけ」
「え? なんて? ちょ、うわっ!!」
前置きなしでアイザックに抱え上げられ、慌てて彼の首に縋りつく。
「アイザック!?」
「すまない、走るぞ」
「走るって、私を抱えたまま!? うっわぁ!!」
言うやいなや、いわゆるお姫様抱っこの状態で抱えられる。それなのに、びっくりするくらい速く走るアイザック。
そんなに重いほうではないと思いつつも、抱えられるのはさすがに気が引ける。
だが、さすがに今はそんなことを言っている状況ではないのでされるがままにされていた。
「このまま外に出るぞ」
「このまま!? で、でもオーガが追ってきてるし、ヤツが外に出たら……!」
「それならそのとき考えればいい! NMAには優秀な先生がたくさんいるし、俺達が対処するよりかはいいだろう?」
「まぁ、確かにそうかもしれないけど……」
「げげ、げげぇ……っ、ま、待デぇええええ!!」
ドッドッドッド……
まだこんなに走れたのか、というほどのスピードで追いかけてくるオーガ。
全身焼け焦げた姿で追いかけてくるのはあまりに不気味で夢に出てきそうなほどである。
私は恐怖を堪えながら、追従してくるオーガをなけなしの魔力で雷の魔法や風の魔法などを打ち、魔力がすっからかんになるまで足止めすることだけを努めた。
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