イシュタムに会うのはまた今度

もとした 影

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第Ⅰ章

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 僕は食器棚から一番深くて大きな茶碗を取り出す。炊飯器を開けると、中にはマグマみたいに熱い米が詰まっている。僕は茶碗目一杯に米をよそる。
 幼い頃からの癖だ。次いつどのくらいの量の食べ物が食べられるか分からないから、食べられるときに食べられる分だけ食べておかないと不安で仕方がないのだ。僕は誰よりも飢餓の怖さを知っている。
 席に座ると、ろくに冷まさずに大きく息を吸って口の中をそれで埋める。無我夢中で口に運ぶ。
 口の中では熱さは緩慢《かんまん》だ。そのまま一気に飲み込むと、鼻孔に火がついたようになり、喉の奥が燃え出す。息を継ぎ、また飲み込む。息を継ぎ、飲み込む。大量の米を飲み込んで、鼻血が出る。垂れてきた血を拭い、また息を継いで飲み込む。
 残った僅かな理性が手で食べることを阻止している。
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